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神華牡丹学園物語  作者: 瑞目叶夢
1章華人の不安と仇の顔
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過去の汚点

あの試合から3日後校内は決勝の話で持ち切りだ

千李と岸雄はこの3日間顔見知りでもない話したこともない人たちから

応援されたりからかわれたりされた。


昼休み


「あぁもう一人になりたい」


机に突っ伏している千李と岸雄、疲れた顔で千李が言った。



「まぁ二人は落ち着ける場所ないよなぁトイレでさえも声かけられるからなぁ」


苦笑いで真望が言った。


「え、そうなの?移動教室でも話しかけられてるよねぇ私たちは無視で」


美羽がうわぁと驚いたように言う


「寮でもだよ?千李君みんなに永禮先輩倒せよって言われながらご飯食べてるんだよ」


癒澄がやれやれといった風に言う


「岸雄くんも似たような状況ね」


影姫が言うと美羽がうんうんとうなずく


「でも、大体の人は影姫ちゃんが散らしてるから千李よりはましなんじゃない?今みたいに」


そう、今平和なのは影姫が机の周りに防音の結界と目くらましを

かけていて、結界を消そうとする生徒たちが近づいてきたら影操作で操って遠ざけているからだ。


食事をしながら涼しい顔でそれをしてのけるのはさすが学年1の金帯である


「さすがに移動しながらの結界は張れないのよね、ごめんなさいね岸雄君、千李君、移動は我慢して頂戴、できる限り散らすけど」


申し訳なさそうに言いながら影姫は岸雄の頭をなでる

そこに深瑠が入ってきた。


「影姫ちゃん岸雄くんどうかしら」


「疲れ切ってます」


深瑠の問いかけに影姫が返事をする、深瑠が入れるのは影姫が深瑠だけに結界を解いたからなのだが、それで入れると勘違いした数人が結界にぶつかっていた。

目くらましをしていてもいつもの場所で食事をしているのでバレバレなのだが中からも見えないようにしているのでこの目くらましは周りというより岸雄と千李のためだ四六時中見られるのはあまりいい気がしないものだ、


「千李君、俺も結界の術を習得できてきたから寮では頑張って結界を張るよ、まかせ給え」


真望が胸を張って言った。


「わたしも手伝うよ!まもりん!」


その二人の会話に千李は乾いた笑いをする


「はは、ありがとうもうこの空間と部屋だけが安息の地だよ」


「ぼ、ぼく、もう外に出たくない」


岸雄が青い顔をして言うと深瑠が岸雄を抱きしめた。


「あぁ岸雄君、注目されのは疲れるわよね、そういえばみんなはあの羽衣を持っているかしら?」


深瑠がそう聞くと全員はてな顔だ、あの水蚕の羽衣がどうかしたのだろうか


「彩良恵良がね、水蚕は敵から姿を隠すために姿を消す習性があるから、もしかしたら姿を消せるかもしれないって言ってたの!試してみるのもいいと思うんだけど、どうかしら?」


それを聞いて千李と岸雄はすぐに神華人を呼んで羽衣を持ってきて貰った。

それを見て他の4人も羽衣を持ってきてもらう


「ありがとう、突然呼んでごめん」


千李がそう言って神華人から羽衣をもらう


「滅相もございません、ほかに何かございませんか?」


「いや、ないよ、ありがとう戻ってくれていいよ」


「承知しました」


千李の神華人が帰ったようにほかの5人の神華人も帰っていった。

千李はさっそく羽衣をはおる


「それで深瑠先輩これでどうやって姿を消すんですか?」


ちょっと興奮気味に千李が聞く、これが可能ならばやっと静かな移動ができるのだ期待が大きいのも仕方がない


「ええ、確か羽衣を羽織ってアメラって呪文を言うと姿が消えるはずよ」


6人はそろって羽衣を羽織る


そして一斉に言った。


「「「「「「アメラ」」」」」」


すると6人の姿は一瞬にして見えなくなった。


「おお」


「すごいすごい!本当にみんな見えない!」


「これはすごな光の屈折を利用してるのだろうか」


「そうみたいね、背景の景色を対極の面に出すことで消えてるように見えるのかしら」


「え、影姫ちゃ、ちゃんとま、真望くん難しいよ、そ、それ」


「これで静かに移動できそうね!」


思い思いの事を6人は話す


「良かったわこれでみんなのストレスが少し減るわね」


深瑠がニッコリと笑って言う


「ええ、ありがとうございます深瑠さん」


「いいのよ!私はこの結果を彩良恵良に報告しなきゃ」


影姫の言葉に深瑠は、嬉しそうに返した。


「みんな、食事はもういいかしら」


「ああ、もういいよ、十分食べたし」


「準備はできていますぞ!影姫さん!」


真望と千李がそう言うと他の三人もうんと頷く


「じぁ結界を解くわよ!防衛術の教室で会いましょう」


影姫がそう言って結界を解くと結界に張り付いていた人達は少し転けそうになる


「結界が解けた!?」


「え、でも6人ともいないよ!?」


「深瑠先輩!千李君と岸雄君は!?」


「お話したかったのに誰もいない!」


大広間が騒然とする中を6人は静かに立ち去ったのだった。


そして黒術者悪鬼防衛術の教室で羽衣を脱ぐと先に来ていた数人の生徒はびっくりした顔をする


「え、どこから現れたの!?」


「癒澄ちゃんの瞬間移動ってそんな大人数できるの!?」


その言葉に返事をするのは影姫だ、


「そんなところよ、さぁみんな、座りましょう」


そう言って影姫は、席につく


「久しぶりの静かな移動だった。ふぅ」


千李もその後に続き千李と岸雄は、並んで席についたその前後に影姫、美羽、癒澄、真望が二人を挟むように座る、そして影姫は、当たり前のように人避けの結界を張った。

続々と生徒が入って来て、千李達を見て嬉しそうな顔をして隣に座ろうと思ったが岸雄の隣の席には岸雄の同室の暈駘瞿(かざでく)が座った。その隣には海良が座り、「お前らどうやって移動したんだよ」と言ってきた。岸雄が小声であとで教えるよと言っている。千李の隣は亜澪と和良が駆け足で座りに行き隣ゲット亜澪は、癒澄にアイコンタクトを送る、

この4人のおかげで岸雄と千李は静かに勉強できるのだ、

この4人には移動方法を言ったほうがいいかも知れない


チャイムが鳴るころには全席が埋まっている、そして南千珠が教室に入ってきた。


「今日は珍しく静かだな普段は猿のごとくキーキー騒いでいるのに毎回これほど静かにしてもらいたいものだな」


そう言って千珠は黒板の前に立つ


「では今日は死の呪文について学ぶ、悪鬼や悪の心に染まった者はこの技を好んで使う、その防御呪文といくつあるかわかる者」


千珠がそう言うと真望、美羽、影姫、癒澄、豹炎、千李、岸雄が手を挙げる


「ほぉ、お騒がせ6人組全員が答えられるか、

金髪は馬鹿だと思っていたが少し評価を上げてやろう

だが6人組と豹炎しかわからないとは、李薇が逃げ続けていると言うのに最近は平和ボケした者ばかりで呆れる、清豹炎、いくつあるか、その術名を答えろ」


「3つです、死光(しこう)魂盗手(こんとうしゅ)魂喰(たまくい)です」


「いいだろう、次、須舘美羽、死光の性質、防御呪文に使える呪文はなんだ」


「術式の光が飛び体を貫き死に至ります、式消しや結界系の術が有効です」


「そうだ、この術はくらえば一瞬でその命の灯を消す、だが一番術式が簡単ですぐ印を刻める代わりに崩れやすく防ぎやすいが先の戦争では一番使われた術だ、次千李、魂盗手の性質と防御呪文を答えてみろ」


「はい、術式を書かれた手で魂を奪い取ります、結界をも貫通するので式消しを正確に術式に当てなければいけません」


「それだけか、私は性質を答えろと言ったはずだが?まぁいいお前はそんなものだろう魂盗手は少し扱いずらい呪術だ手に力を宿し強い術者の術式ならば式消しでも消せないことがある、特にこれを好んで使う人鬼達は手に入れ墨や焼き印など消すことのできない方法で刻んでいることがあり式消しをぶつけても消えないことがある、こうなった場合には、失神呪文などで術者を倒すしかない、ちなみに人鬼というものがわかるやつも少なかろう、人鬼は魂盗手で盗んだ魂を喰らった人間がなる鬼だ、人を殺すだけでも罪深いというのにそれの魂を喰らう者はもう人ではないということだ、ここまで説明してほしいものだね、神童コンビと呼ばれる片割れというからには勉強も頑張っていただきたいものだ」


はぁとため息をついて呆れたとように千珠は言った。

それを聞いて純血派の豹炎の周りに集まっている生徒がくすくす笑う

千李は恥ずかしくてぎゅっと拳を握る、なぜこんなに恥ずかしめを受けなければならないのか

全く納得いかない


「まぁいい、そんなものだろうな、お前は、では次、沢影姫、魂喰の性質、防御呪文を答えろ」


「・・・・はい、魂喰はその名の通り魂を食い殺す術というよりも呪いです、この呪いを刻まれた者は時間経過と共に徐々に呪いに魂を食いつぶされます、この呪いは術式を直接魂に刻むため避ける手立てもありません、消すには術者が術を解くしかありませんし術者の消失も関係なく消滅していくといわれる忌み嫌われている呪いです、魂を食いつぶされるので奇跡の蘇りの術も蘇生術も対応していない、魂を食われるので来世への輪廻転生さえ望めないと言う呪いですので3つの死の呪文の中でも一番危険と言われています」


「ふん、いいだろう、さすがは金帯のようだな」


そう言うと千珠は黒板に向かう


「今聞いたように魂喰は3つの呪文の中でも危険なものだ、まぁ蘇りの術を使えるのも神獣である麒麟様と白澤様、人間では現校長と桜家当主しか使えないといわれているほど難しい呪文だ、死にかけの人間に使う蘇生術はできるやつもいるが、そうだな完全蘇生のできるのは生徒では朱軸永禮とフェントンと鷺脈羅くらいだったな、それほど難しい呪文だがお前たちにも教える事になる、それまでに虫でも捕まえて予習と練習でもしていくことだな、

そのくらいはしないと使えない呪文だ、

そして後学のために教えてやろう俺は魂喰に蘇生術を試したことがあるが、魂喰の術は使った式消しや蘇生術の呪文式をも食った。魂盗手で取り出そうともしたが、その術式さえ食われ、俺の手には今も火傷跡がある」


そう言って手袋を脱いで見せた千珠の右手は黒く爛れた跡があった。


「魂に直接刻まれている術式だから式消しが使えないとういことはない、うまく調節すれば使えるだろうが魂喰は神華、魂、すべてのエネルギーを吸収して消える、そう考えるといい」


美羽が手を挙げる


「なんだ須舘」


「先生はなぜそんな場面に出くわしたんですか?」


「俺は先の大戦の最中にいた、そして魂喰の術にかかった人間に遭遇したそれだけだ」


「じゃぁ先生は戦士たちだったんですか?」


美羽の言葉に千珠は鼻で笑った。


「あぁ戦士たちだったさ」


おおおっと生徒から声が上がる


「私は虹の女帝の戦士だったがな」


その言葉に美羽と千李は椅子をけって立ち上がった

そしてちょうどチャイムが鳴ったのだった。



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