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3/3

お兄ちゃん



私のお気に入りは、カ‐ルです。

書いていて楽しいです。


「ただいまー」

 だだだっけたたましく階段を降りる音が聞こえる。

「あやなー。おにいちゃん、心配で心配で今捜索願だそうと思ったよ。なんで、こんなに遅いのあまりお兄ちゃんを、心配させないで。」

まくし立てる我が兄、名前は、結衣都と申します。


「結衣兄の心配症、いつもより30分遅いだけじゃない。彩名は、もう16歳なの。」


結衣兄が、ぺたんと座った音がした。

私は、毎日の日課である結衣兄の顔を、触った。

「結衣兄、情けない顔をしてるでしょ。イケメンさんが台無しだよ。毎日触っていると分かるんだから。」



結衣兄は、私が顔を触るときは、必ず目を閉じる。

小さい頃の、記憶では、結衣兄は、女の子のような綺麗な顔をしていたのだ。




結衣兄は、必ず私の無事を確かめるように抱きしめる。


「おかえり。」


その間、カールは、玄関先で待っている。

今、気づいたかのように、結衣兄は、カールに声をかけた。


「カール、今日もありがとうな。」

結衣兄は、カールのハーネスを体から外した。

カールは、うーんと伸びをした。



「カール、後でブッラッシングしてあげるから先に

彩名の部屋に行っていろ。」


「ワン」カールは,二階への階段を上がっていった。






「さてお姫様、お手をどうぞ。」

結衣兄は、私の手を取り、リイビングまで連れて行こうとする。




「結衣兄、家の中まで介助しなくていいの。

お母さんからも、言われているでしょ。

何でも一人でさせなさいって、」




「彩名のケチ。お兄ちゃんの楽しみ奪わないでくれよ。」


この馬鹿兄貴、この間なんかお風呂まで入ってきて

体洗ってやるなんていうんだから、もちろんお湯かけて追い出したけどね。




 こんな兄でも、高校で生徒会長なんてしている。

 歳は私のひとつ上17歳。

 結衣兄が、心配症なのは、理由があるんだ。



小学1年の夏休み二人で川に遊びに行って私が、溺れた事,近くで釣りをしていた、小父さんが助けてくれたんだけど、その夜高熱を出して熱が、下がったときには、目が見えなかったの。


始めは、悲しくて泣いてばかりいたけど、目が見えなくなって人の温かさをたくさん感じることができたし

別に私は、気にしてないんだけどね。

毎日、結衣兄の顔を触るのは、私のことで罪悪感を、

感じてないか、確認するため。





 結衣兄・・笑って


   結衣兄、彩名は、もう大丈夫だよ。

      



「彩名、楽しそうだね。なんかあったか?」

私は、結衣兄が入れてくれたココアを飲みながら、



「うん、友達できたの、晃って言うの。」



結衣兄は、飲みかけのコーヒをブッと噴出した。

「結衣兄、汚い。」私がタオルを渡すと、

「男か?嫌、晃という女の子かも・・・

  あのカールが、彩名に男を近づかせるわけがな   いしな。」


結衣兄は、ブツブツ言いながら自己完結してしまった。   


 「カールともなかよしだよ。晃、180越えの    女の子が居たら逆に怖いよ。」

 


  「彩名に男友達・・・・」





 「結衣兄?おーい?」






  「後で、カールに説教しなくては・・」     結衣兄は一人でうわ言のようにしゃべっている。

  




 カールは、今頃寝てると思うけど、

   




 カール、げんなりするだろうな?

 結衣兄しつこいし、この間なんてカール相手に、

 3時間以上説教してたし、説教してる間少しでも

 動くと話が伸びるしなんとなく、結衣兄の高校

 生活想像できるよ。





 

 「私、部屋に戻るね。」

 「俺もついて行くよ。」


 「ありがとう。」

 私の手を取ると結衣兄はゆっくり歩いた。

 本当は、一人で階段も上りたいんだけど、この間

 落ちてからちょっと苦手・・・

 



 お母さんに、彩名の部屋を下にしましょう。

 って言われた時も、私が二階の部屋から見える

 景色が好きなの知っているから、断固反対した。

 俺が面倒みるからって、 

 結衣兄には、ほんとに感謝しているんだ。



  結衣兄、大好きだよ。



 

結衣都は、カールの毛並を大きなブラシで整える。



カールは、目を瞑りじっとしている。



「カール何時もありがとうな。俺お前には、本当に感謝しているんだ。お前が来てから彩名本当に嬉しそうだ。」









カールは、ク‐ンと甘えるように鳴くと結衣都の顔を舐めた。



「おい、やめろって」


一人と一匹は、まる

で兄弟のようにじゃれはじめる。



「ところでカール、彩名にできた友達って男じゃないだろうな?」

カールは、気まずそうにうなだれた。



「男なのか?あれほど駆除しろと言ったじゃないか。」



ク‐ンとしょげた。




「でもイイヤツなのか?」



「ワン!」



「そうか、でもカール彩名を頼むぞ」




「ワン!」カールは、嬉しそうに尾をブンブン降る。



会話がなぜか成立する一人と一匹とても不思議な光景だ。










読んでくださりありがとうございます。

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