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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
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学園の地下

夏休み明け、深瑠の誘拐の話はすでに学園中に広がっていた。

影姫は親に話を聞くことができず、逆に千李達と仲良くする限りは絶縁宣言をされて、

家に帰ることができなくなったそうだ

そして千李達で流した樂巖の洞窟の話も学園中に広がり、純血派の者達に

一般生徒が質問攻めをするところがよく見られた。

特に、脈羅、豹炎はいい的だった。


鷺家、清家、朱軸家、獏家、沢家の純血派の上に立つ者達は何か知っているんじゃないかと噂が立った。


沢家の影姫は千李達と仲がいいので家から絶縁されているとのうわさも流され、影姫への質問攻めはなかったのは助かったが、代わりに岸雄に樂巖の洞窟のうわさを流すファン達が現れた。

これは影姫の作戦だった。


「噂はうまくいってるけど情報はないね」


癒澄がパンを食べながら言う

今は昼休みで、いつもの場所でみんなで食事をとっている、そこにはライラーズの姿もある


「噂を流してくれって言われた時はどうすんのかと思ったけどまさかファンの力を使って自動で情報集めとはね、さすがだわ」


「今までの情報でも一番有力なのは樂巖の洞窟は学園の地下にあるかもしれないって噂だけですね」


「地下ねぇ行ってみるか」


ライラックがいたずらな顔をして言った。


「地下って科学と妖怪学の教室があるところだよね、」


千李がそういうとにやにやライラーズが笑う


「ちっちっち、地下はそこだけじゃないんだなぁ」


瑙虹が楽しそうに言う


「厨房ってどこにあると思うよ」


瑙銀が聞いた。


「そういや見たことないね、料理は術式で机の上に現れるから運んでくるところもみないし」


真望の言葉に6人は悩む、深く考えたことないが料理を作っている場所がわからないことを初めて知った。

期待を込めた目で岸雄がライラックに問うた。


「ライラたちはその場所を知ってるの!?」


そしてにやにやしながらライラックが言った。


「今夜9時に展示室に集合!!わかったかな諸君!」


そして昼の休憩を終わらせるチャイムが鳴った。



その夜、各部活生も寮に帰り静かな学校に千李達6人とライラーズが展示室の前に集まっていた。


「ライラ、こんな時間に学校に入って大丈夫?」


千李はドキドキしながらライラックに聞いた。


時守(じしゅ)じぃに見つからなきゃ大丈夫さ」


そう言ってライラは展示室のカギを開けるために印を切る


「解錠」


すると、かちゃっと音がして扉が開いた。


そしてライラックが中にが入るとじりじりとけたたましい音が響いき慌ててみんな中に入って

扉を静かに閉める


「だれじゃ!時間外の外出は認められたおらんぞ!出てこい!泥棒か?いたずら生徒か?!?」


目覚まし時計に手足が生えたものが展示室の扉をどんどん叩く


すると扉側にライラックが移動して声を出す、その声は千珠の声だ


「時守さん、わたしです」


「お、なんと、千珠先生か、こんな時間に何を?」


「少し蛇頭さんに用があるのです、すぐ帰りますので、勘違いさせて申しわかない

いつもお仕事ありがとうございます」


「いえいえ、先生もお疲れ様です、私はまた警備に出ますのでごゆっくりお話ししてくだされ」


「ありがとうございます」


ライラックの千珠の声を聴いて時守はかち、かちと小さな音を鳴らしながら遠ざかっていた。


「じ、時守じぃってせっせ、千珠先生には優しいんだね」


「それもそうだけどライラック千李先生の真似うますぎ」


ライラックは千李の言葉ににやにや笑ってピースをした。


「まぁねぇ、時守じぃはね、爽走とか安運とかを作った作ったものに魂を込める神華の華人が一番最初に作った神華体なわけ、そんで代々時守じぃのメンテナンスは生活指導の先生がしてるから、今の代の生活指導の千珠先生には甘いわけさ」


そう言ってライラックはウインクしてからひときわ大きい蛇の置物の方に行く


そして置物の蛇の舌先に指を刺す

すると蛇が緑に輝きガガガと音を立てて動き出し階段が現れた。


「隠し階段か」


「そんなことより指大丈夫なんですか!?ライラ先輩!」


真望が驚いた言葉よりも美羽は湧ててライラックの手を確認した。

その指先には血がにじんでいる


「大丈夫だよこれくらい治癒呪文ですぐさ、」


そう言って指先に向かって五芒星の印を切る


「治癒」


すると傷はたちまちふさがった。


「ここに入る時は純血と半純血以外は血を差し出さなきゃいけないから困ったもんだよねぇ」


そう言ってライラックは階段を下りて行った。

それにみんなついて行く、階段は螺旋階段になっていてどんどん降りると明るい四角い部屋に出た。

その部屋は何も置かれていなくて豪華な壁画があるだけだった正面に本棚の絵、右側にに広い厨房の絵

左側に豪華な扉とその前で本を読んでいる厳めしい顔の男性の絵がある、

男性はこちらに気付くとあからさまに嫌そうな顔をする


「また来たのかまがい物ども」


そう言う男性の絵に二カッと笑うライラーズ


「いいじゃん蛇頭にじゃますりわけじゃねぇんだからさ」


「そうそう、俺らは厨房に用があるだけ」


「おすそ分けもらうのは別にいいっしょ」


そう言って瑙虹と瑙銀はは厨房の絵の中に入っていく


「なんだ今日は余計なものが多いな、その髪は美羽様か付き合う人間は選ぶべきだぞ」


そう言うと蛇頭は読書に戻った。


それに千李が言い返そうとしたら、ライラックが肩を叩いて首を振るので何とかガンマンしていると

美羽が言い返す


「安心してください、ちゃんと選んでますから」


そう言うと美羽は厨房に入っていった。

それに続いいてみんな入っていく


厨房の絵の中に入っていくと、厨房の中に入り、

そこでは瑙虹と瑙銀が神華人にお菓子をもらいながら楽しそうに話している


千李はそんなことはお構いなく怒っている


「なんだよあいつ、付き合う人間選べとか、純血はそんなに偉いのかよ」


憤慨しながら千李が壁を通り過ぎるとすぐライラックが入って来て肩を抱く


「まぁまぁそんな怒りなさんな、あいつらはそれだけが自慢なんだからさ、それに情報を聞き出したきゃ

喧嘩はしないほうが賢明さね」


そう言ってライラックは瑙虹、瑙銀のもとへ行く

そうして瑙虹の手からお菓子を奪い取る


「アオウミウシグミかぁアラリウミウシグミのほうが好きだなぁ」


そう言って大きくてグネグネしたウミウシグミにかぶりつくとぐにゃんと波打つ


「じょう、情報って蛇頭は何かし、知ってるの!?」


岸雄は興奮してウミウシグミを持つライラックの手を握る


「んー?蛇頭は1000年以上前に桜姫様にスカウトされてから死んでも壁画になってこの地下の部室を管理してるんだ、樂巖の学生時代くらい知ってるだろうし地下のしかも純血が管理してるんだ、十中八九あそこにあるはずだ、そしてその入り方も知ってるはずだ」


おおっと全員から歓声が上がる


「じゃぁじゃぁ、い、今すぐ聞きに!「まぁ待て少年」え」


岸雄が厨房を出ようとするのを瑙虹が止める


「純血主義が俺達混血や外国人を相手にすると思うか?」


瑙銀の言葉に岸雄は肩を落とす、そんな岸雄を見て真望が難しい顔をする


「じゃぁどうすればいいのでしょうか、肝心の情報源が使えないんじゃここに来ても無意味では?」


それを聞いてライラーズはニヤッと笑って。ちっちっちと指を振る


「この地下に居るのは純血主義だけじゃないんだなぁ周りをごらんなさいよ!」


そう言われて周りを見ればたくさんの神華人が自分達を持て成そうといそいそと動いて、食べ物や飲み物を用意していたり待機したりしている、いつの間にか千李達の前には沢山の夜食やお菓子が用意されている


癒澄は自分が飲み干したリズベリージュースのおかわりを注いでくれている神華人に聞いた。


「あなたたちは何か知ってるの?」


すると神華人が困った顔をする


「私共は来年の新入生様達の為に修行でここにいるだけなのです、昔の事なら長老に聞かれるのがよいかと」


「長老がいるの?」


美羽の言葉に奥から髭を蓄えた犬の神華人が出てきた。


「私ですじゃ」


そう言って老人神華人は美羽の横に立った。


「美羽様ですな?桜姫様にそっくりですなぁ、わしらを学園に招き入れてくださった時を思い出しますじゃ」


「ママがあなた達を学園に?」


神華人が生徒一人一人に着くことになっている制度は昔からだと知っていたが、桜姫自ら招き入れたとは

思っていなかったからだ。


「ええ、それまでの神華人の扱いは酷いものでした。召使ではなく奴隷として奴隷商などで売られ

試し切りの相手にされたり虐待などは当たり前でした。

そんな状況を桜姫様は変えてくださりました。ですが、数年前、私の同胞が多く殺されました。

なぜかわかりましょうか」


その言葉に千李達は動揺する樂巖が支配しようした暗黒の時代にたくさんの人が死んだのは知っている

そのことだと思ったからだ


「我らの同胞は藤の会を恐れた者達に殺されたのであります」


「え、」


全員愕然とした、なぜ藤の会を恐れた人たちが自分たちを守るはずの神華人を殺したのか

なぜそんな悲惨なことができるのか


「これ見てくださいませ」


そいって老人神華人は顎下を見せる、そこには八芒星の狐の紋様の入れ墨がある


「それは!!」


影姫が驚く


「なんで藤の会の入れ墨よね、それを入れるのは犯罪のはずよ」


影姫は厳しい口調で言った。


「ええ、そうでございます、この入れ墨は魔王様に多くの神華人が付けられたものでございます」


「つけられた?」


癒澄が疑問を口にすると老人神華人は頷く


「えぇ基本的に神華人は華人や葉人に逆らうことはできませんからのう、つけろと言われればつけるしかないのでございます、そしてこれはこのように見えにくい顎下にございます魔王様は我らをいろんな華人に着け仲間にしたり命令で殺したりさせておりました。この入れ墨は樂巖様の奴隷となる焼き印のようなものでございます、この入れ墨がある限り藤の会、ひいては魔王様に逆らうことなどできない、だから、数年前魔王が倒れ、虹の女帝が逃げた時、多くの華人が我らを恐れ殺しつくされました。私はその中でも始祖の時代から生きる唯一の神華人として生き残らされているだけにございます

なので、皆様がお聞きしたいことを答えることはできません、それを答えれば死んでしまうでしょう」


そんな神華人に岸雄は飛びつく


「そ、そんな!お、教えてくれよ!」


岸雄の必死な訴えに神華人は首を振る


「せっかく狗炎様が助けてくださった命、捨てるわけにはいきませんのじゃ、申し訳ない」


それを聞いて岸雄はくそっといいながらうつむき泣き出した。


それを慰めるように影姫は神華人から手を離させて岸雄を椅子に座らせる


「校長があなたを?」


美羽の言葉に老人神華人は深く頷く


「はい、私は始祖の神華人、とても貴重な神力だからという理由で生かしていただきました。

代わりに管理できるようにとここに置いていただきました。神華人はあの時代でずいぶん減りましたから」


その言葉にみんな落ち込む、


「ただ、魔王様は学生時代蛇頭に所属しておられましたということは言えましょう」


その言葉に岸雄は希望を抱く


「じゃぁやっぱりこの地下にあるんだね!!」


「私にそれ以上は言えませんのじゃ」


老人神華人がそう言った時だった。


「なぜお前らが居るんだ」


恨みがましそうに言う声が聞こえる、振り返るとそこには動きやすいスポーツウエアを着ている、

その体には痣が多くみられる


「まぁ豹炎その痣はどうしたの?」


痣だらけの腕や足をみて美羽はびっくりして聞く


「おきになさらず、訓練していればこんなものです」


それを遮って豹炎は老人神華人の下へ行く


「いやこれは異常だろ、やりすぎだよ、何でこんな」


千李はその腕をつかむと振り払われる


「触るな!!」


豹炎の剣幕にびっくりして千李は手を離す


「あぁ豹炎様、お夜食ならできておりますよ、こちらで食べられますか?」


「いやいい、部室に持っていくこんなところじゃ食べれないからな」


そう言って豹炎は乱暴に夜食を受け取って厨房を出ていく


「あんな痣、訓練でもあり得ないし、普通治癒呪文で消えるはずなのに」


そこにライラックが苦々しく言う


「あの痣わな、夏休み帰ってからあるし、あいつ毎晩遅くまっで訓練して情報によると帰ってからも部屋の電気が暫くついてるらしいな、家で何かあったんだろうな」


その言葉に真望は小さくつぶやく


「虐待か」


シーンとその場が凍る豹炎の虐待の原因はなんとなくわかるからだった。



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