第101話「根回し」
「旦那様、しょくば、と言うものを理解したぞよ」
エメロードが腕組みしながらふんぞり返って
偉そうに声を張る。
「ほう、どう理解したのかお聞かせ願えるかな?」
「旦那様達の中では一番偉いのがアヤノで、次に旦那様、
その次にヴェルーリアとカホルで、と
わしらのように力が強いものが上ということじゃろ?」
説明したルカを手招きして尋ねるが、
全く同じことを言ってきた
「おまえさん、理解してないだろ?」
今更、一から説明しなおすのも面倒なので
そのままにしておくことにした。
・・・・・実際、阿部ちゃんには勝てる気がしないもの。
「それはさておき、他の里長にここへ来てもらうことって
現実的に可能かな?」
「わしの弟、いや今はニールか?
あ奴がきちんと説明して納得してもらっておれば
大丈夫じゃろうが、どうだろうかの」
そろそろ夜になるだろう
一度ニールに進捗具合を確認してみようか
通信を入れてみるとすぐ応答があった
〈はい、ニールです〉
「おつかれさま。
進捗度合いの確認で連絡たけど、どうかな?」
〈現在、最後の里に着いて長の説得を終えて
使い方も伝達して、そちらに戻っているところです〉
丁度良かった
「この後、全ての里に連絡するんだけど、
代表者に集まってもらって対策について
一斉に説明したいと思ってるんだよね。
ニールから見て可能そうだろうか?」
〈ふむ、一応各長にはご理解いただけましたよ
中には襲い掛かってきた長もおりましたが、
力ずくで説得いたしました〉
「待て、ニールも脳筋だったのか?」
〈のうきん、は存じませんが力が強いものが上である、
というのが我らの不問律です。
負けた者は勝った者に従う、
これは我が姪でも同じでしたでしょう?〉
確かにね
「わかった
こっちの長、いや今はエメロードと名乗っているが、
相談し終わったら改めて各里に通達をするので
一応気にかけておいて欲しい」
〈わかりました
ところで、我らの長も龍神族となったのでしょうか?〉
「なっちゃったんだよ、ご要望でね」
〈やはりそうでしたか、お手数をおかけいたしました〉
「こっちこそ面倒をかけたし、手間も掛けたね
気を付けて帰ってきてね」
わかりました、と返答があり通信を終える
エメロードの龍神族化は、龍?への対応として
里の戦闘能力向上として提案した結果だ。
今回の通達の目的は、龍神族化はさておき、
私らのメイドを連れ帰ってもらい守備を固める、
襲撃をされた場合は通信を使って近くの里が応援に出る、
ということを確約させることだった。
まあ、来た連中が揉めるようなら力づくでいく、
ということになってしまったが。
何時襲撃があるかわからない中、
くだらない揉め事で時間を喰うのは
手を貸してくれている私に対して失礼、
とエメロードは力説してくれた。
その申し出はありがたく受けておく。
それと、待っている間に上空からドローンで撮影。
地図による位置関係把握もしようと思っているので、
ドローンの特徴を伝えて間違って襲撃しないような
伝達も行いたい旨伝えるのも目的だ。
ステルス性能持たせる魔術、あるものかね?
そう思いつつドローンをクリエイト。
テストを兼ねて少し大型にして作る。
地図が出来て、それぞれの里の位置関係が明確になれば、
襲撃があった時の応援態勢も明確にできるだろう。
ドローン画像は弥生さんが「龍神族だけ出入りできる監視室」改め「お団子ルーム」に割り込んで接続してくれた。
これなら後々、ドラゴン達が自立して
対処できるようにもできるだろう。
ちなみにお団子ルームの呼び名は、
最初に「ごま摺り団子みたい」とつぶやいたのを聞いた
面々が興味を持ったので。説明したら勝手にお団子!と
名付けてしまったのだった。
後でお団子の実物を作る約束をさせられたのは
いうまでもない。
そうそう、出入りに関してはエメロードでも開いた。
なので確実に【龍神族】を認証しているのが確定した。
ドローンのコントロールと管理はある意味では
弥生さんが直接するんだとか。
正確に言えば、通信での制御ではタイムラグが生じるので、
自身の一部を制御システムとしてコピーして使ったとか。
なんでもありですか?
『いえいえ、そんなことはありませんよ』
なんとなく得意気に聞こえますけどね?
当然のように魔素を自動補給していくから
ほぼ無補給で飛べるドローンを飛ばしてあとはお任せ。
「そろそろ腹が減ったのじゃ」
しょぼくれた顔で訴えるルカ。
はいはい、今日のお仕事はこんなところで終わらせて、
そろそろご飯どきですかね、皆さん?




