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見習い冒険者はいつになっても正式採用を受けない  作者: Patriot
十五歳〜二十歳

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剣聖

セバスは王城までの地下道を駆けながら、自らの不甲斐なさを噛み締めていた。


この世に生を受けてから、人生のすべてを王家へ捧げてきた。


王家の剣として生きる。


それだけを胸に、幼き日から剣を振るい続けた。


現国王とは幼い頃より共に育ち、王女アンが生まれた日には、自分のことのように喜んだ。


国王陛下に王女専属執事を任じられた時、あの日流した涙を、今でも忘れてはいない。


それほどまでに誇らしかった。


それほどまでに、この命を王家へ捧げる覚悟を決めていた。


それなのに。


何が剣聖か。


何が王国最強か。


王女は、まんまと誘拐された。


自分は敵の策へ見事に釣り出され、その隙に、王宮までも危険へ晒した。


そして。


救われた。


またしても、あの二人によって。


セバスは強く拳を握り締める。


掌から血が滲んだ。


その痛みすら、自分への戒めには足りない。


「……不甲斐ない。」


小さく漏れたその一言は、夜の地下道へ静かに消えていく。


脳裏へ浮かぶのは、地下道で見た青年の姿。


完全詠唱。


あれほどの強化魔法を、迷うことなく自分へ掛けた。


己の力ではなく、他者の力を信じた青年。


「恩に着ます。」


セバスは静かに前を向く。


今、この瞬間だけは。


全盛期を超える。


王家へ仇なす者どもを。


一人残らず駆逐するために。

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