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第14話「魔法少女?、魔術を試してみる」

ベッドフレームを、私らの世界で作ろうとすれば


設計、製材、組み立て作業など

いくつかの工程を経てベッドが完成、となる


けれどもこの【世界】では

そういう手順を全てすっ飛ばして

製作:寝台(クリエイト:ベッド)と言う【魔術】を唱える

それだけでベッドフレームそのものが

当たり前のように目の前に現れる


ここの人達は恐らく

「作ると言う過程・工程」を理解していないのだろう


【こう唱えれば、こういうモノが出てくる】

そんな天からの贈り物みたいな認識でしかなく

むしろ出来て当然なんて感覚ではないのか


その「こういうもの=成果物」の認識の違いは

同じ製作:椅子(クリエイト:チェアー)を使ったことで明確になった


確定するには、もう一人の異世界人に試してもらうほかない


阿部ちゃんに向きなおり、話す

「葉月さんにも確認が必要だけど

多分使えると思うよ、魔術

作りたい椅子を強く想像しながら

製作:椅子(クリエイト:チェアー)って唱えてみて?」


それを聞いた長命種(エルフ)さんも

興味深そうに阿部ちゃんへ視線を向けている


葉月さんから了承出たのか

一息ついた阿部ちゃんは、少し緊張した面持ちで

上空へと右手を伸ばし


製作:椅子(クリエイト:チェアー)!!」

と唱えた


目の前には、予想通りと言うか期待通りというべきか

見事な椅子がぽんっと現れた


ただ、彼女の愛車についてるごついシートそのものだったが


「えっ?本当に魔術で出てきた・・・・・」

あれ?

魔法少女にあこがれていたはずの阿部ちゃんが

少し戸惑っているのは意外だ


片や長命種(エルフ)さん、別な意味でなのか

戸惑っている様子でシートを指さして


「えっと・・・これも【椅子】というもの、でしょうか?」


そうだよねぇ、同じ魔術使ったはずなのに

また違う形のものが出てきたら、そりゃあ驚くよねぇ


賢者があの椅子しか知らないんだから

この【世界】で作れるのは、あの形の椅子だけ、なのだろう


想像力が結果を変えるなら、毎日座って運転している

阿部ちゃんの愛車のシートが出てきたのもある意味、当然か


そんなことよりも、だ


「魔術使えたじゃない

魔法少女の夢が叶って、嬉しかったりするかな?」


阿部ちゃんの目が輝く


「いえいえ

魔法スティックないですし、変身もできていませんよ!

第一、一緒に戦う仲間も足りていません」


彼女の理想への道のりは、まだまだ遠いみたい


翻って長命種(エルフ)さん


シートが出てきたこと自体にはもう驚いていないけれど

やはり見たことがない形状らしく

興味深げに観察を始めていた


早速座ってみたり、回そうとしたり

なんとか動かそうとしているが

その椅子は基本、回らないし、足で動かせないよ?


「ちょっと待ってね」

そういってシートを確認する


座面固定のためのレールが付いているが

取り付ける車体が無いので

当然地面に直置き

少し斜めになっている


阿部ちゃんの車はスポーツタイプなので

純正とはいえ、身体をがっちり固定するタイプのシート形状


一応全ての機構も再現されていて

前後スライドさせようと思ったのだが

レールが固定されていないので微妙にずれていて

固定を解除するレバーが動かせない


仕方ないので、背もたれの角度調整レバーを引き上げると

彼女、思ったより背中を強く押し当てていたようで

勢いよく長命種(エルフ)さんが後ろに倒れていった


「うにゅ!」


これまた、美人から出たとは思えない声が

口から出て来て思わず顔を見つめてしまう


しかし、すぐ我に返って


「ほんっと、ごめん!」

謝るしかないわけで


「大丈夫です」


とは言うものの

結構な勢いだったからか

若干顔が引き攣っている


あの勢いと衝撃じゃ、そりゃそうだろうと心が痛い


今度はちゃんと声掛けしよう

そうしよう


両手を差し出し、身体を起こす手伝いをしながら

そう誓った


さて、これでまずは魔術が使えることは検証できた

その上、同じ魔術でも【思い描くモノのイメージ】で

結果が変わるらしいことも推測できた


「もしかしたら・・・やってみるか」


呟いて試してみる


製作:(クリエイト:)王城(キングキャッスル)!」


規模がでかすぎるし、多分失敗する

そう思って唱えたのに


成功してしまった

目の前にヨーロッパ調の巨大な城がそびえたっている


洞窟の中に城

魔王とか住んでそうじゃない?

というシチュエーションに、我ながら呆れた


そして、長命種(エルフ)さんは目を見開き

顎が落ちそうな位に口を開いてまたも固まっていた


阿部ちゃんはというと

・・・・・

あまり見たことがないほど、不満そうな顔をしていた


「先輩??」


こちらに向き直り


「私が、学生の時に発掘のバイトしたり

日本の歴史とか大好きなの、知ってますよね?

なんで、日本のお城にしなかったんですか!」


理不尽な怒りをぶつけられた


「いや、だって

まさか本当に作れるとは思ってなかったんだもの

家ができれば御の字だと思ってたのに

こんな壮大な城ができるとは想像もしてなかったよ」


ご主人様(マスター)、ご報告です』

遮るように弥生さんの声が頭に響く


『この規模の魔術を行使したにもかかわらず

魔素量が減っていません』


嘘だろ??


『この規模の魔術行使でもまるで消費されないのは

明らかに異常ですが、使っても減らないなら事実上

無限に魔法や魔術が使える、とも考えられます

結果的に良いのではないでしょうか』


楽観的でなによりですね、弥生さんは


製作:(クリエイト:)江戸城(エドキャッスル)!」


でも、そんなことを考えている傍で検証もせず

すぐ詠唱した人が居たりするんですよ


幸いにもぶつかって壊れるとか

対消滅するとかなかったけど

ヨーロッパにある古城と純和風の城が

並んで建っている絵面はシュール過ぎる


違和感、仕事しろ!

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