校長という存在
千李達は蛇頭、鸞璃戦を見る為に観客席に座った4強の3人が戦うということで注目度も高く桜州の住人もたくさん来ている
観客席でひときわ目立つ席に先生達が座っている、そこに見たことがある老人がいる、
写真で見る父の顔に似てる、鏡に映る自分に似てる、昔一度会ったことがある自分の曽祖父だ
「ひいじいちゃん?」
それを聞いて美羽は呆れた顔をした。
「千李、校長の清狗炎様を知らないわけないわよね?入学式で気が付かなかったの?」
それを聞いて千李はうっと肩をすぼめる
「だってみんなすごかったし、白澤様に目が行ってたし、食事の時はみんなで大騒ぎだったからほとんど先生達の席は見てなかったんだよ」
口を尖らせ千李は言い訳をする
「まぁあの空気だといろんな所に目が行って忙しかったよね」
癒澄が言うと真望も頷く
「みんな盛り上がっていてお祭り騒ぎだったしなぁ、校長も白澤様を見送りに行ってすぐに居なくなっていたしな」
「あらよく見てるのね真望くん」
影姫が岸雄に引っ付きながら言う深瑠が反対側に引っ付いているので対抗しているのだろう
二人の美女に引っ付かれて顔真っ赤でガッチガチだ、
試合をまともに見れるのだろうかと千李は思うが影姫に睨まれたので口をはさむのはやめておいた。
ちらっとまた狗炎を見ると目が合った。狗炎はじっと千李を見ている、
すべての時間が止まったようだ、
そして狗炎の口が動く《大きくなったね》そう聞こえた。
そこに美羽の声が聞こえる
「千李?」
「え、何?」
「校長をじっと見てどうしたの?」
「え、いや、今目が合って」
千李がまた狗炎を見ると狗炎は副校長の窓凛とにこやかに話していた。
「いや、何でもない」
そう言って千李は会場のほうを見ると音弧のアナウンスが流れ始めた。
『さぁ始まりました。!第2戦目!蛇頭vs鸞璃戦!この二チームは冷静な戦闘を得意とするチームです、そして個人戦の4強のうち3人、不動の王者永禮、王を守るナイト白雅!純血の英雄脈羅!この3人の戦闘とあって期待値が高いのか、鈴里村の方々も多く来ています!!あの鷺脈羅さんと朱軸永禮さんの戦闘とあって永禮ファン、脈羅ファンの熱い声援が響いております!!司会は私、久瑠祢音弧、解説には尾佐那仙吾と虎裁の主将、ライラック・フェントンです!
いやぁ、ライラックさん尾佐那先生!楽しみですねぇ!』
そう音弧が言うとライラックがニヤッと笑った
『永禮はいつも涼しい顔で刀を振るから今年こそは必死なところが見たいですねぇ、私は残念ながら3位決定戦で戦うことはないので脈羅先輩が頑張ってほしいですねぇ!』
『おや?倒せるとは思わないんですか?』
『さぁね、でも永禮先輩は私が倒したいし、脈羅先輩はあんまり好きじゃないのでぜひ、永禮先輩にコテンパンにしていただきたいですねぇ!』
ライラックがそういうと観客席からブーイングが聞こえる
『おおと!観客席からブーイングだぁ純血の皆さんから反感を買ってますよぉ!!』
『ふぁっはっは!元々混血の華無生まれだから嫌われまくってるし痛くもかゆくもないね!』
『ライラック、むやみやたらに喧嘩を吹っ掛けるな馬鹿者、片方の肩を持つもんじゃないぞ解説は平等にせねばならん』
『そうですね、すいませんつい選手側に立ってしまいましたよ、落ち着きまーす』
軽い調子でライラックが言うと蛇頭、鸞璃の代表者が前に出た。
『お、双方代表が出そろいました、やはり鸞璃は。大将に朱軸永禮、守備に獏白雅&紅寿獲琉、(べに じゅえる)子役に風紗南香、切り込み隊長に楠瑞葉で行くようですねぇ』
『手堅いところだな、新入部員の風紗南香がいるのは意外だが問題なかろう今年の1年は粒ぞろいだったからな、特筆していたのが清千李と劉岸雄というだけでな』
『そうなのですね、やはりあの二人は先生のお墨付きともあってとても強かったですねぇ、おおっと?蛇頭からも選手が出てきましたが主将に鷺脈羅、守備に峡嵩仁、錫乃和絵留、小役に海星芳満、切り込み隊長に清豹炎と来ましたよおお!!清家はその出自もあり神華の王といわれる純血の中でも一番尊ばれる血であり、あの刀士としては華人でも華無でも最強!王華刀士英雄賞、華人英雄栄誉賞、桜姫賞、華生物学者賞など様々な賞を受賞した校長のお孫さんでもあります!清千李といい刀士としてはとても期待のできる選手です!』
それを聞いて千李と真望は苦い顔をする
「あれはまずいな」
「まずいね」
それを聞いて美羽と癒澄はわからない顔をする
「どうかしたの?」
「何がまずいの?」
それに対して真望がちらっと癒澄をみた。
「さっきから豹炎は硬かったんだ今のアナウンスでさらに表情が硬くなった」
それに千李が続けて言う
「豹炎は僕や真望のせいで純血としての誇りを傷つけられた。それでいつも焦っていたし、あの大将にいいとこ見せなきゃいけない、ここで永禮先輩を討たないと王者としての血が認められないと思ってるんだ」
「つまりあのアナウンスは豹炎君を煽ったってこと?」
「そう、わざと豹炎を緊張状態にした。校長の名前を使ってそんなこと千李にはしなかっただろ?」
そう言われて美羽は気分の悪い顔をする
「何それひどい、悪口を言わないで彼を貶めてるってこと?そんなこと許されていいの?」
「みわわ、ごらんよ周りの人」
癒澄に言われて美羽は周りを見る、すると周りの反純血主義者や純血主義者に虐げられた者が笑っている、こそこそと話して自分達を認めない者が笑いものにされる未来を笑っている、まるで自分達がされたように純血主義者は純血主義者の王が貶められるのをあざ笑い呆れている者もいる小さく聞こえた「やはり猫炎の子はダメだ」「千李が純血ならば」と聞こえた。
「気分が悪いわ」
美羽は周りの様子に気づいて嫌悪感をあらわにする姿に岸雄がこぼす
「純血主義への怨恨はそれほど強く、プライドはそれほど高いんだ」
そして、飛騨氏互恵が銅鑼の前に行く
『おっと飛騨氏互恵先生が銅鑼の前に行きました!それでは開戦の合図をお願いします!』
『正々堂々、熱い戦いをしてくれることを期待する!後悔なきよう思いっきり戦え!』
どおおおおんと銅鑼の音が響く
刀激戦が始まる




