第122話「ハーブティーと抱き枕」
強い光が目から入って脳が覚醒しちゃったし、
アルテミスは少し興奮気味なまま。
早々には眠れなさそうだから、
お茶でもしようかと誘って会議室に降りてきた
そう言えば、食材庫も彼女の作ったものなんだよね
入ってるものは知ってるからと、
別にクリエイトして茶葉を作る
お湯を沸かし茶葉を入れたティーサーバーに注いで
持っていく
「安眠効果があるローズティーにしてみたんだけど、
どうかな?」
カップを置いて注ぐ
「ありがとう
へぇ~、これって花の香りかなぁ?お茶にして飲むのかぁ」
ゆっくり口を付ける
「!!!
凄いねぇ、花の香りが口の中一杯にひろがるよぉ」
「香りが華やかだよね、これ」
「うん、初めて飲んだけどおいしいねぇ
これに合うお菓子とかないかなぁ?」
「見た目は超美女にランクアップしたけど、
中身は一緒だったか」
「【命名】されても中身はそうそう変わらないよぉ」
薄く、笑ってる
「お菓子は寝る前だから我慢してね?」
「今夜は君を寝かせないよぉ?
だから食べてもいいんじゃないかなぁ?」
「その理屈はおかしいし、
そもそもなんで寝せてくれないのよ?」
「ふふふっ」
怪しく微笑んでいらっしゃる
天使の微笑ならぬ女神の微笑、ですな
まあ、部屋に来た直後と違って楽しそうでなにより
「それは忘れてほしいんだよぉ!」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないの」
「駄目だってばぁ」
ポカポカされてます、女神様に
他愛もない話をしていると小一時間くらい経ったか
少し落ち着いたようなので、そろそろ就寝を提案する
「じゃあ、寝ようかねぇ」
「んじゃ、部屋まで送ってくよ」
一応3階まで送っていこうとすると、2階で曲がった
「女子は3階だけど?」
振り向きもせず部屋に入る
私の部屋に、だ
「昨日も一緒に寝たんだから別にいいよねぇ」
ベッドに座り満面の笑顔でこっちを見てくる
はぁ
「今日は他に誰も居ないぞ?」
「そうだろうねぇ、ボクが神託出しておいたからねぇ」
昨夜と同じく人払いか
「ボクを番にしてもいいよぉ、って話は
本気にしてくれてもいいんだよぉ?」
「魅惑的なお話ですね、それ」
「どうだろうかねぇ?」
「う~ん、口説かれてるんだろうな、これって」
「そうだよぉ?」
手を出すのは簡単、アルテミスもその気っぽいんだし
さっきの今夜は寝かせないよぉ?ってのはこれかぁ
比喩でもなんでもなくストレートにぶちかましてきたな
う~~~~~~~~~~~~~ん
据え膳喰わぬはなんとやら、とはいいますが、
据えられたのがこの【世界】の女神様だってんだから
悩まぬわけはない
普通の女の子と違って致したら起きる不都合の可能性がでかすぎるんだよね
【命名】は幸いいい方に転んだけども、
流石にこれはどうでるだろう?
立ち尽くして悩んでいたら
腕を引っ張られてベッドに押し倒される
「無理にしなくてもいいんだよぉ?
ただ一緒に寝てくれるだけでもいいからさぁ、
ボクの居る場所になってくれてると嬉しいなぁ」
そっか、【命名】前に自分で言ってたけど恐らくこの娘、
人寂しいんだ
【命名】の時も仲間が、とか言ってたし
誰かが近くに一緒に居てくれるだけでうれしいのか
普段があの真っ白な空間に一人で居るわけだから、
そりゃあ周りに人が居る環境は別世界に見えるのだろう
余りの可愛さに少し情欲に負けてたか
「ふふっ、別に致してもいいんだよぉ?」
「逆にしなくてもいいならそれでいいじゃないの
君が女神で無くなったら多分いろんな人が困るって
さっきも言ったでしょうに
しても大丈夫、ってなったらその時はまた考えようよ?」
「そうだねぇ、それまではこうやって君にくっついて
我慢してるよぉ」
――当面抱き枕にされること、決定みたい




