↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
我が名はヴィラン ~異世界でモンスターを売る武器商人~  作者: 東西南北


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/19

第6話 復讐するは我にあり


この世界ユートピアに転生する前……俺は悪名高い武器商人として闇の世界に君臨していた。

俺1人の力ではない。

優秀で頼りになる部下3人のおかげだった。


……コンコンッ!


「黒木舞です!フランクを連れて参りました!」


『おう!入れ!』


(この高圧的な声……ボビーだな)


扉を開け、中に入ると、なんとも懐かしい顔ぶれが、異様なオーラを放ちながらソファーに腰掛けていた。

右のソファーに座っているのは、浅黒い肌に綺麗に整えられた口髭を持つ男……ボビー。


「こいつがフランクって野郎か?」


左のソファーに座っているのは、プラチナブロンドの髪を気だるげに揺らし、ソファーで足を組んでいる白人美女……レイラ。


「随分と目が細いのね。キツネみたいで気色が悪いわ」


そして……真ん中のソファーに座っているのは

無造作に流れた銀髪が妖艶な色気を放つ、一見すれば誰もが振り返るほどの美男子……マッシュ。


「ククク!キツネはお前だろ、レイラ!

同族嫌悪もほどほどにしとけ!」


「はぁ!?私に喧嘩売ってるわけ!?」


「あ?なんだ?」


狂気じみた目でレイラを睨み付ける。


「っ!?……な、なんでもないわ!」


「……ふんっ!……で、フランクって言ったっけ?お前」


「は、はい!そうです!」


ペコペコと頭を下げながら、俺は心の中で自分の演技を評価していた。

気弱そうな無能の生徒会書記長。

……うん、完璧に演じられているはずだ。

そうでも思わなければ、今この瞬間にも、怒りで理性が消し飛びそうだったから。

腸(はらわた)が煮えくり返っている。目の前が真っ赤だ。

今すぐにでも、この手でこいつらをぶっ殺してやりたい!!

お前たちが俺を裏切ったと知ったあの時……俺は他の部下を使って、お前たち3人を完璧に捕らえてみせた。

俺の所有する薄汚い豚小屋で行った、簡易的な私刑裁判。絶望に顔を歪めるお前たちを無様に跪かせ、処刑し、文字通り豚のエサへと変えてやったあの瞬間。

――勝負は、そこで終わっていたはずだった。


(はずだったんだ!)


「単刀直入に言う。実はな……昨日から佐藤太一って男の子が行方不明なんだ。冒険者ギルドに依頼したいから、その費用を負担して欲しい。出来るよな?」


「……え?それは……」


「出来ねえとは言わせねえ。

この学園にはたんまり金があるらしいじゃねえか!王子様が言ってたぜぇ?」


「お、王子様?ア、アレク様ですか?

確かにこの学園の予算は3つの王国を養うほどありますが……」


「……が、なんだ? 出せねえって言うんじゃねえだろうな、あ?」


マッシュがソファーから身を乗り出し、その美しい顔を狂暴に歪めて俺を睨みつける。


「い、いえ! 滅相もありません! ただ、学園の予算を動かすには、生徒会長であるローズ様の正式な許可証と、用途を証明する書類が必要になりまして……」


俺は引きつった笑みを浮かべ、揉み手をしながら弁明する。


「……死にてえのか、お前?」


「ヒッ!?わ、わかりました!!

なんとかしてみますぅぅ!!」


(エサくらいはくれてやるさ……しかし……)


「よしよし!良い子だぁ……お前がもう少し顔立ちが整っていたら抱いてやったのに!」


(この世界で欲しいモノを言ってはいけない。

それが心の隙を生み、油断となり、背後からバリボリ喰われるんだ。忘れてしまったようだなぁ……マッシュ……ん?)


待て……待て待て待て!?

今まで気付かなかったぞ!?

テラスに誰か立っている!?


(この感じ……まさか!?)


「気はすんだか……マッシュ」


そう言ってテラスに立っていた人物は振り返り、俺たちの方へと歩を進める。


……風になびく長く美しい金髪……

……マッシュ以上に整った美しい顔……

……天使のような白い翼……


「ああ……ミカエルさん!!来てたのか!!」


(ミカエル!!貴様だ……貴様のせいで……俺は全てを失った!!)


「悪かったな、こっちの用はすんだ。

で、あんたの用は?」


「今日の開会式……スピーチの原稿はちゃんと暗記したのか……それの確認だ」


「あ、ああ!勿論だよ、ミカエルさん!

バッチリだ!心配しなくていい!」


「それを聞いて安心したよ、マッシュ。

どうも最近貴族共が浮き足だっていてね。

今回の開会式で我らの威光を示したい」


「大丈夫だよ!しくじらねえって!」


「……おい、そこの穢らわしいモノよ」


「え?」


「頭が高い!!」


そう言ってミカエルは俺の腹部を蹴った。


「ぐぅぅ!?」


俺はその場で踞る。呼吸が出来ない。


「悪魔より生まれし邪悪な存在め!!

立場をわきまえよ!!私と貴様らの間には序列があるのだ!!圧倒的に!!」


そう言ってミカエルは光の玉となり、窓から外へと飛び立って行った。


「ぐうっ……ぐはっ!!」


「……今の表情、もう一度見せてくんね?」


そう言って今度はマッシュが俺の脇腹に蹴りを入れてくる。何度もだ。


「ぐああ!?ぐぎゃあ!?」


「ほらほら!さっきの表情だよ!さっさとしろよ!」


「その辺にしとけば?マッシュ。

死ぬわよそいつ」


「……ほっとけレイラ。こいつの変わりなんていくらでもいるさ」


「……無能力で不細工な男は死ねばいい!」


(か、勝手な事ばかりほざきやがって!

さっきの顔とは何のことだ!?

わからない……わからない!!)


「ヒャッハハハハハハハ!!

そうそう!その顔だ!良い顔だぜぇ?

絶望に満ちたお前の……その……顔!!」


「ぐっ!?」


(絶望……? これがか?)


あまりの滑稽さに、喉の奥からせり上がる笑いを噛み殺す。

マッシュ、お前にはこの顔が絶望に見えるのか。相変わらず、ただ暴力を振るうことしか脳にない単細胞だ。


(これはな……お前たちをどう料理してやろうか考えている、極上の歓喜の顔だよ……!)


「ふぃ~~!あ~~!楽しかったぁ~~!

舞!そいつ、外に放り出しとけ!目障りだ」


「わかりました」


そして、俺はゴミのように廊下に放り出された。


「う、うう!……おのれ……見ていろよ」


俺はゆっくり立ち上がり、この学園の裏へ向かう。

周囲の光を吸い込むような漆黒の【冥界の衣】に着替え、禍々しい【冥界の仮面】を着ける。手を前にかざすと、ドス黒い妖気を放つ【冥界の杖】が現れ、それを力強く掴み……俺は完全にヴィランへと戻った。


「……来い」


指をパチンと鳴らす。

すると、白いフードを被った3体のメタルゴーレムが現れた。


『グケケケケケケケ!!』


『ギシシシシシシシ!!』


『グルルルルルルル!!』


「復讐するは我にあり!!

さぁ、始めよう!!絶望の開会式を!!」

最後までお読みいただきありがとうございます!

「少しでも面白い」「続きが気になる!」と思ってくださったら、ぜひページ下部にある

【ブックマークに追加】

をポチッと押していただけると、めちゃくちゃ執筆の励みになります!

下にある評価の星(★★★★★)での応援も、あわせてよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。