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【第2章プロローグ(2007年 春〜)
東京都府中市――2007年、春。
「凪! 動作が遅い! その一秒の遅れが人の命を奪うんだぞ!」
教官の怒号が訓練場に響き渡る中、数十キロの資機材を背負って壁を駆け上がり、酸欠で視界が白むまで走り続ける。全身の筋肉が悲鳴を上げる。
かつて長崎の坂道で英理を守った力は、「プロとして誰かを守るための強さ」へとさらに鍛え直される必要があった。
(…動け。…あいつに、胸張れる自分でおらんとあかん)
東京消防庁・消防学校。
全寮制で叩き込まれる過酷な6ヶ月間の訓練の中で、凪は泥と汗にまみれながら、必死に食らいついていた。




