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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
九十九の心人に無し
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あのことあいつ

翌日、学内新聞の大見出し記事に佳弥子の話した話が載った。




やっぱり華無は野蛮だわなどと言う話声が聞こえる


けど純血主義にしたらいい餌だったようで、真望は間抜けだと言う声も聞こえる


真望が学校に来てその新聞を読む時、周りの者は遠巻きに見ている


そこにライラックが現れる




「おい真望」




「ライラ先輩」




「もう逃げんなよ、ヘタレあんぽんたん」




ライラックの言葉に真望は苦笑いする




「酷い言いようですね」






真望がそう言うとライラックは石を持った手を前に出す、その石からふわっと佳弥子が出てきた。




『真望君』




「佳弥子・・・」




周りは2人の会遇に注目している




『真望君、私、謝りたくて』




それに疲れたように真望は笑う




「なんで君が謝るんだい?守ることができなかった『違うの!!』




佳弥子の大きな声に真望はびっくりする




『違うの、私、真望くんに助けを求めるべきだったの、でもね、迷惑かけたくなくて、唯一優しくしてくれる真望君は人気者で、私ばかりにかまってるべきじゃないから、他の人と遊んでるって思ってもらえば前みたいにみんなと遊んでくれると思って、私なんかに気を使わなくていいと思って、』




ボロボロと泣き出す佳弥子に真望は近づき、触れない体を優しく包もうとするように手を回す




「馬鹿だなぁ佳弥子、迷惑なんかじゃないし気を使ったわけじゃないって事を君に信じさせることができなかった俺がやっぱり駄目だよ、ごめん、守れなくて、ごめん、気づけなくて」




真望の言葉にまたボロボロと涙を流すその涙は床に着く前に消えている




『し・・・信じられなくてっ、ご、ごめんなさい・・・・』




佳弥子が言った瞬間だった




「信じられるわけねぇよなぁ?」




2年の廊下の方から聞こえる少年の声




振り向けばそこに居るのはニヤニヤ顔の煤煙


真望と佳弥子を守る様に千李達や真望の仲良し達が壁になるのも関係なく、煤煙とその隣には豹炎もいる




「話していても誰かに呼ばれりゃお前を置いて遊びに行っていたんだろ?」




ニヤニヤといやらしく言う煤煙に続いて豹炎が不敵に笑う




「言ったところで人を殺そうとするか逃げるかだもんな、情けない」




それを聞いて周りもこそこそと話し出す、にやにやと楽し気に笑う2人に佳弥子が反論する




『そんな事ない!真望くんはちゃんと言えば守ってくれたよ!』




「でも言わなかったんだろ?」




『そ。それはっ・・・・!』




言い返されて何も言うこともできず佳弥子は透けている顔を青くさせる




千李達は真望と佳弥子を守る様に煤煙と豹炎の目線の前に立つ


そして噛みつくように千李は告げる




「気づけなかったのは失態かもしれないけれど真望は天才なんだ!助けてって言われていたら助けられてたさ!」




それにニヤッっと笑って豹炎が言う




「天才なら気づけていただろうさ、でも結果はどうだ?ん?」




豹炎の言葉に千李はあざ笑うように言う




「日本のいじめっ子達がお前らと一緒で狡猾だったみたいだな」




千李の言葉に豹炎は顔をしかめる




「何!?日本の猿と俺が一緒だと言うのか!この半猿の穢れた血め!」




豹炎が殴りかかろうとしたところを煤煙が手を掴ん止める




「落ち着け豹炎、哀れな穢れた血にはみな一緒に見えるのさ、そうだろう?真望」




ニヤニヤといやらしい顔をして笑って煤煙は千李達など無視してその奥の真望に語り掛ける




「俺の友人を馬鹿にするな」




いつもの真望の声とは違って低くドスの効いた声で千李達も驚いて振り返ると真望は佳弥子を守る様に立って真望とは思えないほど鋭い眼光で煤煙を見ている


そんな真望に煤煙は嬉しそうに言う




「友人!友人か!尾龍では友人を作らなかったくせにメンヘラ地味女の次は穢れた血と落ちこぼれと半端者か!いい仲間だな!運よくそれに沢家の姫と美羽様も釣れたのか!良くやるじゃないか!ゴミでマグロを釣ったなぁ真望?」




その煤煙の言葉に真望が手を出そうとした時、癒澄が真望に抱き着いて来たので真望は癒澄の方を見る




「真望君挑発に乗っちゃダメ!落ち着いて、私達は大丈夫だから」




憤りながら浅い息で煤煙の方を見れば佳弥子の霊体が立って居る




『真望くん、大丈夫、大丈夫だよ』




すり抜けそうな手で真望の顔を包んで佳弥子は真望をなだめる




二人の言葉と行動に真望は一度苦しい顔をしてから目を閉じ、大きく深呼吸をして自分を落ち着ける




「悪い、癒澄ちゃん佳弥子、もう大丈夫だ」




真望の落ち着いた様子に2人はゆっくり離れる


煽ったのに怒りをぶつけられる前になだめられてしまって、煤煙は小さく舌打ちをする




「いい身分だな真望、メンヘラ地味女の亡霊と落ちこぼれとは言え女になだめられるなんてなぁ、雑魚共にはお前くらいがお似合いってわけか」




煤煙の言葉に真望はまた怒りをあらわにしようとしたが先に怒鳴ったのは千李だった。




「癒澄は落ちこぼれじゃないし佳弥子もメンヘラなんかじゃない!!それに!真望は最高の男なんだ!銀帯だし刀を握って1年で僕とも互角の戦いができる天才なんだ!」




それに影姫も続く




「人を貶めるしか才能の無いあなた達とは違うのよ」




「癒澄ちゃんは白帯の中でも上位だって先生たちも言っていたし佳弥子ちゃんも勇気をもってここまで来てくれた勇気ある子よ、あなたの言うような子じゃないわ!」




美羽がキッと睨んでそう言えば豹炎は少し引きつった笑いをしてチラッと煤煙を見る


煤煙はそんな千李達など目に入れずじっとりとしたいやらしい笑いで真望を見ている




「真望、お前、仲間を悪く言われて悔しいだろう?昔みたいにアレして来いよ」




その煤煙の言葉に真望の顔が暗くなるが、癒澄がギュッと真望の手を握る、それに気づいて真望は嬉しそうに恥ずかしそうに笑う顔を癒澄に向けてから強く煤煙を見る




「お前の望み道理になんて動かないさ、僕にはこんなに素晴らしい仲間がいるからね」




その真望の言葉に煤煙は苦虫を嚙みつぶしたような顔をして舌打ちをする




「ダメか、つまらないな、もう行くぞ豹炎」




そう言って煤煙は自分の教室の方に歩いて行く




「そうだな、情けない者同士でつるんでいればいいさ、影姫さんと美羽様は自分の身の振り方をもっと考えるべきだな」




そう言って豹炎も教室に入って行く




時間も、もうホームルームも始まる時間になろうとしていると言う事でみな散り散りに教室に向かう、高学年の子達も上の階に行くために移転紋や階段に向かう、4年生であるライラック達は2階に行かなければいけない




「真望!」




ライラックに呼ばれて真望が振り向けば何かを投げられる、それは石だった。




「佳弥子の依り代だ、今度は離すんじゃねぇぞ、じゃぁな!」




そう言ってライラーズは増筋の術で素早く階段を登って行くのを見送って真望は自分の手の中の石に目線を落とし、佳弥子を見る




すると佳弥子は嬉しそうに顔をほころばせる




『ますますかっこよくなったね、真望君』




さっきのことなど無いように久しぶりに会えた喜びに顔をほころばせる佳弥子にはにかみながら真望は言う




「また、俺と一緒に授業受けるかい?」




『うん!!』




弾けるような笑顔は小学校のイジメられてた少女じゃないようだった。





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