第13話「あっという間に知らない世界 2」
重い瞼を漸く開くと、先程までと違い薄暗く、湿った匂いを感じた
どこか土臭い気がするから、地上か?
目が慣れたのか、周囲が明るくなったと思ったら
「大丈夫ですか?」
声をかけられた
瞼を開くと、見たことの無い顔が3つ
こちらを覗き込んでいた
赤毛ロングの美女、金髪セミロングのマッチョ女子、藍色ウェーブのスリム女子?
改めて見ると、3人が3人共、ドアップなのに美人にも程がある
見える光景は、どこぞの美女勢ぞろいアニメ顔負けだ
声をかけたのは執事のようだ
そっか
さっきのJCのところで創造されたサポートの3人か?
あっちでは表情が全く無かったから分からなかったけど、とんでもない美女?美少女?に見える
3人ともしゃがんで、こちらの顔を覗き込んでいる
そうか、私は地べたに寝ているのか
上半身を起こし、周りを確認すると先程までの果てしない白い世界ではなく、ごつごつした岩でできた空間の中に居た
天井は高く、軽く100mはあるだろうか
面積も結構広く、果てはよくわからない
ところで、空は見えないけど、なんで明るいのだろう?
と、そこで気が付く
そうだった
3度目だけど、後輩はどこだ?
と、辺りを見回すと、私のすぐ隣に横たわって居た
じっと見ると、胸が上下しているから
生きてはいるようで、またもほっとした
「ごめん、彼女を起こして貰えるかな?」
と、目の前に居た執事タイプの女性に頼んでみる
「ご自身で起こされないのですか?」
と言われるが
「いやー、会社の同僚だからねぇ、親しい友人とは言え女の子にむやみに触ると、
【セクハラ!】って言われる恐れが・・・・・って伝わるのかな?」
しばし思案顔をしていたが
「つまり、ご自身で起こそうとすればあまりよろしくない状況になるかも?
ということですね?
それでは、私が起こさせていただきます」
と納得した様子で彼女の肩を優しく揺らす
「大丈夫でしょうか?」
何度か声掛けしながら揺すり、ようやく後輩が起きた
「はぁ~い、ってあれ?」
見慣れない女性に起こされキョトンとしている
キョロキョロしてこっちを見て改め
「おはようございます」
「おはよう、って私もさっき起きたばっかりなんだけどね」
と挨拶を交わす
そもそもここはどこ?
3人娘はどんな人なの?
って確認から始めなきゃ
と、座ったままだったので立ち上がろうとして、よろけて転んだ
「大丈夫ですか?こちらの【世界】ではお二方の世界と違うようで、なにか【変換】をしてから送る必要があるからと伝えられました
その影響で少し勝手が違うのかもしれません
少しお休みになられてた方がよいでしょう」
賢者はそう言うと手を前にかざして、空中に何かを書くようなしぐさをし始めた
彼女の前腕に、何かの文様か文字のようなものが浮かび上がった後、こう唱えた
【製作:寝台】
「よろしければこれをお使いください」
そう告げる彼女の目の前にベッドができていた
後輩とやっぱり顔を見合わせる
「【クリエイト:ベッド】って聞こえたよね?」
「聞こえました」
「で、出来たのは」
「DIYで作ったベッドフレームみたいなやつですねぇ」
そう
賢者が作ったのはベッドとは言うものの、丸太を少し削って平らにしたものを並べて組んだだけのものだった
足もヘッドボードもそれどころかマットレスも、布団も無いではないか
JCが言ってた「モノづくり」の話を思い出す
そもそも布団とか無いのでは?と思い立った
いや、それもだが、先に確認しておきたいことがあった
「3人とも、名前を教えてくれるかな?」
賢者、マッチョ、執事がキョトンとしている
「ナマエ、ってなんでしょう?」
思わず頭を抱えてしまった
やっぱ現状の仕様書貰っておくべきだったな
まさか個別に名前って概念が無い世界とは
後輩と今日何度目か
顔を見合わせた




