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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
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19/62

誰の優勝杯?

団体戦一回戦が終わり第二試合の鸞璃対蛇頭(らんりたいじゃがみ)は、昼からとなる、第一試合の熱気もそのままに昼食を取るために大広間に向かう猿武のメンバー達は、興奮気味に試合のことを語っている

深瑠など、どれだけ岸雄が、カッコ良かったを岸雄に聞かせていて、岸雄は茹でダコの様に耳まで真っ赤になっている。


そんな猿武のメンバーが大広間に入るとわっと歓声が上がり美羽が千李に飛びついた。


「おめでとう千李!すっごいカッコよかったわ!さすが千李だよ!私の自慢の幼馴染だわ!」


千李は、美羽からの突然の抱擁にカッチカチに固まって全身真っ赤になってしまった。


「あ、やだ、ごめんなさい千李、でも本当にすっごくカッコよかったよ!」


少し照れた顔をして美羽は千李から離れた。


そんな千李の肩を抱える者が居た


「ほんとすごかったわぁ、まさか大衆の面前で押し倒されてハートを貫かれるなんてねぇ」


にやにやとするライラックが千李の肩を抱えている


「あ、あれは仕方ないだろ!君が倒れるから!」


そう言って千李はライラックの手から逃げた。


「本当に大胆な戦術だったよ僕のことも簡単に倒してしまうしもっと修行しなければ」


そう言って真望が出てきた。横をさっと通りすぎる影二つ


「あぁ姫お守りできず申し訳ありません!」


「我らが不甲斐ないばかりに人前で押し倒されるなんて!!」


すかさず瑙銀、瑙虹がライラックの前で跪き手を差し出す

その手にそっとライラックが手を置く


そして慈悲深い顔でそっと二人にやさしく言った。


「いいのよ、シャトルラン100本、素振り千本、トレーニング100セット今日から毎日よ3人共」


「「「ou!NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO」」」


二人の絶叫が大広間に響き、広間は笑いの渦に包まれた。


そこにまた千李の肩をつかむ手が現れた。



「千李少年!なんてことをしてくれたんだ!我らが姫を公衆の面前で押し倒すとは!うらやまry、大胆なことだ!」


「今うらやましいって言った?」


癒澄の発言も無視して千李の肩を興奮気味に掴むのは刀激戦で応援団を仕切っていた男だ


「そ、それで、ライラックは女だったか?男だったか?」



男がそう聞くとゴチンと男の頭にライラックの拳骨が落ちた


(からみ)先輩チョー失礼じゃないっすか?この私のどこが男だってんだこの野郎!!!」


そういいながらライラックは扇刀の模造刀で鍔の頬をぶった


「ひどいわ!婿入り前の顔を殴るなんて、よよよよよ」


鍔はそう言いながら女すわりして袖で涙をぬぐうようなしぐさをする


「きもいっす」


ライラックが心底気持ち悪そうに言うのを見て千李は苦笑いし、周りは爆笑だ

正直ライラックは李薇の顔ということを抜きにすれば黄色オレンジ赤というグラデーションの目は神秘的で美人だ、

茶化してきてはいたが刀激戦の時の真剣な表情はジャンヌダルクのような強い美しさを感じた、

男か女かと言われれば女性だろう、乙女の可愛らしさは感じないのは

13歳にしては大人びているからだろう


笑いも収まったころ5人はいつもの入り口側の一番端の席に座った。

移動中


「かっこよかったわよ!」


「さすがシルバーキングとシルバーナイトの息子だぜ!」


「日本人君意外とやるわね!!」


などと声をかけられた、大広間は今さっきの熱い戦いの話題で持ちきりだ。

千李、真望、岸雄は周りの称賛に照れながら食事をとりだした。


「まもりん、負けちゃって残念ね!でもすっっごくかっこよかったよ!!」


癒澄は真望にくっついてうれしそうだ、真望もまんざらでもない顔で自慢げに話しだした。


「いや正直千李君は本当に強かったよ、神華を使わなければもっと早く倒されていただろう、だが俺の伸びしろは無限大だ!!すぐに千李君に追いついてやろうではないか!!個人戦では目まぐるしい成長を見せてやろうじゃないか!!」


箸を置き右手を千李に向けて真望は言う


「個人戦でも僕が勝つけどね!」


そう言って千李は真望の出した手にタッチした。


「ぼっぼくは自信ない、け、っけど、が、がんば、る」


「大丈夫よ、あなたなら」


岸雄が、自信なさそうに行った時、影姫の声が聞こえた。


「え、」


岸雄が影姫を見た瞬間、影姫は頭を下げた。


「ごめんなさい、出会った時から愛想悪くて、あなたがあまりにも真木さんに似ているのに中身が違いすぎて勝手に怒ってしまっていたの、でも当り前よね、あなたは真木さんではないもの」


「え?パ、パパ?僕のパパにあったことあるの?」


そこで影姫は話し出した。


「私ね、この力の強さから小さなころ、よく誘拐されかけていたの、それで劉家で唯一名を名乗っていて優秀な真木さんに私が力をうまく操作できるようになるまでボディーガードとしてついてもらっていたの、私は幼いながらに、カッコ良くて、優しくて、面白い真木さんに惹かれたわ」


影姫は伏し目がちに語る


「でも大人の真木さんが私をまともに相手してくれなくて、あなたは覚えてないみたいだけど

真木さんはあなたを連れてきたの、当時のあなたは真木さんに似てたわ、でも少し臆病だったけど、私、あなたに真木さんを重ねて見てたの、でも父が真木さんがあなたを連れてきたことを聞いて激怒してね、真木さんもあなたもそれから来なくなった。私は同じ影使いの叔母の家に送られた。その間に真木さんのこといっぱい調べたわ、どんどん好きになったし、あなたもそういう風になってると勝手に期待していたの」


「ご、ごめん、き、期待にこた、えられなくて」


影姫は頭を振った


「いいえ、あなたも大変だったのよね、劉家からも覚の家族からも期待されてどんなに上達しても真木さんと比べられて、それで自信なくなってしまったのよね、でもあなたが時折見せる強い顔も今日の戦いも真木さんとは違うけどとってもかっこよかったわ!」


「あ、あり、がとう、僕もつ、強く言ってごめ、ん」


「ううん?あなたどんどんかっこよくなっていくわ、だから私、あなたの二の妻目指すから覚悟してね!」


そう言って影姫はウィンクをした。


「え?えええええええええええええええええ!?」


大広間は大喝采と嫉妬と落胆の声にあふれた


「千李君、二の妻ってなんだい?」


真望が千李に聞く


「あ、あぁ、王華が重婚国なのは知ってる?」


「あぁ、一人に2人までなら結婚していいんだったな」


「そう、で、一人目を正夫(せいふ)正妻(せいさい)、と言って二人目を二の夫、二の妻っていうんだ

二の妻、二の夫はその家に嫁ぐわけじゃないからその家に入らなくていいんだ、だから純血主義では純血じゃない者と恋に落ちても二の妻、二の夫は許すんだって正当な伴侶を見つけるのが条件でね、だから沢家の寵姫で後継ぎ候補の影姫ちゃんには都合がいい制度だよね」


千李の答えを聞いて真望はガクッと肩を落とした。


「つまり俺では正夫にはなれないじゃないか!俺は完全に眼中にないんだなぁ」


そんな真望を癒澄は慰める真望は割と本気で影姫を狙っていたようだ

そこに深瑠が来て影姫に抱き着いた。


「素敵!一緒に岸雄君を支えましょうね!あなたとならきっと楽しいわ!」


深瑠に抱き着かれて影姫は驚いたがにっこりと笑った。


「深瑠さんは優しいので私は十分岸雄君に厳しくできます、一緒に立派な男に育てましょうね」


それを聞いて岸雄はひえっと悲鳴を上げた。そして影姫は岸雄を見た。


「まず第一にあなたは強いのよ!そんな自信ないこと言わない!背筋も伸ばしなさい!負かされたお兄様たちと愛さんに失礼でしょ!」


それを聞いて深瑠は少し考えて岸雄を優しく撫でて言う


「そうね、自分が弱いなんて倒した人を馬鹿にしてるみたいね、大丈夫よ岸雄君

あなたはとても強いしあなたはまだまだ伸びしろがあるはずよ、

一緒に強くなりましょうね、そして個人戦と団体戦で優勝杯を掲げるのよ!」


深瑠は嬉しそうにそういうが、岸雄は固まった。そして青ざめ影姫を見る、いつもみたいにあんたには無理だと言ってくれることを願って


「あなたなら頑張れば優勝杯とれるわ刀の事は協力できないけどほかでサポートするわ」


逃げ場のなくなった岸雄は顔面蒼白になって肩を落とした。

それを聞いていた、白雅が入ってきた。


「君たち勝手なこと言いすぎじゃない?個人戦の優勝杯も団体戦の優勝杯も掲げるのは我が鸞璃の永禮だよ」


にっこり王子の顔で白雅が言う、永禮はそれを無視して産咲にデザートを取ってやっていた。

その会話に嵩仁が入ってきた。


「お前こそ何を言っている!毎年神華人のおかげで勝てている見たいだが今年はそうはいかない!優勝杯を掲げるのは蛇頭の脈羅様に決まっていよう、今年こその厚顔無恥な顔を潰してくれる!!」


嵩仁が威張ってそういうがその嵩仁を脈羅は一瞥もせず本を読んでいる

そこになぜか美羽が入ってくる


「そんなことないわ!千李だって神童って言われてたわ!私の幼馴染はとっても強いの!必ず優勝杯をもつに決まってるわ!」


そこに瑙虹瑙銀も入る


「いやいや君たち何を言っているのかね」


「個人戦の優勝杯は我らがライラック姫が掲げるに決まっているだろ?」


「「君たちは大人しくそれを見ているといい!!」」


当人たちではなく関係者だけがバチバチと火花を散らしている、


岸雄は深瑠と影姫につかまっているのでその渦中の真ん中にいて顔を白黒させている


「わぁえいちゃもみわわも熱くなるんだねぇ、なんかいがーい」


「癒澄ちゃんは真望のフォローしなくていいの?」


「ん?んー確かに真望くんに優勝杯もらって欲しいけど、ここで私が戦っても優勝杯が取れるわけじゃないでしょ?変にプレッシャーとか与えない方が良いと思うの、それにまもりんはかっこいいもの!個人戦ですっごく成長してると思うの!だから大丈夫!」


そう言って癒澄は真望に引っ付く


「ふむ、優勝杯か、確かに欲しいな!僕にはライラック先輩の鬼のトレーニングがある、手が届く日も遠くないだろうな!!」


「そのいきだぜぇ真望」


そこにライラックが入ってくる


「瑙銀、瑙虹もどうせなら私じゃなくて自分が採るんだって意気で行けよなぁ全く、刀士が自分じゃなくて他人を引き合いに出すとか馬鹿らしいにもほどがある」


あきれ果てるライラック、そのまま昼休憩は終わり蛇頭、鸞璃戦が始まる。


仇の顔とライラーズのライラーズと凱臥のその後


凱臥は走ってライラーズを追いかけたがライラーズは早く先に翠藻湖(みどりもこ)に着いて

河童の相撲ダンスを始めた。

それを見た河童達は憤りじりじりと3人に近づく


「お前ら!やめないか!」


そう言って凱臥が3人に近づくと3人は瞬時に消えた。周りを見ると茂みに影から覗いている

凱臥はそっちに行こうとしたが、いつの間にか河童に囲まれていた。


「お前もあいつらの仲間か!!」


「い、いや、俺は止めに来ただけで、」


そう言ったとたん凱臥はなぜか河童の相撲ダンスをした


「え、」



「やっぱり仲間じゃないか!」


「いやち、が、これは」


河童たちは怒って凱臥に襲い掛かり、凱臥の尻子玉を抜いて、ふにゃふにゃになった凱臥に投げつけ、翠藻湖に戻った。

それをライラーズは笑ってみていて、浮遊術で城まで凱臥を連れて行ったのだった。

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