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第16話「阿部城(仮称)内部と魔素と魔力」

隣接した巨大建造物「阿部城(仮称)」は完全な和風

門扉は大きく、これまた観音開きだが

こっちは日本様式に沿って、内開きだ


そして、横には引き戸式の潜り戸が用意されている

とりあえずこっちを開け、中に入る


私の作った西洋の城とは違い

門の中は広い通路がぐるぐる回る迷路状だ

やはり攻め入られたときに迎撃する為か


何カ所か小さい門があり

上には覗き窓や攻撃用の穴が見える

どこの城がベースなのか解からないけど

結構守りは堅そう


おまけに屋根を超えてショートカットしようとしたら

壁には忍び返し代わりか苦無(くない)がきらっと光っている


あれも魔術で創造したのか、すげぇ数なんだけど?


ぐるぐる回って歩き、ようやく城の本体に到着した

侵入者を絶対に城へは入れさせないぞ!

と言う気合が見て取れるよね


「おーい、遊びに来たよ~」


間抜けかもしれないが、あちらも2人しか居ないし

気にすることもないでしょ


「いらっしゃーい、上にあがってきてくださーい」

最上階から声が聞こえる


見上げると、手を振りながら阿部ちゃんと長命種さんが

こっちを見降ろしていた


ただ、長命種さんは心なしか

げんなりして見えるのは気のせい、か?


中に入ると、高めの上がり框がある

靴を脱いで上がると、2人も倣って履物を脱いだ

よく見ると、布で作った「わらじ」に似てる

貫頭衣といい、本当にシンプルで潔い


結構な斜度の階段を数階層上り、ようやく最上階に到着した


こうやって見ると、私の城の尖塔と

この城の最上階はほぼ同じ高さくらいかな?


やはり見晴らしは良く

むしろ尖塔内部より広い分、ゆったり感が凄い


「おじゃまします」

そう言いながら、畳に上がる


そう、畳

部屋の床には全面、畳が敷き詰められていた


「座っていいかな?」

断りを入れて頷いたのを見た後、胡坐をかいて座る


この世界に来てまだ数時間程度だけど

最初に倒れてた以外立ちっぱなしだったのを思い出した


阿部ちゃんは膝を折って横座りしたが

3人娘は畳を見るのも初めてだろう


「阿部ちゃん?好きに座って貰っていいよね?」


阿部ちゃんも察したらしい


「お好きに座って休んでください」


3人は私と阿部ちゃんを交互に見て

みんな阿部ちゃんに倣って座っていた

―胡坐は、おっさんくさかったか?


「さて、探索に行ってくれた2人から

報告を聞きたいけど、お願いできるかな?」


執事さんがまず話しはじめた

「とりあえず、内部を1周しましたが

ただただ岩で囲まれた洞窟が続くだけの構造です

水場や食料になる植物なども無く

全面に生えている光る苔(ライトブッシュ)があるだけだけでした


そして最後に出口らしき場所を見つけましたが

外に出るには門扉らしきものがありました

念の為、開けるのはお二方にご相談してからと思い

戻った次第です」


さっき尖塔から見えた黒いのは、門扉だったのか


妖精王さんが変わって報告を続ける

「この洞窟の中は魔素濃度がかなり高く

光る苔以外に消費する植物もないので

魔素が減っても、補充するには

十分な量があると思いますわ」


ん?魔素の補充?


『魔素は、魔法を使う為のエネルギーです』

弥生さんが説明をしてくれた


『通常、呼吸すると同時に

魔力体が魔素を取り込みます

魔素が限界まで減れば

魔術を行使し続けられません


呼吸で自然に補充できる量は

生存に必要な最低限より、少し多い位です』


魔術使い過ぎたら、魔素欠乏?とかになって

ヤバイってことかしら


『魔素欠乏で魔術が使えない場合

魔素の吸収か液体魔素の飲用で補充するのが一般的です

しかし、ご主人様(マスター)は現時点では補充は不要

と言うか、例え液体魔素を100本飲んでも

全魔素量の1パーセントにすらならないと思います』


その参考値、良いのか?悪いのか?


『参考までに、目の前にいる3人は現状で

液体魔素200mlを1本飲むと

過剰摂取により、魔力体が暴走します』


エナジードリンク飲むのに命がけかよ、この世界


「ところで」

執事さんだ


「今いる、この家?はどうやって作られたのでしょうか?」


妖精王さんもこっちを見てる


建てるところを見た長命種さん、静かに手を上げる

「先程、ケイ殿が、聞いたことが無い魔術を詠唱して

隣の家を作り上げたのです

それを見て、今度はアヤノ殿が別の詠唱を

行って今いる家が出来た、というのが経緯です」


探索組は首をかしげる


「お二人は魔術が使えたのですか?

しかも賢者が知らない魔術を?」

執事さんが率直に聞いてきた


「いやー、長命種さんが唱えたのを聞いて

想像しながら英語で唱えたら、出来ちゃったんだよねぇ」

嘘偽りない事実


「私も同じです

知ってる城を思い浮かべて、先輩の真似しただけですよ」

阿部ちゃんが付け加える


「「「英語?想像?」」」

3人娘が首をひねって、同時に発した。


そうか

モノづくりが解からない、ってのは

自分の頭の中で考える力が無くって

【イメージが出来ない】のと同じなのか?


私らは自分が思い描いた「城」があって

詠唱でそれが具現化したわけだ


そもそも、そのイメージが独自に出来てないから

【椅子】と言えば同じモノしか出来ず

【寝台】を唱えればフレームだけが出来上がるわけか


もしかして


「ちょっと試してみるよ」

そういってこう唱えた


製作:寝台(クリエイト:ベッド)


予想通り、ふかふかのベッドマットに羽毛布団

羽枕も付いて、足があって

ヘッドボードもあるベッドが現れた


何故かキングサイズ

しかも畳部屋に


「なんですかこれは!!」


長命種さんは声を荒げ

妖精種さんは口元を押さえ

有角種さんは顎が落ちる位、口を開けた状態で固まった


やっぱりこれ、この世界じゃおかしいんだよね?

阿部ちゃんはニヤニヤしながら、こっちを見てる


その顔


やる気マンマンですね、貴女?

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