マーウとシェリー二
あれから3日目まだ残暑の残る9月初めだというのに豹炎は冬の制服を着ている、理由を知った6人は
豹炎を心配そうに見る、注意してみていると万里が一生懸命に治癒の神華を使っている、その顔は、泣きそうになりながらも懸命に豹炎を支えているようだ
そんな中今日は科学の授業、どんな薬でも作れる神華の繫藥病の授業だ毒薬を愛すがあまり
学園に収容されているだけあって毒薬の話をたまに混ぜてくる
「このように良い薬も用法を間違えれば強力な毒薬となる、安価で手に入り作りやすいが毒薬としては
味の変化があるからおすすめしないぞ」
その言葉を聞いて美羽は呆れて通信眼鏡に思考を送る
『普通気を付けなさいじゃない?なんで使うこと前提なのよ』
美羽の言葉に全員苦笑だ、そこに影姫の声がする
『でも先生作りはするけど使うことないそうよ、噂だけどね』
岸雄も苦笑しながら会話に入る
『一応毒薬と一緒に解毒藥も作ってるから気化する奴が割れても大丈夫だったってライラたちが言ってたなぁ』
その言葉に美羽が驚く
『使ったことあるんじゃない!』
『い、いや先生が使ったんじゃなくて、ライラーズがいたずらで先生の部屋に忍び込んで割った瓶が気化毒だったらしいんだ、先生がすぐに気が付いて解毒藥飲ませてくれたらしいよ』
それを聞いて美羽は何とも言えない顔をする
『それはライラーズも悪いけど先生の部屋が危険物を置いてるもの悪いわよ、ね?』
その美羽の言葉に癒澄が少し笑いながら言う
『でも、先生はエイズとかコロナの新薬作って表彰もされてるよ?』
『うーーーーでもきらい!』
美羽の嫌いな先生の話をしていると終業のチャイムが鳴る
チャイムが鳴って生徒が扉を開けると数匹のペットが入ってくるその中にその中に癒澄のコーギーと影姫の神華獣
岸雄のすねこすりと美羽の管狐がいた。
「み、ミーノン、ど、どうしたの?」
脛こすりのミーノンは嬉しそうに岸雄の足にまとわりつく
「みゃーう」
癒澄のコーギーの毬と管狐のココは影姫の神華獣の周りを走り回っている
「まぁ毬ちゃんココちゃん、マーウと遊んでくれていたの?」
そう言いながら影姫はマーウを抱き上げてみる、マーウは初めのころより大きくなっていて
今ではコーギーの毬と同じくらいの大きさだ
影姫がマーウを抱き上げてなでるとマーウが
「まーまだい、す、き」
「え」
みんなびっくりしてマーウを見る
「まーまあ、そ、ぼ」
「しゃ。」
「「「「しゃべったあああああああああああああああああああああああああああ」」」」
影姫たちは慌てて4の2に行った。
4の2は何というか無法地帯だった。
喧嘩する者、教室を走りまわる者、何かを作っている者、研究発表会のようなものをしている者達
とても教室ですることではないことをしている者が多かった。
その教室の窓際に永禮達と研究員の3人娘がいるのを見つけた。
影姫はマーウを抱えて、産咲に駆け寄った。
「失礼します、先輩方、マーウを見てほしいのですが」
そう言って影姫はマーウを産咲の前に出すとマーウが口を開いた。
「かーさま、こんにちは」
「「「しゃべった!!」」」
周りの生徒も一気にこっちに寄ってきた。
「その子、産咲さんの手のものよね」
「神華獣がしゃべるなんて聞いたことないぞ」
「産咲様2度目の奇跡の子じゃない!?やっぱり産咲様は特別なんだ!」
みんな興奮して話している中、水神が影姫に質問する
「この子なんでしゃべりだしたんですか!?」
それに答えたのは影姫じゃなくマーウ自身だった。
「マーウ、いっぱい、練習、した。まま、元気、ない、大好き、笑って、から、練習、した。」
ただ発音するわけでなく言葉をきちんと理解してマーウは喋った。
「すごい!言葉を理解してる!!」
「え、じゃぁ他の神華獣も教えたらしゃべれる!?」
その場の全員の動きは速かったそれぞれ自分の神華体に神華獣を連れてこさせて、言葉を教えだしたのだった。
そうして休み時間は過ぎ、とりあえず6人は授業に向かったのだった。
翌日の放課後、千李はいつも通り刀激戦個人戦の訓練を部室で終え、永禮低に行くと、影姫と美羽と癒澄、真望とペット達もいた。
「あ、きましたね、岸雄さんは?」
雅が聞く
「岸雄は水晶の間です、門限ぎりぎりまで毎日通ってるんですよ、部活も基礎運動と素振りと型だけして水晶の間に行くんです、樂巖の洞窟に行った時の戦闘ができるように最低限体を鍛えて、深瑠先輩を探してるんす」
「そういうことなら仕方ないですね事件現場の方はみんな集まって欲しかったんですが」
雅が残念そうに言うので千李は疑問に思う、事件とは何のことか
「事件ですか?」
「マーウがしゃべった瞬間に居た人に居て欲しかったんですよ後ペット達も」
そこに猫のような神華人が現れ、手に脛こすりのミーノンがいた。
そこに窓からマーハウが飛んで入ってきた。その後から見慣れない人間の5歳ほどの大きさの深緑色のカラスが入ってきた。
「なんや、わしにようかいな」
そのカラスは入って来て早々しゃべった。
「カラスがしゃべった!?」
千李がびっくりするとカラスが笑った
「っはっはは、お前さん敍樹の子供やな?おんなじ反応やわ!わしは八咫烏やで!
そんじょぞこらのカラスとは違いますわな」
そのカラスをよく見ると深緑色以外に普通のカラスには見られない3本の足が見える
「八咫烏?」
聞きなれない名前に疑問を持つと千李はハッとした。
美羽の方を見るとめちゃくちゃ睨まれている
慌てて口をふさぐも、もう後の祭り、美羽が首に巻き付いたココを影姫に渡して
千李の方に来る
「千李、まさか八咫烏がわからないわけじゃないわよね?
麒麟先生と勉強したはずだけど?」
「えーと、あれだよねカラスの妖怪!」
それを聞いて八咫烏は大笑いした。
「わしが妖怪かいな!そら笑えるわ」
「せんりいいいいいいい!!」
「ごめんなさああああああいいいいいい!!」
美羽の怒声に千李は思わずその場に正座した。
「八咫烏は導きの神様よ!始祖牡丹王と桜女王を淡金銀の木に導いたとされてるの!日本にも居て、神武天皇を熊野国から大和国への道案内をしたってお勉強したでしょう!」
「覚えてなかったです、ごめんなさい」
「だから一緒に復習しようって言ったのに!馬鹿千李!そんなんじゃ帯色昇格できないわよ!」
千李は美羽に叱られてとても落ち込んだのだった。
「まぁええわ、それでわしに聞きたいことがあるって聞いたで、どうせマームの事やろ?」
そう言って八咫烏はマームのところに行く
するとマームは
「エンさん、こんにちは」
八咫烏に挨拶をした
「ほい、こんばんはやで」
「こん、ばんわ」
マーウは八咫烏のエンの言葉を復唱していた。
それを見て雅がエンに興奮気味に話す
「やはりエンさんがマーウに言葉を教えたんですね!!どうすれば神華獣がしゃべれるようになるのでしょうか!」
それを聞いてエンは首をかしげる
「なんや、あんたら気付い取らんかったんか。こんこは他の神華獣とちゃうで、
人の魂のかけたが入っとんのやで?真贋レンズで他の神華獣と見比べてみーや」
そう言われてみんな真贋レンズを持っている人は真贋レンズを取り出して見てみる
白雅がびっくりして言う
「本当だ、マーウだけ4分の一くらい色が違う」
水神はメモを取り出しながら何かに気付いたように言う
「そういえばマーウのつぼみができた時、千珠先生から種のかけらを貰ってその種のかけらからできた蕾でしたね」
「千珠やと?」
エンがそう言った瞬間マーウはぴょんと産咲に飛んで行った。
そしてマーウを抱きかかえた産咲はカッと目を開き歌いだす
「はなよさけ、花よ咲け
息吹芽吹くは生命の華」
「あれは蕾の歌!?新しい蕾が生まれるのですか!?」
水神は急いでメモを取り、凛々亜は記録球に記録し始め雅は温度計と神華計を測る
「花よ咲け花よ咲け
生気あふれる花の蕾よ
今手に芽吹く」
産咲が歌うと手から花弁ができてマーウを包んだ
「え?マーウ?」
影姫はびっくりして手を出しかけるが美羽に止められる美羽はその光景を凝視している
「花よ咲け花よ咲け
息吹芽吹くは生命の華
花よ咲け花よ咲け
生気あふれる花の蕾よ
今手に咲く」
産咲がもう一度歌うマーウを包んでいた蕾は咲き誇り、中から
桜色の肌で薊のような色の髪をした。天使のような羽をもつ小さな幼女が出てきた。
それを見て八咫烏は乾いた笑いをする
「ははは、驚きましたわぁ天使になっとるやないか、魂も変異して神華の塊と一つになっとる」
八咫烏の言葉を聞いて、白雅が驚く
「ちょっと待って、神華獣じゃなくなったってことは生身の生き物をつく多ってこと!?神華の塊じゃなくて!?」
永禮は産咲を見ながらつぶやく
「産咲は神の力に匹敵することをしたと言いうことですか?」
水神は、裸のマーウに毛布をかけながら嬉しそうに言う
「ということはこの子は天使だから学校に通えるのでは!?」
雅が真贋レンズでマーウをじっくり見ながら言う
「魂の形が完全に天使ですね神華人でも神華獣でもない、これは世紀の大発見です」
凛々亜は資料をまとめながら通信水晶に手を出す
「私校長にお話しします!」
マーウはそんなことどうでもいいように毛布にくるまれたまま、影姫に飛びつく
「まーま、マーウおおきくなった、よ」
トロンと蕩けるような笑顔でマーウは言った。
「ええ、進化おめでとう、マーウ、でもこれじゃ、ペットとは言えないわね?」
影姫の言葉に真望が頭を悩ませる
「うーん天使は一応神族だからな、どういう処遇になるのか、」
その疑問の美羽も悩む
「見た目も5歳くらいだから幼稚舎に通うことになるのかな?」
癒澄が寝むそうにしているマーウを見ながら言う
「この場合誰が親になるの?」
その癒澄の言葉にみんな頭を悩ませる何せ親候補となるならば、影姫と産咲、
学生だからだ
だが千李はそんなことどうでもよかった。その少女の顔を見たことがある
その少女を知っている学園に来てから狗炎にもらった写真で毎日見ていた。
爽走の記録球で見ていた。
「ま。ま?」
そう、マーウの見た目はシャリー二に瓜二つなのだ。




