48/176
第48話 【最悪のタイミング】
放課後、駅近くのポートサイド・バーガーは、学校帰りの生徒たちで埋まっていた。
ナオ、英理、長門、裕介の4人は、空いていた2人掛けのテーブルをくっつけ、それぞれの前には、お目当てのてりやきエッグのセットが並んでいる。
「うわ、これこれ。この時期のてりやきエッグはマジでうまいわ」
裕介が包み紙を開ける。
「ほんまそれ。私、このタレとマヨネーズの組み合わせ、毎日でもいける」
英理もポテトを頬張る。
最初は少し身構えていた裕介だったが、英理の気さくな調子につられ、すぐにいつもの調子を取り戻していた。
「でもさ、これ綺麗に食うの難しくないか? 絶対タレが顔につくか、レタスがはみ出るんよ。ほら長門、お前もう口の横ついとるぞ」
「えっ、マジで」
紙ナプキンを探す長門を見て、ナオが「あ、本当だ、ここ」と笑いながら指をさす。
裕介が中学時代の長門の失敗談や、くだらない冗談を次々に出し始めた。
「ちょっと裕介くん、それ面白すぎやろ」
英理がテーブルを軽く叩いて笑う。ナオも肩を揺らした。
「もう、笑わせんでって」
英理の明るい笑い声が、店内に響いていた。
そのとき、ナオは自動ドアが開く音に釣られて、ふと入り口へ目を向けた。
――その瞬間、動きが止まる。
空席を探して店内を見回している男の姿。
和也と、そして凪だった。




