↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
55/176

第55話 【ただ寄り添う距離で】

三原高校の教室。


ナオは英理の隣で、いつも通りに過ごしていた。

休み時間、ナオは何気ない調子で口を開いた。


「あ、そういえば昨日……凪くんも叔母さんの体調が悪くて学校休んどったみたいよ」


「……叔母さんの体調?」


「そう。凪くんも、来れなかったんだ」


「……そっか」


英理は、それ以上凪の名前を口にしなかった。

窓の外を眺める横顔は、どこか考え込んでいるようだった。


♢


一方、鳴滝高校の教室でも、和也は凪と以前と変わらない距離感で接していた。

凪は登校を再開したものの、ここ数日はどこか上の空だった。

和也も、あえて「英理はどうだ」などと訊ねることはしなかった。


ナオも和也も、今は二人のことに口を出さず、ただいつも通り友人として接していた。


そんな中、今日は朝から少しだけ凪の様子が違った。


「和也、この前貸してくれた『モンスターハンターポータブル 2』、やっと最後の緊急クエストクリアできたぞ!」


凪が目を輝かせながら、カバンからPSPを取り出した。


和也は少し驚いて凪の方を向いた。

久しぶりに見る凪の明るい顔に、和也は少しだけ安心した。


「お、マジか! あそこ、ソロやとかなり苦戦するはずやろ。お前、ようクリアしたな」


凪は照れくさそうに頭をかいた。


「いや、かなり時間かかったよ。でも、やってる間は何もかも忘れて熱中できたから……なんか、久しぶりに心から楽しかった気がする」


「そうか。それは良かった」


和也はそう言って笑った。


凪はPSPの画面を覗き込みながら、久しぶりに友人との他愛ない会話を楽しんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。