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10/19

第10章 特訓と楽しさと心苦しさと【新章突入!サーキット特訓と、覚醒の鼓動】

毎日夕方18時に更新しております。

前回、須川先輩へ向けたヒロの宣戦布告?により、リベンジマッチは二週間後に。今回から【サーキット特訓編】が始まります。そして、悩めるヒロに、ついに・・・?

翌日の日曜日。


〇×町駅に宮崎先輩と待ち合わせだ。

改札出口のところに…いた!先輩と目が合った。


私に気付いた先輩が笑顔で手を振ったのは一瞬で、表情はすぐ少し曇ってしまった。


「……汚れても大丈夫な動きやすいカッコとは言ったけど…ジャージ?」


「これ凄く動きやすいんですよ!プー〇のウェアで裾も長すぎず通気性もよいし…この季節にはちょうどいいんですよね!」


七分丈のパンツに上下お揃いのトレーニングウェア。黒基調にピンクのラインが入った私としては用途にバッチリかな?と思ったんだけれども。

「…えーと、マズかったですかね?」


宮崎先輩は、ネイビーのパーカーにジーンズのカジュアルな出で立ち。それに四角いスーツケースのようなバッグを横に転がしていた。

「いや、別に全然大丈夫だよ!でもそうやって見ると関谷さん、なんだかスポーツ少女!って、感じだね ♪」


言われてみるとそうか、と思ったが今更着替えるわけにも行かないし、私たちは早速目的地に向かって出発することとした。


「だいたい歩いて20分ぐらい。今日はなんとか曇ってるから歩いて行きましょうか?」

…梅雨時なのに雨だったらどうするんだろう?と思いつつ、新しい住宅地と田んぼが混在する郊外の小道を宮崎先輩と二人歩き出した。


―――――


「まずは、店舗の方で受付するからね~」

先輩は勝手知ったる場所といった感じで、どうみても私には工場にしか見えない建物にズンズン入っていく。

こんなところが本当に虎の穴的なアレなんだろうか…!?


「店長さん!こ無沙汰してます ♪ 」

先に入った宮崎先輩の声が聞こえてきて私も後を追った。

そこは ―――


「わー……」

それ以上声がでない。

部室の壁のパーツ棚なんてものじゃない。

周囲の壁はもちろん、1メートル程しかない通路を区切るように置かれた什器の棚にもすべて、

どこをみてもパーツ、パーツ、パーツの山!

ところ狭しととにかく部品の小袋が大量に吊り下げられて並んでいた…

これが全部ラジコンのパーツなのか…

これが専門店というやつか!?と驚嘆してしばらく店内を見渡していた。


すると、入り口から数メートルのところにいた男性のお客さんが、チラッと先輩を見て少し会釈!

そのままぐるっと私を一瞬見て…

また手元のパーツに眼を戻したと思ったら、「えっっ!」といった顔で二度見された…

まあ、私にとっては完全なアウェイだ、仕方ない。


「おう、お久しぶり宮崎さん!」

更にお店のカウンターの奥から強面の男性が出てきた。どうやらこの人が店長さんらしい。


「関谷さん、こちらがしばらくわたしを特訓してくれた、ココのサーキットの店長さん!」丁寧にも先輩が私を紹介してくれた。


「…関谷です!よろしくお願いします!」

思わず私も固く挨拶してしまう。まあ、礼儀は大切だ。


「えっと…宮崎さん、こちらの…関谷さんが、勝負するって言ってた人?」

店長さんは私を上から下まで眺めるようにしながら質問。そんなことまで聞いてるのか。


「違いますよ~関谷さんは、可愛い後輩で、強力な助っ人です!!!」

そうだったのか!とそれを聞いて驚く私。


「そ、そうなんだ…それで、勝負の方は結果どうなったの!?勝ったの?負けたの?」

店長さんも気にしていたらしい。


「あ~~…それは…まあ、」

先輩が言いにくそうに口を濁した。ので、思わず私が口を挟んだ。


「ドローです!!!!!!相手の反則と天候不順で勝負はドローで、決着は延期になったんです!」

何が反則かはよく自分でも分からないが勢いでそう説明した。


「――― そうなんです。それで特訓も延長再開しようと思って。またお世話になりますね店長さん!」


「そういうことならウチは全然大歓迎だよ!」

どことなく嬉しそうな店長さん。まるで娘を見る父親のようだな?と私は思った。

本当の父親よりも全然年上に見えるのだけれども。



―――――


「わーー…」

またしても私はそれ以上の声がすぐには出なかった。


広い!そしてキレイ!

鮮やかな青いカーペット敷のサーキット!

そしてその上をものすごいスピードで走り回っているラジコン!

凄い…これがラジコン専門のサーキットか…


「関谷さん、わたしたちは…コッチだよ!」

呆気にとられていた私を宮崎先輩がが現実に戻した。

その広くキレイな本コースの隣に、⅓ぐらいの大きさの、舗装されたサブコースがソコにはあった。


「カーペットとアスファルトでは全然セッティングやタイヤが変わるからね~」


カーペットのキレイさとその走りのスピードの速さに凄くそそられたが、今のところは確かにそんな場合じゃない。

おとなしく先輩についていった。



「で、店長さん。お忙しいところ悪いんですけど、まず関谷さんのマシンを見てもらえます?まだ組んだばっかりで今日がシェイクダウンなの…」


「どれどれ…!? 06Rか!またレアな車だねえ…」

店長さんは嬉しそうに楽しそうに私が組んだ子をチェックしてくれていた。


なにか棒のようなものを車の下に入れたり、タイヤに定規のようなものを当てたりと、私にはなにかよく分からないが色々と確認してくれているようだ。


「コレ…初めて関谷さんが組んだって本当?」

店長さんに、う~んと唸りながら質問された。

私は、同好会の先輩たちに協力してもらって作ったことを説明した。


「06はリバウンドストッパーがないから車高とリバウンドを適正に作るのがポイントなんだけど……良くできてる!サスの動きもスムースだし…ステア周りもOK!とりあえず問題なさそうだね」

「走りにくい車で練習するのは大変だし上達も遅れるから。ココまで指示してくれるなんて…良い先輩たちだね!!!」


「そうなんです!いい先輩なんです!

…そして、勝たないといけない先輩なんです!」

よしっ!やるぞ!と気合いも新たに。


私は新車をようやく動かせるのと初めてのサーキット走行に凄くワクワクしていた。

はじめてのマイカー……


早速私は車をコースの中に置き、1メートルほどの操縦台の上にピョンっと飛び乗った。



――――――

――――――


このサーキットを作ってから早7年。店長はしみじみと眼前の光景を眺めていた。

基本、男性が98%以上の世界だが、こうやって女子高生が二人並んでいるとやはりこの場が少し明るくなったような気がする。


ちょっとサーキット通いを始めては居なくなってしまう人も多い中、宮崎さんが戻ってきてくれたのは少し嬉しかった。

更にもう1人ご新規様を連れて!


「…そういえば、あの娘、関谷さんはラジコン始めてどれくらい経つの?」

ふと、サブコース脇にて隣にいる宮崎さんに聞いてみた。


「GWの連休明けたぐらいから、って言ってたから…1ヶ月ぐらい?」


「1ヶ月!!!?」


操縦台の上からは楽しそうな声が聞こえてくる。


「せんぱーい!凄い!ココのアスファルト、スゴくギュッと曲がって滑らないよー!」


パーーンっ! わーっ!


フェンスの高らかな音と悲鳴にも似た実に楽しそうな声。


やれやれ、どうやら忙しくなりそうだ…

しかしこれが一番楽しいときでもある。


店長はそう思いながら腰を上げた。



――――――

――――――


特訓1日目 日曜日


FFとRRの差に慣れるのに、ひと騒動。

特に曲がり始めと立ち上がりの感覚が全然違う!

今までよりプロポ操作が忙しくなった感じ!?

でも楽しーい!!!



2日目 火曜日


平日でも、授業が早めに終わる日はふたりで練習に来ることにした。

3時間パック料金がお財布にちょっとだけでも優しい。


「そういえば、2人がかりで須川さんに勝負!って言ってたけど関谷さん、なにか考えがあるの?」

宮崎先輩から素朴な疑問が。いつか聞かれるかとは思っていたのだけれども、聞かれるのが想定よりも早かった。


「実は…」


「実は?」

じっとこちらを見つめる先輩。


「特に考えてないんです!」


えっ!?という顔で固まる先輩。


「まあ、強いて言えば、私のマシンがM06で須川先輩と同じ車じゃないですか。だから私が仮想 須川先輩として一緒に練習すれば、宮崎先輩の、対06対策になるかな?とは思ってるんですけど…」


「…それにはもう少し関谷さんが上達しなきゃだね…」正直に顔を曇らせる先輩。


そうなのだ。だからもう少し後日に聞いて欲しかった。流石にまだ早すぎる。


でも今日でだいぶスムースに周回できるようになってきた!

…一台で走るなら、だけど。



3日目 水曜日


振り続ける小雨。

〇×町駅に着いたけど、当然こっちも雨が降っている。


先に着いていた宮崎先輩は……

傘にレインコートだ!本気だ。

いつものラジコンが入っているコロ付きのバッグにもビニールカバーが掛けられている。

私がラジコンを入れているスポーツバッグはビニール系だからまあ大丈夫だと思うけど。


「さて!行きますか!」

宮崎先輩は今日も元気だ。


「…タクシー、なんてやっぱり使わないですよね」


「関谷さん、そんなにお金持ちなの?」

と宮崎先輩は悪戯っぽく微笑んだ。


「いえ、行きましょう!」

正直な話、サーキットの走行代金だけでも立て続けだと結構私のお小遣いでは厳しい。

まあ二人で歩けば、20分なんてすぐの距離だ。


……


むしろ帰りの方が気が重かった。まだ雨降ってるし…

行きはよいよい帰りは怖い…



4日目 土曜日


授業は午前中で終わるので、いつもより時間がある!

…しかし半日料金はないのか。残念。


「関谷さんは、一人ならまあまあ走れるようになってきたけど、後ろに付かれるのが苦手だねえ…」

店長さんが、自分のM08を出して一緒に練習してくれていた。


「うー、そうですねえ……」

なんとなく、後ろにピッタリ付かれると、どうしても後ろの車に目が行ってしまう。

そしてパイロン踏んだりぶつけたりして、自滅。

「後を追う方ならまだよいんですけどねえ…」


むしろ店長さんにさくっと抜いてもらい、後をぴったりと付いていく。こっちの方が何故か私にとっては走りやすい。


「そうそう!そういえば関谷さん、チキチキ遊びの時も後追いの方が楽しそうだったもんね!――― というか、明らかに今、追ってるときの方が速くない!!!?」

宮崎先輩が不思議なことを言い出した。


今は、店長さん~私~宮崎先輩の順で一列になって走っていた。


「……店長さん、もうちょっとペース上げてみて?」

「もっと!?はいよ~~」


キュイーン ―――


とたんに、シャープになる走り。コーナーを曲がるたびに、置いていかれそうになる。


あわわっ 速いっっっ

その時 ―――


キンっ、と乾いた音が耳の奥で鳴った気がした。


スイスイと走りゆく店長さんの黄色いM08。その後ろに、船の軌跡のように、黄色いラインが見えた気がした 。

かつて、視えない味方の位置や敵の走りがピッチの上で脳裏に浮かんで視えていた、あのサッカーの時の感覚を思い出す―――

このラインに身を置けば……


一瞬重なる私のM06。


この流れにのれる!?!?

蛍光オレンジのM06がペースを上げて曲がっていく―――


と、思ったのも一瞬で。オーバースピード!すぐにそのラインを外れて膨らんでしまった…危うく木のフェンスに当たりそうに。危ない危ない。


「一瞬付いて来れそうかと思っておじさんビックリしちゃったよ~」

「…店長さん、その言い方がスゴくおじさんっぽいですよ…」

宮崎先輩に言われて少し肩を落とす店長さん。


「でも、今なんかイイ感じだったので!もうちょっと続けてもらって良いですか?」

「はいよ~」


なにか見えたような気がして ―――



――― 上手くいかない。しょんぼり。


店長さんの走りの後ろに光明が見えた気がしたが、そのラインが見えた気がしても、のれない。そこに自分を置けない。

宮崎先輩に先行してもらい付いて行ってみたりもしたが同じだった。


そして私が前に出るとやはりミスが多く。う~ん、どうしたものか。



5日目 日曜日


気合を入れて朝から1日パック料金を支払い、特訓だ!!!


が、気分転換に、しばらく宮崎先輩と店長さんの2人の走りを見学。


先輩が先行で店長さんが後ろからプレッシャーをかけ続ける練習。おそらく須川先輩との戦いも、こうなるであろう。


それにしてもあらてめて見ると、実に宮崎先輩はキレイな走りをしている。

出来るだけコーナーで減速しないようにスムースにコーナーをつなぐ。まるで一周走った走行ラインが一本の線で繋がっているかのように周回を重ねている。


おそらく、店長さんはもっとすごい。

コースの色々なコーナーやタイミングで、宮崎先輩のM07を追い抜こうと斜め後ろからM08の顔をのぞかせる。(真後ろだとブツかってしまうので追い抜く時のセオリーの位置取りなのだそうだ)

そのため、先輩のライン取りよりも遠回りをしてるはずなのにぴったりと余裕をもってついて行っているように見える…


「宮崎さんはかなりブロックして走るのが上手くなったね~」

店長さんの声が遠くに聞こえてくる。

「いえ、まだまだですよ~」

楽しそうに二人で走っている。


う~ん、私はどうしたものか。

午前中は、一人で走って反復練習的にしばらく走り続けた。

なんと走行タイムも計測できる!!!とのことで、ぽんだーという小さな赤い部品をレンタルして走ってみた。

自分の走行タイムが出るなんて凄い!楽しい!


と思ったのもつかの間、やはり現実問題に突き当たる。宮崎先輩との比較で、一周10数秒なのに1秒弱遅い。そしてミスも多い。たった10周まわるだけでも凄い差になってしまう…


私は難しい顔で、タイムが表示されたモニターを見ていたのかもしれない。


「…気になるのはわかるけど、今は一周のタイムを気にするより、確実にラインに置きに行くことを意識したほうが良いと思うよ。」

モニターを見つめていた私の後ろから、店長さんが声をかけてくれた。


「ラインに置きに行く、ですか?」


「レースになれば、いくら一周のタイムだけが速くても、ひとつミスすればそれで台無しになってしまう。とにかくレースの時間中、集中してその決めたライン上に自分の車を置きに行くように走るんだよ。そうすれば、大きなミスがなくなるし、トータルでタイムが上がっていく。タイムを気にするのは、本当はそれができてからのほうが良いんだよ。」


「そうなんですか……難しいですね。」

その時は本当に私は難しい顔をしてしまっていたのだろう。


「それでも、一番大事なことは、やっぱりラジコンを楽しむことだね!楽しくなかったらなかなか続かないし上達も遅いから。関谷さんも、笑顔笑顔。表情が硬すぎるよ~」

「店長さん、かわいい後輩に向かってなにセクハラしてるんですか?」

宮崎先輩がさらにその後ろからジト目で口を挟んできた。


「そんなことしてないよ~。わしは重要なアドバイスをだねえ―――」


ラジコンを楽しむ…か。私は最近楽しんでなかったのだろうか?

そんなことはない、と思うのだけれども。



6日目 火曜日


またも雨。まあこの季節は仕方ない。

しかも練習の時間も短い。3時間。


店長さんにアドバイスされたことを考えながら走っていたらあっという間に時間がたってしまった。


そして帰り道も雨。傘をさしながら先輩と二人で駅まで歩く。


「関谷さん、本当にありがとうね。わたしにこんなに付き合ってくれて……」

道すがら、宮崎先輩がぽつりっと話し出した。


「いえ、全然そんなこと無いですよ。私のほうこそ全然上達もしないし先輩の練習相手にもなれてないし、特訓の言い出しっぺなのにスミマセン。」

反射的に謝ってしまった。でも本当にそうだ、と思った。


「そんなことないよ。はじめて朝見た時に比べたら、全然速くなったよ関谷さん。」

「そんな時と比べたらそりゃそうですよ。全然褒めてませんよ先輩ソレ。」


先輩は隣でクスクス笑っている。


「―――今日だってこんな雨だったし。わたしは、あの皆が真剣にラジコンしてるサーキットで走って、遊べて、凄く充実してて楽しい日々なんだ…大袈裟だけど、学校の授業中なんかと比べて、わたし今、生きてるな!って感じがしない?」

「まあ授業中と比べたら何でもそうかもですね~」


思わず笑いながらそう返事したけど、確かに最近は放課後が待ち遠しい、と思いながら授業を受けている気もする。


「だから、本当に関谷さんには感謝だよ。ありがとうね!」

「いえいえそんな…」

そうまっすぐに言われると照れてしまう。雨で肌寒いのに顔だけ暑い。


「…関谷さんは、楽しい?今。なんか今日ず~~っと、難しい顔してたから。」

「……顔はもともと、こんなです。」

「そういえばそっか♪」

「先輩…それはヒドイですよ…」


駅に着いた。先輩とはここでお別れ。

「じゃあ、またね!」



7日目 水曜日


のはずが…土砂降りの大雨。


ピロンッ 

宮崎先輩「流石に今日は辞めましょう」

「そうですね。分かりました」返信


むぅー、時間がないのに。気だけが焦る。


木・金も雨は降り続けた。まあ授業が長いからもともとサーキットまで行く時間ないんだけど。



8日目 土曜日


悩みながら走っていた私に転機が訪れたのは夕方。


「昔使ってたM06、引っ張り出してきたよ~~~」

サーキットの常連さんが、M06を持ってきてくれたのがきっかけ。

宮崎先輩の、仮想須川先輩との対決練習用には同じM06が良かろうとわざわざ倉庫から出してきてくれたらしい。

しかし倉庫って言ってたけどまさかラジコン用の倉庫を持ってるんだろうか…


早速宮崎先輩と、常連さんM06が走り始めたので、私も後を追って走らせ始めた。


常連さんも、常連さんだけあってとっても速い。早速宮崎先輩を追いまわしている。

私は付いていけないか……



……?走りやすい?

ノーミスでそのまま周回を重ねる。


キンっ、と乾いた音が耳の奥で鳴った気がした。


常連さんのグリーンのM06の後ろに軌跡のように、緑に光るラインが見える ―――

そして店長さんの言葉を思い出す

――― 集中して、ライン上に置きに行く ―――


このラインに私は…


…乗れる!!!?

ラインに重なって走り続ける私のM06!

店長さんのラインには乗れなかったのに???


まさに水を得た魚のように、グリーンのM06をトレースするかのようにスムースにぴったりと付いていける!?


そのまま、1周、2周……グリーンのM06との距離は離れない


「あれ?関谷さん!?」

異変に気付いたのは宮崎先輩。


その声に、ハッっっ、と我に返った瞬間、パイロンに乗り上げてスピンしてしまったオレンジのM06。


「今なんか、凄く速くなかった関谷さん!!!」

操縦台の隣から興奮した声をかけてくれる先輩。


今のは……!?

私は、プロポを握る、微かに震えている両手と、止まっているM06を交互に見つめていた。

第10章をお読みいただきありがとうございました。ヒロの空間認識能力による覚醒の回でした。明日も18時に第11章更新します!どうぞよろしくお願いいたします。

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