第二十四話
私たちは、火山エリアにある街、《ファイア・スプリング》を出発した。ロマンチックだったことを忘れるぐらいに暑い。
前衛で戦っていてくれているおにおんぐらたんさんに回復魔法をかけつつ進んで行く。するとやっとバフの防御魔法を覚えたようだ。自分と見た目が牛男のおにおんぐらたんさんに、バフをかけるようにした。まあまだ最初のエリアを遭難しているだけだから、敵はそんなに強くはないけど。
しかし、パーティに貢献したいという気持ちと、自分が紙防御力なためにバフをかけていた。
しばらく進むと、港町に辿り着いた。
早速、街中を見て進む。そこそこ大きな街ではあるが、スタート地点の街ほどではない。
桟橋から海を見渡すと、海カモメが飛んでいる。そして、地図を見た。
「ここから先が海底エリアみたいですね」
「……なるほど。どうやって進むのですか?」
私は辺りを見渡した。ガレオン船が停泊しているのが目についた。
「ガレオン船がありますね。あれで海底エリアを超えられるかもしれません」
牛男が顎に手をやり考え込んでいる。
「海エリアではなく、海底エリアというのですか?」
そう言われて私もはっとした。海の底に何かあるのか? とりあえず、NPCに聞き込みをしてみることにした。
すると少しわかったことがある。海の底に街が点々とあるようだ。その海の底にある街に行くには、ガレオン船に乗って行き、島で途中下船するとのこと。そして、島にある洞窟から繋がっている通路を通って街に行くらしい。そのことを私と牛男の二人で話していると、牛男が目を輝かせた。
(海底の街に行きたそう……)
「じゃ、じゃあ海底の街も見ていきましょうか」
「そうですね! いや~楽しみだ!」
私も海底にある街がどうなっているのかは気になる。行けそうなら行くことにした。
ガレオン船に向かい、乗船賃を払って乗り込む。オープンデッキにベンチがあるので座る。出港までまだ時間があるので、海を眺めながら二人で雑談をした。
乗客は少なめである。私たちが遭難していたせいで他のプレイヤーはもっと進んでいるのだろうか? それとも私達みたいにスタート地点でもたついているのだろうか? 他の人の進み具合が気になるが、それを気にしても仕方がないので、牛男とのクルージングを楽しむことにした。
やがて船が出発した。幸いなことに船はセーフティエリアの為、敵が現れないのでのんびりとした船旅である。だが、それによって困ることもある。
「……暇ですね」
「そうですね」
ゲーム内通貨のメルをケチらずに、飛行艇で行くべきだったか? などと考えるが今更である。のんびりと海底の街を目指すことにした。




