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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
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落とされた者と敵の顔

千李達は奥に進む

茶色の柔らかな地面と壁は普通の地面じゃないことを教えている

そして、先の方に明るく開けた場所に出る、そこには

研究資材らしきものを置いている机と本棚

そして、檻に閉じ込められている美羽達


「千李!!」


美羽が檻に掴まって声を上げる


「美羽!」


「深瑠さん!」


「「産咲!」」


4人が檻に近づこうとした時、突風が襲って来た。

突風と言うよりも大きな鎌鼬で、千李はスレスレで避けて

岸雄は空気を壁にして永禮、白雅は結界を張って防いだ


漏れた鎌鼬は、高天の結界で守っている女子達も襲おうとしていた。


「おやおや、防がれてしまったかい面倒だね、岸雄だけ生きていればよかったんだが」


『一人も仕留められてないじゃない、何をしてるのよ』



ゆったりと奥から小褄唎を引きずりながら李薇と霊体の悠雪が出てきた。


「小褄唎教頭!」


癒澄が叫ぶと小褄唎が声をあげようとして咳き込む

それを見て李薇はが小褄唎を抱き上げて首を持つ


「これこれ、身体の弱っている人間に声を上げさせるもんじゃないよ」


李薇は小褄唎を片手で持ち上げペチペチと頬を叩くが、次の瞬間にはその手から小褄唎は消えていて風の通りに首を回せば永禮が居た。


「弱っているのなら、丁寧に扱ったらどうだ」


永禮はそう言いながら速やかに白雅に小褄唎を渡して刀を構える

白雅は、奥に行って癒澄と甲泉に小褄唎を渡す


「白雅さん!」


影姫が影から男の子達分の刀を出す


「えー、影姫ちゃん未成年で真刀持ってんの?」


白雅は、ニヤニヤしながらそれを受取り、三人になげる


「帯刀してませんから、先輩だって気にしてないでしょ?」


影姫は地面に手をついて影を伸ばすも、李薇の前で弾かれる


「ふふ、慌てるもんじゃないよ」


ジャラっと李薇は操り人形を出すが、瞬間岸雄がその糸を切り落として、そのまま刀の刃を李薇の首に向けるが鉄の扇刀で防がれる


「オー怖い怖い殺気立っているねぇ、彼女に見せてやりたかったよ」


そう言って李薇が見る方を見れば

守ろうとしたのか、傷だらけの寸巍の抱える腕の中に

両目を潰され、片足の無い、体中傷だらけの深瑠が居る


岸雄は、怒りで周りが見えなくなる


「お前ええ!!!」


岸雄はそのまま攻める


永禮、千李、真望、高天もそれに参戦しようとしたら

目の前に氷の壁ができる


悠雪だ


「わぁ〜めんどくさぁい、霊体の癖に力使えんのぉ?清家の氷の女王強すぎぃ、

霊体は普通の物理効かないんだよねぇ」


ちぇーと、口を尖らせる高天に悠雪が不敵に笑う


『邪魔はさせないわ、完璧な体が手に入るのよ、ギリギリまで力を使ってあげる』


「完璧な体?なんの事だ!」


千李は霊体の悠雪の発言に困惑する

悠雪は、それを聞いて高笑いをする


『あんたら李薇のあんな適当な言葉を信じたの?馬鹿ねぇ、あははは!』


千李はわけがわからない、目的が桜姫の封印の解除でないならなぜ美羽を?

千李の隣に真望が立って悠雪に言う


「つまり、美羽くんを八百比丘尼にしてその体を乗っ取ろうというわけか」


それを聞いて千李は目を見開く


『あら、猿のくせによくおわかりで』


ニタァとイヤラシく笑う悠雪に千李は怒鳴る


「憑くことはできても乗っ取ることはできないはずだ!八百比丘尼の呪いは魂につくって飛鳥さんが言ってたぞ!!!」


千李の言葉にフンと不機嫌に悠雪は言葉を返す


『だからその前に美羽の身体を乗っ取るんじゃない、元の魂を奥の方に封じて、私の魂を結び付ければ普通ならすぐ劣化するけど、八百比丘尼は、別よ、この世が尽きるまで李薇より素晴らしい神華で愛しい方の隣に並べるわ』


その言葉に永禮が鼻で笑う


「霊体だから夢しか見れていないのか?樂巖は死んだだろ、お前の目の前で」


永禮の言葉にブルっと悠雪が震えて恍惚な顔をする


『件の予言はね「魔王が力を奪還せし時に肉を得て、愛す者が動く時、花咲者の血が流れ、乙女の雫に藤が咲く」なのよ、意味わかるかしら』



「つまり、産咲の血で魔王が蘇ると?」


永禮の言葉に全員が驚く


1度完璧に死んだものが蘇るなんて魔法でも呪術でも、もちろん神華でも不可能だ

蘇りの術はあるが、死んですぐに飛んで行こうとする黒蝶を捕まえて、まだ動く可能性のある体に入れ込み体と魂を結びつけるからこそ出来るもの

産咲の力も魂の欠片を元にしなければならないはず


体もなく魂も飛んでいった状態でどうやって蘇るのか

驚く周りの人間の表情を悠雪は、ニマニマと頬を火照らせながら見ていたら

精霊の力が込められた刀が悠雪に振られる

悠雪は、軽く飛び退いて避けた


「つまりさぁ、あんたらが動かなきゃいいんでしょぉ、なら潰すよねぇ〜」


斬りかかってきた高天を憎々しげに悠雪は見る


『この穢れた血め!できるものならしてみればいい!!!』


悠雪がそう叫んだ瞬間、氷の壁の一部が爆発して岸雄が飛んでくる、

岸雄は、足をふん縛って耐えるが反動を殺せていない


「おや?悠雪、まだ誰も殺してないのかい、弱くなったか?ハッ」


穴の空いた場所から無傷の李薇が扇刀の真刀を持って出てくる

李薇の言葉に悠雪は、手を向けると氷柱が李薇に飛んで行くが扇刀で払われてしまう


『こいつらがどれだけ哀れか教えてやってたのよ!!あんただって小僧一人殺せていないじゃない!』


「喚くな、感情的になるな、鬱陶しい」


はぁ、とため息を吐く李薇に、悠雪が両手を向けて雪が出てきて雪崩が李薇を襲うが李薇は片手をあげて頭を抱えて軽くそれを防ぐ


『本当にその傲慢な態度!!!大ッキライ!!!』


「それは良かったな」


はぁ、と李薇はため息をつく


『馬鹿にするなぁ!!!!』


「はぁ、やはり悠雪を出すのは間違いだったか」


もう、悠雪は周りなど見えていない、次々と李薇に氷柱を放つ、それに釣られて洞窟の気温は下がり、吹雪が起きる、立っているのも大変なくらいの吹雪に、アラレも混ざっていてそれぞれ結界や神華で身を守る


千李は、永禮、白雅、高天、岸雄が集まっている周りに炎のフィールドを作って防ぐ


「仲間割れ?」


千李が困惑していると永禮が言う


「李薇はほとんどの純血派からは忌み者扱いだったからな、特に正妻である悠雪は愛人の李薇を邪魔者にしか思ってなかったらしい」


吹雪の渦の中心を見ながら全員が唖然とする


そこにのんびりとライラックに似た声でだが大人の声で後ろから声が聞こえる


「そうなんだよなぁ、でも力は強いからさ、生前は仕事できてたし呼んだけどな、感情でしか動けない霊体は駄目だっなぁ」


バッと全員が飛び退き声の主から距離をとる、

いつの間に居たのか、そこには中心で悠雪の相手をしているはずの李薇だった。


「おや、ライラックの口調で話してみたんだが駄目だったか、クククッ」


扇刀を口元に持って行って笑う李薇


「お前!さっきまであそこに!」


千李が後ろを見ると、悠雪は、まだ何かに神華を使って攻撃している、吹雪の合間に見えるのは間違いなく李薇だ


「身代わりの術くらい知らないのかい?忍びの家系のお友達がいるというのに情けない」


やれやれと首を振る李薇に永禮は、切りかかる


「感情でしか動けない霊体には立ってるだけの人形で充分という事か」


キンッと刀を跳ね返される


「正解だ、さすが優等生」


すかさず白雅が切りかかるが、逆に扇刀で殴り飛ばされて、永禮に受け止められる


「まだまだ弱いねぇ白雅、そんな事で獏家を継げるもんか」


やれやれと油断している李薇に千李と真望が後から斬りつけたはずだったが、

その刀を振り向きもせずに扇刀で受けている


「そんな事じゃお前を産んで死んだ希良奈(きらな)が可哀想だろう」


受けるだけではなく、いちべつもくれずに、左右に弾き飛ばされたが、

岸雄が床から現れて、千李と真望を弾き飛ばすために大きく手を広げている懐に入り込み、刀を胸に挿したはずだった。


李薇は飛び上がって岸雄の後に行く、そして、足の健を太い畳まれた扇刀で一突きされて岸雄は崩れる

そんな岸雄のことも見ずに李薇は白雅に話し続ける


「お前の神華はあまり良い物でも無いんだ、身体を作らなくてどうする」


懇々と説教をする李薇、そんな話を聞かずに白雅と永禮、岸雄は、李薇に襲いかかる

高天も精霊の力を込めた刀で斬りかかろうとしたが、

それを氷柱で悠雪が防いだ、いつの間にか、吹雪は止んでいて、さっきの李薇を殺そうとした姿とは一転、虚ろな顔で立っている


「あー?何ぃ?心機一転って感じじゃないねぇ、操られてんのぉ?」


その問いにニヤァと笑い、悠雪は、刀を握る、聖力を込められた刀は確実に霊体の手を傷つけた。



「は?」


『私ね、叙樹お兄様大好きだったの』


ニヤァと笑って悠雪が話す


「何?」


高天の問など答えずに高天の肩口から後の千李に話し続ける

千李は飛ばそうとした炎の鳥達を止める


『優しくてカッコよくて強くて、あの世代1の神華力で、頭も良くて、、、、、、なのにたかが字が読めない切り花だからと虐げて!!私からお兄様を引き離し!狗炎お祖父様なんかの所に送った!!!』


力が入る手に刀にヒビが入る


『そのせいで統一派になんてなられてしまって、でも私、、、、、、信じてたの、お兄様は、きっと目を覚ましてくださるって、だから、お兄様の自慢の妹になるように、旦那様の良き伴侶で共に純血を導けるように頑張ってたのに!!!』


悠雪は、刀ごと高天を投げ飛ばして氷柱を飛ばす

後少しで氷柱が高天を貫こうという時に千李の炎が氷柱を溶かした。


「何で避けないんですか高天さん!?」


「え〜、ごめーん、びっくりしてさぁ」


上手く着地した高天が気の抜けるような返事をする、悠雪を見ると幾つもの雪の結晶のような術式が浮かんでいてそのどれもが千李達に向いていてたくさんの氷柱が出てくる


『なのに!!お兄様はシェリーニを選んだ!!樂巖様は李薇を愛人にした!!!』


悠雪の見開かれた目が赤と黒に染まる


「なるほどぉ、悪霊化かぁ」


「それのんびり言うことですか!?」


高天にツッコみながら炎の障壁を作る


『何でみんな猿を選ぶの!!こんなに愛してるのに!!なんで私を愛さないで猿の血なんて高貴な華の血に混ぜるのよ!!!!!』


悠雪の叫びに呼応するように氷柱が放たれ、全てが千李を狙っている


「これはヤバぁ」

「高天さん動くな!」


千李は高天を自分の方に寄せて、

炎の盾を最小限の大きさに抑えて全ての火力を集め、灼熱の炎にする、


無数の氷柱は確実に千李の方に向かって飛んで行き

千李と高天の前にある灼熱の炎に突き刺さり瞬時に溶けて水蒸気となるが、

千李は1つ計算違いをした。

水蒸気爆発を起こしたのだ。

それはそうだマグマにも近い灼熱の炎に大量の水、おこらないわけが無いのだが、

千李は水蒸気爆発の存在を知らないのだった。


爆発で吹き飛ばされる千李と高天、他の者達も離れてはいたが爆風に巻き込まれた。


「千李くん・・・・これ、予定通り?」


「いえ、全然」


柔らかな岩壁に並んで埋め込まれながら高天と千李は会話をする

この洞窟が山男の腹で良かったと思うと同時に、腹の中で爆発させてごめんと千李は謝るのだった。


埋め込まれた二人を甲泉が引っ張り出す

水蒸気の霧が晴れた時、現れたのは、天井近くに赤い瞳孔、黒い眼球、氷のような身体にモヤのような髪で吹雪をまとう霊体の、いや、もう、悪霊となり人の姿を忘れた悠雪が浮いている


『許さない!許さない!猿の血なんて許さない!!!』


叫ぶ悠雪を見て李薇が呆れて言う


「おやまぁ、これはもう駄目だね、なぜこうもうまく行かないのか、悠雪は捨てるしかないね」


そう言って李薇が飛び退くと霧雨が現れて李薇は飲まれて消える


「待てよ!!!」


千李が追いかけようとしたら目の前に氷柱が落ちる


『殺す!混じり物の穢れた血は殺す!紛い物も穢れた血も全部殺す!!』


悠雪がそう言って天井に手をかざすと、水色の術式が浮かんでいて鋭利な氷柱が大量に現れる


「無差別かよ!!影姫ちゃん!!癒澄ちゃん!!!」


氷柱を避けながら千李が影姫達がいた方を向くと、二人も小褄唎も居ない


「千李くん!!私達は気にしないで!」


声のした方を見ると、檻を開けて、寸巍や産咲、美羽の手当をしている癒澄と

小褄唎先生と一緒に深瑠の応急処置をしている影姫が見える、

檻の中なら大丈夫かとすぐ天井を見る、氷柱は先ほどとは違いその硬度と鋭利さを磨いて立派な針になっている、アレに刺されれば蜂の巣状態の身体が出来上がるだろ


かと言ってさっきみたいにすれば水蒸気爆発だ


「避けて地道に壊すしかないですかね」


「だーねぇ、」


「結界は負けそうだなぁ、あっちのほうが強いし強度の強い小さい結界で盾にするしか無いかぁ」


乾いた笑いをする甲泉、永禮と白雅、真望と足を治してもらったらしい岸雄は何か話している、正直、岸雄に地面に連れて行ってもらえば避けられるわけだが根本的な解決にはならない、悠雪を倒さないと悠雪の力がある限り氷柱の雨を続けてくるだろう

だがまとう吹雪を避けて攻撃するのも難しいし、飛ばした攻撃も吹き消されるだろう


どうすっかなと先に切ってしまおうと思った時だった。


『シネ』


悠雪が手を振り下ろす


氷柱の雨が始まった。


千李は爆発が起きない様に最小限の炎で溶かし、できるだけ刀で弾き飛ばす

だが、氷柱は際限なく降り注ぎ、合間を縫うように走り悠雪に近づこうとすれば氷柱の混じった吹雪が襲いかかる


「クッソ!きりがない!!」


「千李くん!!動くな!」


千李が悔しさに歯噛みしている時に真望の声が聞こえて止まる、すると巨大な水の龍が現れて悠雪と全ての氷柱を飲み込み天井を海に変えた。

その海の中で渦潮を起こす事で氷柱が落ちるのを止めている


「すっげ」


千李は唖然とする、真望はいったいどれほどの水を操れるのか、

そう思っていると悠雪のいる所から水の海は、勢い良く凍って行く


「え、自分ごと凍らせるの?神華の水なんだから動けないじゃん、馬鹿だなぁ」


千李が呆れて刀を下ろすと


凍った海はヒビが入ってガラガラと崩れ、中から悠雪が出てくる


「あ、うそ、ごめん、何でもない」


さっと刀を構え直す千李、出て来た悠雪は、般若のような形相で真望を見る


『この!猿がぁ!!!!!!』


もう瞳孔など、どこに行ったのか地獄の業火のように燃える目でひび割れた肌から氷の棘を出しながら真望に何かを投げるように手を振ると、無数の氷柱の針が

真望だけを狙って飛んでいく


その速さに避けることはできなかったが、白雅がと岸雄が全て刀で薙ぎ払う


『嗚呼ああああああ!!!!!』


悠雪が両手を振り上げた時だった。

その両手は吹き飛ばされた。


『あ”?い、いだい!!!いだいいいいい!!!』


切られた両手を見て喚く悠雪、それを悠雪の頭を神華の篭った手で掴んだまま地面に叩きつける


『ギャああああああ!!!!!』


「朱軸家の後継者を殺そうとしたことは罪が重いぞ、氷の女王」


永禮が悠雪に術式で数十枚の札を張りながらそう告げた。


『人間擬きの癖に!!!神華人にもなれない人にもなれないなりそこない!!!今に地獄を見るがいい!!!樂巖様がお目覚めになればただの人形!!!壊してやる!!壊してやる!!!!!』


札で動けない身体を動かそうと藻掻きながら、悠雪は喚くのだった。


千李達は急いで、檻の方に行く、美羽は体力の消耗は激しかったが無事だった。

産咲は、頬を打たれて泣いたようで、今は、癒澄の治療で腫れも引いて、涙を浮かべながら美羽に引っ付いて寝ている。

小褄唎は、身体と魂の解離が起きかけていたようで、急いで病院に連れて行くべきだと高天が言う、ちょうどライラック達が助けを連れて来たので、そのまま病院に連れて行かれた。


寸巍は癒澄の治療で目を覚まし、ずっと深瑠を抱いていたようだ


「深瑠さん」


岸雄が二人に近づく、弱っていて今にも命の灯火が消えそうな深瑠、

あまりに長い間、痛めつけられていたせいで、精霊の泉に入れたところで回復する期待が持てないと、高天と、飛んできた精霊女王が言った。


「深瑠さん、ごめんなさい」


二人の前に跪いて泣く岸雄に、寸巍は、深瑠を渡す


挿絵(By みてみん)


岸雄は、深瑠を受け取ると、深瑠は、目を瞑ったまま薄く笑う


「たす、けに・・・来てくれて・・・・あり・・・・がとう・・・・」


挿絵(By みてみん)


「深瑠さん、でも遅かった、早く小褄唎先生に気がついてたらっ!!」


ぎゅっと抱きしめて岸雄は悔しさに、苦しさに、悲しさに涙を流す


「いい、の、ずっと、感じ・・・てたよ・・・ずっと・・・・聞こえ・・・てたよ・・・・岸雄くんの・・・・・声・・・・」


「深瑠さん、深瑠さん、行かないで」


嫌だ嫌だと泣く岸雄の頭を深瑠は撫でる


「仕方ないなぁ・・・・頑張るから・・・・泣かないで・・・・・・愛してる・・・・岸雄くん・・・・」


深瑠は、頭から手を滑らせて顔を触り唇を見つけて岸雄にキスをする

岸雄は、少し、自分の力を送ると、二人が光る



「おっとぉ?岸雄の神華と深瑠の神華が混ざってるぅ、すごぉーい」


高天の言葉にみんな驚く、逆もあるのか!と人魚の里の人間なんて騒いでいる


「おぉ、体力ちょぉっと戻ったじゃーん、これは5%くらい希望持てるよぉー」


そう言って高天が、二人に近づこうとした時だった。


バチッという音が響きそちらを見ると、取り押さえていた妖狸や鬼ごと封印の札を吹き飛ばした悠雪が浮いている


『なんで?私、樂巖様のために、清家のために、国のために、ずっと頑張ってたのに、私は何も上手くいかないのに、何であんた達はうまく行くのよおお!!!!』


叫んだ悠雪は、もう技は使えないのか、ただ真っ直ぐに岸雄に向かって飛んでいく

気迫や、その圧倒的な格の違う力に全員が動けなかった。

悠雪の手は岸雄の胸に向かっている、その手には何か術式が浮かんでいる

それを受けたのは、動けるはずのない深瑠が、最後の力を振り絞って岸雄の覆いかぶさることで受けてしまった。


悠雪は、そのまま、二人の身体を通り抜けてその先で小躍りをする


『きゃはははははは!!やったやった!シェリーニ殺した!やった!やった!血を穢した者が死んだ!きゃははははは!!』


その言葉にシェリーニの最後を知る者は蒼白する


「み!深瑠さん!!!」


深瑠の胸の上に花が浮かぶ、それはどんどん黒に侵される


「や、やめろおお!!!!」


岸雄は、慌てて魂抜きの術式を初めて組む、それが正しいかなんて確認する暇はない、

今、1枚黒くなった花弁が消えた。


「岸雄!何するつもりだ!やめろ!」


寸巍が、力の入らない体で岸雄を止めようとするが、永禮が、岸雄のしようとすることを察して止める。


「何するんだよ!!やめろ!!おい!!」「あとでわかる!!岸雄に任せろ!」


岸雄は、その手で深瑠の魂を掴む


「ウッ、」


「岸雄やめろ!!!!!!!!」


深瑠がうめき、寸巍が叫ぶ


「深瑠さん、必ず助けるから、僕を信じて」


その岸雄の言葉に深瑠は笑う


「私が岸雄くんを信じないことなんて無いわ、愛してるわ岸雄くん」


「僕も、愛してる、深瑠さん」


岸雄は、そう言って深瑠から魂を引き抜いた。

岸雄の手は黒ずんで、その手の中にあった花は少しかけた種になった。


寸巍は永禮をフリほどて、駆け寄り、岸雄から深瑠を取り上げる


「深瑠!深瑠!やだ!深瑠!!なんで!!なんでこんな!!!」


深瑠を抱いて泣く寸巍に岸雄が声をかける


「寸巍先輩、深瑠さんは「うるさい!!!!」っ!」


寸巍の怒号に岸雄は動きを止める


「なんで、なんで!お前なら!お前なら任せられると!お前なら安心だと思ってたのに!!!」


「す、寸巍先輩」


「世界一美しかったのに、こんなに傷だらけにされて、翡翠の瞳も無残に潰されて!!!それもこれも!!お前が深瑠と結ばれたせいだぞ!!!」


「っ!!!」


寸巍の言葉に岸雄は悲痛な顔をする


「酷いわ!寸巍先輩!悪いのは李「悪いのはお前らだ!!!」


怒る美羽に怒号を飛ばす寸巍、


「悠雪は、お前の力を得るために人魚の肉を欲した!!!そしてお前と中の良い岸雄と結ばれた深瑠を狙ったと言っていた!!!さらいやすいからだと!!!」


「そんな、理由で・・・!」


「あぁ、深瑠!俺の深瑠!転生すらできないなんて!なんであいつなんだよ!賦髄を好きでいろよ!あいつが駄目なら!!!なんで・・・・・なんで俺を選んでくれなかったんだ!っ!深瑠!」


深瑠を強く抱いて泣く寸巍、みんな何も言えない、悪いのは李薇だ

だが、寸巍が美羽達を責める気持ちもわかる、だから、寸巍の言葉を責めることなんてでき無い、


一緒に捕まって居て、守る事のできなかった寸巍が

目の前で愛しい人が痛めつけられ続けた寸巍が

信じた男によって愛しい人にトドメを刺されたと思っている寸巍が



今ここで、一番辛いから


けど、そんなに泣くとこないと伝えなければならない、復活だって転生だってできるんだって

千李は寸巍に声をかける


「寸巍先輩、」


その瞬間、深瑠の身体が跳ねる、そしてどんどん砂になっていく


「寸巍お前!」


甲泉が叫んで寸巍に掴みかかろうとするが身体が止まる、動けないようだ、抑えられてる?


『ずっと一緒だ深瑠』


挿絵(By みてみん)


鱗が生えた寸巍が霧雨に消えると同時に骨と鱗だけになった深瑠が崩れ落ちる


「深瑠さん!!っ!!!!!!深瑠!!!さん!!!!」


砂と、骨と鱗の上で岸雄は泣くのだった。


その後、悠雪は地獄へと送られた


『樂巖様、お母様に会って参ります、必ず、お迎えに来てくださいね』


その言葉と共に細い穴から出て来た紫色の尻尾に掴まれて悠雪は地獄に落ちた。


寸巍は見つからない


「寸巍の神華は精神操作、心も読めるし、心を操ることはもちろん、体も操れる、精神というが脳を勝手に操る力と言ったほうが正しいだろう、そのせいで昔は肩身の狭い思いをしていたが深瑠のおかげで明るくなったんだ、まさかあんな事をするなんて」



甲泉は、悔しそうに言う、岸雄はそれを産咲が抱える翡翠色の蕾を撫でながら聞く

耳には空の様な青の鱗で作られたピアスを付けている


「わかる気がします、僕も寸巍先輩の状況なら気が狂ってた。全部悪いのは李薇です寸巍先輩は李薇に狂わされただけなんです」


岸雄は凪いだ顔でそう言う、それが、深瑠の鱗のピアスを付けて、深瑠の魂の欠片の蕾を撫でながら言うからか、甲泉は、少し狂気を感じた。


「寸巍先輩、どこ行っちゃったんだろう、僕がもっと早く教えればな」


千李は残念そうに悔しそうに言う、いつもからかわれていたが、本当にいい先輩だと思っていたから、あんな事になって、残念でしかたない、


みんな自分勝手に噂する、実は寸巍はグルだったとか李薇は寸巍と一緒だとか

いつも深瑠といたから、馬堅の事も知ってたんだと

寸巍が黒幕だなんて言うやつもいる

何も知らない、一部しか知らない、自分には関係ない、寸巍の事もよく知らない、

だから何でも言える、だから好きなことを言える

でも、千李達に睨まれれば黙ってそそくさとどこかに行く、


「なんで、寸巍先輩は辛い目にあったのにこんな酷い噂ばっかり」


美羽が悔しそうに泣く


何を言っても、訂正しても、事実を話しても、深瑠とずっと一緒にいた寸巍への隠れた不満も手助けして、噂は、悪い方向に行く


美人で人気者のマドンナと、けして見た目が良いとは言えない、成績も目立たず

刀士としても目立たないひょうきんな人魚守りと言うだけの幼馴染は邪魔でしかなかったらしい


「深瑠さん起きたら悲しむね」


癒澄が蕾を見る、その目線に全員が蕾を見た時だった。

産咲が歌いだした。


花よ咲け花よ咲け

息吹芽吹くは生命の花


「深瑠さん!」


岸雄が離れて期待のこもった目で見る


花よ咲け花よ咲け

生気あふれる花の蕾よ

今手に咲くー


「え?咲くって、前は芽吹くじゃ」


影姫がそう言った瞬間、パァッと蕾が輝き花開き


ヒュンッと出て来た小さな手のひらほどの物が岸雄に飛んでいく

それは小さな精霊で翡翠色の髪をした空色の羽根を持つ深瑠だった。


「深瑠、さん?」


岸雄が驚いて聞くと、深瑠は、嬉しそうに頷く


「深瑠さん、深瑠さん!!」


岸雄は、深瑠を潰さないように抱き寄せて泣く、

怖かった。シェリーニのように何もわからない深瑠が生まれることが、でも奇跡的に深瑠は、深瑠の妖精として生まれ変わったのだった。


「なるほど、深瑠さんは、千李のお母様と違ってほぼ、欠けの無い状態だったから深瑠さんの魂そのものと言うことか!」


真望がほほぉ!と感心する、周りでは朱雀寮の生徒が一生懸命何か書き物をしたり撮影したりと大忙しだ


「でも千李のお母さんは魂別れちゃったのに妖怪の深瑠さんと妖精の魂は別れなかったんだね、半妖精だったからかな?」


美羽の言葉に高天が美羽の頭に手を置く


「だろうねぇ、よく覚えてたねぇ魂かけた時に完全に妖怪の部分捨てたのかもねぇ」


のんびり言いながら美羽の頭を撫でる高天の手を千李が退けると、高天はニヤァと笑う、フンと千李は視線を岸雄達に向ける

深瑠は、子供のように泣く岸雄を撫でてクスクス笑う、そして、影姫を見つけて飛んで行く

影姫は、笑って迎える


「待ってましたよ、深瑠さん、やっぱり甘やかすのは深瑠さんじゃないと、私は励ますの下手なんです」


そう言う影姫の頭を撫でて額にキスをする深瑠、そしてニッコリと笑うと、フワッと誰かにさらわれる、岸雄だ、ちょっとすねてる


「あら、岸雄くん、女同士のキスに妬くなんて心が狭いわよ?男ならもっと大きく構えなさいよ」


「うるさいな!てか何でま、また前の、い、意地悪に、も、戻るんだよ!い 今まで通りでいいじゃん!」


「ちょっと私には合わないと思うのよね」


「あってるよ!?」


小さな喧嘩をしながら元気に騒ぐ3人、いや深瑠の声は小さくて聞こえない、


「深瑠さんあんな声小さかったっけ?」


千李の疑問に高天が答える


「妖精の声はぁ周波数高いからさぁ聞こえづらいんだよねぇ、小さいっつうよりぃ、普通の人間に聞こえづらいだけぇまぁ俺には聞こえてんどけどぉ」


なるほどぉと、みんな感心する通りで妖精の声を聞いたことがある人がいない訳だ精霊の飼人にしか聞こえないという訳か


「深瑠さんなんて言ってるんですか?」


癒澄に聞かれて高天は何でもないように答える


「ん〜?寸巍は?だぁってぇ、っ痛いよぉ」


あまりに何でもないように答えるものだから甲泉に殴られる

高天の言葉にみんな固まる


「お!ま!え!は!空気とか読めないのか!!!」


甲泉は、高天の襟を掴んで揺する


「え〜、先送りにしても一緒じゃぁん、さっさと教えてあげればぁ?」


「言い方とか考えるとか言いよどむとかしろ!!!」


「何言っても一緒じゃなぁい?」


「お前なぁ!!!」


甲泉は、高天を怒るのだが、高天は、ヘラヘラ嬉しそうなだけで全然説教の意味がない

少しは場の空気も和んだ訳だが、どう切り出そうかと、みんな思案するのに永禮がさらっと言う


「寸巍は、お前の肉を食って半魚人となって追われる身だ」


「永禮ぇ??」


ニコニコと白雅が責める


「嘘を言ってもいつかバレる」


「はぁ、そうだけどね」


永禮の様子にため息をついて白雅は深瑠に目線を向ける


困惑と言うより悲しそうに笑っている


そして、何かを話してる、甲泉が高天見ると、高天が話し出す


「寸巍の気持ちは知ってた」


知ってたけど見ないようにしていたの、寸巍は大事な弟のような存在出だし

私はずっと賦髄さんが好きだったから、

寸巍の気持ちを察して、特別扱いをしてしまったら、すべて壊れると思った。

答える気もないのに優しくされることの辛さは知っていたから、普通に姉弟のような幼馴染のままで居たかったの

寸巍の気持ちに蓋をして見てみぬふりをして、いつか寸巍が私を諦めて素敵な女性に出逢えば良いと思ってた。

でも、私がそんな曖昧な関係のままにしていたから、こんな事件のせいで寸巍に誤った道を選ばせてしまったのね




「全ては私が悪いの、だから甲泉さん、寸巍を見つけても(はりつけ)なんてしないでほしい、だぁってぇ」


高天の言葉と視線、深瑠の懇願するような顔、だがそれを決めることができる立場に甲泉は居ないのだ、ただ、


「父さんには話してみる、けど、通例の磔の儀を本当に避けられるかはわからないよ、そのまま獄門島に送ることもあるかもしれないけど」


頼りなく甲泉は、深瑠に語りかける


「それで十分ですだぁってぇー」


何もしてやれない自分の不甲斐なさに落ち込む甲泉に高天は、抱きついて頭を撫でる


「ごめんね、深瑠・・・・・・・高天」


「なぁにぃー、あ痛だ」


バシッと甲泉の尻を触っていた高天の手を殴る


「こんな時に何するんだよ!!!子供の前だぞ!!!」


「えー?子供の前じゃなきゃいいのぉ?」


「そういう事じゃなぁい!!!!!」


高天の無配慮さに激怒して、甲泉は、高天を殴るが、何度殴られても、鍛えられた高天には全く響かないようで、へらへらと甲泉をからかっている、

そのおかげで甲泉は重々しい顔をしていないし、周りも明るくなった。


あぁ、足りないけど平和だなぁ


千李はやっと来た。落ち着ける時間に微笑むのだった。



冬休みも終えて、新学期は、全学年共通テストと、卒業式と言うイベントがすぎて短い3学期は終わり新学年のために春休みで多くの生徒が帰省する


「影姫ちゃん本当に寮に残るの?」


「まぁ私帰る家がないからね」


大荷物を抱える5人を見送る影姫に美羽が言う


「だから須舘家に来ればいいじゃないか、楽しいよ?」


千李の言葉に影姫は、笑う


「須舘家は素敵なんだけど、お母様が遊びに行くのはいいけれど家の子になるのは駄目って言ってるのよね」


うーんと考える影姫


「じ、自分を捨てる、は、母親だろ?」


岸雄は少しムッとして言うと影姫はため息をつく


「だから、お母様は、反対してないのよ、お父様と親族だけよ、うるさく言うのは、だからお母様のお願いは聞きたいの、それに学校ならたくさん勉強もできるしね」


ニッコリと言う影姫に千李はうへぇと嫌そうに言う


「なんで勉強できる事がプラスなのか全然わかんないや」


「千李はちょっとは見習いなさい!」


「はい、」


美羽に怒られてシュンと、なる千李


「はは!影姫さんが学校で頑張るなら俺はもっと王華について詳しくなって影姫さんを越せる程の成績を出せるよう家で鍛錬しますよ!」


真望の言葉にきゃっと癒澄がひっつく


「すっぅごくいいね!私お手伝いするよ!家の書庫いっぱい貸してあげるしいろんなこと教えてあげる!お父様も紹介するよ!」


真望は、癒澄のお父様という言葉に苦笑いをする


「そ、そうか、それは楽しみだね」


「すぅごく楽しみだね♡」


ダラダラと冷や汗をかく真望、勉強の為に何を犠牲にするんだろうと千李と岸雄は思うのだった。


そして船は出向する


船内ではライラーズと合流して、馬鹿騒ぎしていた。

港にライラックの父親が来るらしい、父親は、投資家で王華国で誰もが知っているような大きな会社の社長だった、そして、母親はファッションデザイナーで、あまり家に居なくて、溺愛している弟を連れ回して跡継ぎにするんだと勉強も専属家庭教師に一任してるとか、凄い家だなぁと千李は思ったのだった。


そして、劉家はライラックのお母さんのお気に入りで、双子と岸雄は、よく服を貰うらしい、道理でオシャレなわけである


港について階段を降りた時、ここでお別れかぁなんて思った時だった。

ライラックが、階段の一番上から飛び降りるもんだから千李はビックリする


「ライラック!?」


daddy(ダディー)―!!」


ライラックが落ちた先では金髪の厳しい男が立っている

絶対そんなテンションの人じゃない!!!と千李は思ったが、

男がライラックを見つけたら花が咲いたように笑って手を広げてライラックを受け止める


「HAHAHA!!Lilac!またビジンになったネ!私のPrincess(プリンセス)!よぉく顔を見せて!」


「daddy、私は何も変わらないわ!daddyもまた素敵な紳士になってるからmammy(マミィ)が妬くわよ!」


キャッキャと騒ぐ二人に1年生達は唖然とするが、他は普通、毎度のことのようだ、いや危ない


「妬いたりしないわOLIVER(オリバー)は私しか見えないもの」


声の方を見てドキッとした妖艶な顔にゆったり歩く姿一瞬李薇を連想させる


「mammy!!来てたの!?」


ライラックが飛びつく、事で夢から覚める、髪はたゆたう長髪じゃ無くて肩口までのボブて、目は琥珀色の赤い口紅が似合う深いワインレッドのドレススーツの女性だった。


「当たり前よぉ、大変だったんでしょう?仕事を大急ぎで片付けて来たのよ?」


「いえ、人任せにしてきたの間違いでございます」


隣の黒いスーツの女性が訂正するが、気にせず母親はライラックに抱きついてスリスリしている


「はぁ、久しぶりの可愛い私のお姫様癒やされるぅ」


カリスマ女社長です!と言う見た目でなんだか腑抜けた感じの行動にちょっと千李は、引く


めちゃくちゃ親ばかだぁ!


母親に、うりうりと可愛がられて満足そうなライラックを見ていたら、母親が千李に気がつく


「シェリー・・・・?」


驚いたような顔をする母親、その口から飛び出す自分の母親の名前に千李も驚く


母親はライラックから離れて千李の前に来る千李が緊張しているとグイッと顔を持ち上げられて近距離に顔が来る


「うん、よく見たら忌々しいほどに叙樹にそっくりね、やだわ、色だけじゃなくて顔までシェリーに似れば良かったのに」


そう言ってライラックの母親は千李から手を離す


「始めまして千李、私は杏薇あんびライラックの母親よ、そしてシェリーニの親友、よろしくね」


杏薇は、まるで薔薇が咲くように華やかに笑う

彼女が李薇の双子の姉妹なんて信じられないくらい雰囲気が違った。


「ママのとも「は!!!しまったわ!!」っ!!」


杏薇の突然の叫びに千李はビックリする


「里子!今時間は!?」


「次の会食まで30分前でございます」


「それは大変ダ、急いでカエラないと!」


里子と言われた女性の言葉にオリバーはさっとライラックと杏薇を抱えて走る、里子もそれに着いていく


「じぁお前らまた新学期なぁ!」


ライラックはそう言って消えていったのだった。


こうして千李の神華牡丹学園の初めての年は終わるのだった。

小さな破片を落として



ここで一章は終わります


第二章は少し勉強期間を置いて3月か4月頃に再開します

しばしお待ちください


挿絵(By みてみん)

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