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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
21/62

純血の王、失意の底に

銅鑼の音ともに豹炎と芳満、紗南香と瑞葉が動く、そして同時に刀を合わせる



『おおっと、互いの切り込み隊長、小役が刀を交えた!!激しい切あいだ!風紗南香選手と清豹炎選手、峡芳満選手と楠瑞葉選手が刀を合わせています!1年生同士、7年生同士の戦いとなっております!おおっと瑞葉選手が怒ってます!怒ってますよぉ!さすがフェミニスト芳満選手!まぁた試合中に瑞葉さんを口説いてるようだ!一方1年組は真剣に戦っていますが、紗南香選手が押され気味です!これは鸞璃が押さてますねぇ』


その質問にライラックが返す


『まぁ芳満と瑞葉先輩はいつものことだし結局フラれた上で負けると思いますよ、1年組は豹炎が押してるみたいだけど、ちょっと動きが硬いなぁ大丈夫かぁ?何見て試合してんだよ目の前にいるのは紗南香だぞ』


そのライラックの発言を聞いて豹炎は紗南香を大きく弾き飛ばす、そしてライラックの方を忌々しそうに見てからすぐ紗南香に向き直った。


すると先ほどとは段違いに動きがよくなった。


『おっと!?動きが変わったぞ?!豹炎選手やっと本気になったぁ!』


『お前は白々しいな』


尾佐那先生が言う


『何のことでしょう、そんなことよりあ!あ!あぁぁぁぁぁぁ!!!紗南香選手が負けてしまったぁ!首の心代玉が割れているううう、そして豹炎選手そのまま白雅選手に切りかかったが!

遮られたぁ!寿獲琉選手が豹炎選手の前に出たぁ!寿獲琉選手は4強に隠れて居ますが個人戦で劉家の双子と5、6、7位を争う常連者だ!豹炎選手大丈夫かぁ!?と、ここで芳満選手がやはり倒されたぁ!だが!?相打ちだぁぁ!!瑞葉選手の胸の心代玉が割れているうう!!おっと!?守備役の和絵留選手と嵩仁選手が豹炎選手の加勢に行きます!やはり一人ではきついと判断されたようだああ!!』


『傲慢だなぁ脈羅、白雅と永禮が相手でも一人でいいってか、まぁ結局そうなるし正しい判断かな?』


ニヤッとライラックが笑った。


『ふむ、豹炎は寿獲琉相手だが対等に戦っているな、嵩仁と和絵留に関しては白雅に遊ばれてるじゃないか全く、もっと腰を入れんか!腰を!!』


嵩仁達の不甲斐なさに尾佐那は怒声を浴びせる


『嵩仁選手、和絵留選手頑張ってください!今度の武術ではしごかれるの決定です!!おおっと豹炎選手!炎の鞭を出した!寿獲琉選手テレポートで避ける!寿獲琉選手は秒分予測ができますので、なかなか刀が当たらないようです!数秒前数分後を予知されていてはどう動いていいかわからないのでしょう、心代玉を取られていないだけ健闘しています!さすが清家の長男です!』


『ふむ、火の鞭は寿獲琉の刀の間合いから出るためだな、そうすることで予測されても対応することが容易になる、ただ寿獲琉の曲者なとこっろは瞬間移動があることだな、これのせいでどんなに距離をとってもすぐ詰められてしまう、豹炎はその所を理解して瞬間移動される場所を自分なりに考えて合わせているんだろう、なかなかのものだ』



『なるほど、豹炎選手は成績もいいとのことなので頭がいいんですねぇ!これは次代の蛇頭主将が決まりそうな戦いですねぇ!上位組にしかできない芸当ができているのは点が高いぞおおお!!あ、え!?寿獲琉選手の?心代玉が、取られています額の心代玉が割れています!なんてことでしょう!誰が予想できたでしょうか!あの寿獲琉選手が新入生に心代玉を取られました!!それと同時に!嵩仁、和絵留タッグが白雅選手に切り伏せられたあああああ!!すかさず豹炎選手が白雅選手の前に立つが?白雅選手が下がってなんと、永禮選手が前に!大将が自ら動きました!これはどうするんだ!?』




大きい   






豹炎はその姿を見て少し気圧された。



遠目に見ていた大きな虎、人の形をした人ではない者、それは今なぜか自分を守るものより前に出ている、今の学園で唯一の淡金銀帯の男が刀を向けてくる

目で来いと尊大な態度で促してくる神華人のくせに、作られ者のくせに、純血の王の子孫である自分に尊大な態度をとるそれを許していいはずがない!なのに足は動かない!

その研ぎ澄まされた精神に隙のない佇まいに動けない、一歩動けば自分が切られそうだ


どうする、どうすればいい、手段なんてない、ただ切ることしかできない


動け動け動け動け動け動け動け動け動け!!


いっぽ前に出る豹炎、刹那刀が交わった気がした。だがその刀は弾き飛ばされ胸の心代玉が割れた。



あぁ、俺は神華人にも勝てないのか・・・・・・



『割れました!豹炎選手の心代玉が割れました!!!!!!!一瞬で決着がつきましたああああ!!二人の戦闘の間に、白雅選手は脈羅選手に切りかかっています!個人戦2位~4位の常連の2人の戦闘!熱いです!熱いですよ!!1(ごう)(ごう)激しく打ち合う!おおと、脈羅選手かまいたちを使いますが、白雅先輩は軽く避ける!白雅選手よゆうだ!さすが白雅選手!攻撃系の神華でないのに上位にいるだけありますねぇ!』


『くうう混ざりたい!あの中に混ざって二人とも倒したい!体がうずく試合だなぁ!』


『おっとこちらの4強にも火がついているようだが永禮選手は涼しい顔で眺めていますその余裕が悔しい!!さぁこの戦闘、どちらが勝つのでしょうか!尾佐那先生!』


『脈羅は刀術書をそのまま入れ込んだような男だ戦闘方も型にはまっているものを応用してうまく使っているのに対し白雅は一言で表せば柔その時々に合わせて柔軟にいろんなスポーツの動きも入れ込んでくる、他部活の助っ人もしているだけあるな、どちらも甲乙つけがたい戦闘方だ』


『あーでも、なんか今日白雅さん調子悪そうだったんだよねぇ、そこで差が出ないといいんだけど』


ライラックの心配が的中するように、白雅がよろめき、こけた、その一瞬を見逃す脈羅ではなかった。白雅の胸の心代玉は脈羅の刀によって一突きされた。


『あああああっと、ライラックさんの不安的中だああああああ!!白雅さんがこけてしまった!!!そこを脈羅選手一突きいいいいいい!!!そして一瞥もすることなく永禮選手と刀を・・・・・交えたあああああ今大会初の大将戦です!激しい激しいですよ!かまいたちの中を避けながら打ち合う両者!どっちも引かず!一歩も遅れを許しません!』


ライラックが難しい顔をして言う


『緊迫し戦いだな1秒のずれが命取りだ』


『こりゃ持久戦だな、ばてた方の負けだ一瞬のミスも許せんな』


結界を使い上に左に行く二人

永禮は結界を使ってかまいたちを防いでいるのに刀に一瞬のゆがみもないそれを見るたび

脈羅のイライラも増すばかりだ


『永禮はかまいたちを避けるのに結界も出してるけどさすがだな、ブレがない、まだ涼しい顔だ。むかつくな』


ライラックは研究するようにじっくりと永禮を観察して自分で出した答えにイライラする

それに続いて尾佐那も声を出す


『あの余裕は脈羅の心中も穏やかじゃないだろうな、それで型が崩れなければいいが』


『そうですねぇ、永禮選手はいつもと同じ表情ですね、けれどかまいたちを結界で防ぎながらの戦闘なのに息も上がらないとは恐れ入りますねぇ、

お?脈羅選手、かまいたちをやめました!強風で吹き飛ばす作戦に出たようですが、永禮選手!軽く着地する!』


『ふーん、脈羅はここで終わらせたいってとこかな』


『そうだなこの選択が吉と出るか凶と出るか・・・・』


『おおっと脈羅選手高く飛んで永禮選手の裏に回ったが打ち合った!!!!!!!』



脈羅の一突きに永禮も一突きした。


そして心代玉が割れていたのは



脈羅だった。



『心代玉が割れたのは!?脈羅選手です!脈羅選手の心代玉が割れています!!決勝戦は猿武対鸞璃に決まりました!決勝戦は猿武対鸞璃です!!!』


熱い試合の1日が終わった。


猫のセイルとカラスのユーハウ


昼間のユーハウは窓から飛び出して学園横の槐の森に行くいつも通り飛び回り

いつもの木にとまると木の下に見知った先客がいた。


「おや、セイル、珍しいですね、学園で散歩しているものだと思いましたが」


ユーハウが木の根元に降りて話しかける


「ユーハウか、ここはいいね誰にも邪魔されない、学園で寝てると管狐のまりが付いて回って面倒なんだ、どうも気に居られたみたいでね」


「おや、まりとは美羽様の管狐ですね、彼女は美狐ですよね、素敵な毛並みだ」


「まぁ美狐なことは認めるよ、でも四六時中ついて回られちゃ耐えられないね」


セイルがげんなりしながら言うとユーハウは笑う


「はは、モテる男は大変ですな!」


「本当に困ったよ、だがここはまだ見つかってないからね、ゆっくりするとするよ」


「そうねですねここは穴場ですからゆっくりしてください、私も上でまどろみますので、では」


「あぁ、また部屋でね」


そして2匹は思い思いの場所でゆっくりと夕方までゆったりしていたのだった。


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