↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
26/176

第26話 【お母様ってどんな人】

昼休みの鳴滝高校の教室。


和也は凪の机の横にドカッと腰を下ろすと、ニヤニヤしながら肩を叩いてきた。


「おい凪、聞いたぞ。今日の放課後、お前ついに神之浦家に招待されたらしいな」


凪は教科書から目を離さないまま、小さく息を吐いた。


「ああ、そうや。なんか、お母さんと英理と一緒に話すことになったんやけど……」


「そうそう。そのとき俺、英理から『あんたは今日はまっすぐ家に帰ってきい』ってめちゃくちゃ念押しされたわ。

お前、ついに神之浦家の『公認』になるんか。出世したなぁ」


余裕のない凪は、声を潜めて和也の袖を引っ張った。


「和也、頼むから教えてくれ。英理のお母さんって、どんな感じの人なんや? 優しそうか? それとも、やっぱり厳しいんか?」


和也は面白がってわざと深刻な顔を作る。


「そうやな……顔はまあ、英理にそっくりやな。

今の英理をそのまま大人っぽくしたような、かなりの美人さんや」


「え、美人?」


凪が少しだけ安堵の表情を見せたその瞬間、和也はさらに畳み掛けるように、ニヤリと悪魔のような笑みを浮かべた。


「お前なぁ、美人だからって油断したらあかんで」


「なんでだよ」


「あの英理を育てた母さんやぞ?」


「……」


「つまり、英理の『圧』の本家本元や」


「やめろや!」


和也はわざとらしく大げさに肩をすくめる。


「あの笑顔の裏に何が隠されとるか。まあ、せいぜい頑張れよ。俺は安全な場所から、お前の安否ば祈っとくわ」


「おい、脅すなよ! ほんまにそんな怖いんか?」

 

凪の顔がみるみる青ざめていく。


「まあ、妹に近づく男を見る目の厳しさっちゅうもんがあるやろ。せいぜい粗相のないように気をつけるこっちゃな」


和也がからかうように笑う一方で、凪の頭の中では「もし怒らせたら」という最悪の想像が猛烈に加速していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。