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孤児院の英雄  作者: 夜猫
33/34

召喚3

俺は魔法陣に向かおうとすると近くでロレスが詠唱を終えたところだった。


「………。」


やはりと言うべきか、幼い頃から以外に可愛い物好きだったロレスの元には小さな龍が一生懸命羽ばたいていた。


「何この子!?可愛いーー!」


ロレスは召喚された幼龍にしがみついていた。


「じゃあ俺もやりますかね。」


ようやく魔法陣の中心までくると頭の中に呪文が浮かんでくる。が、浮かんだ呪文はこれでいいのだろうか?と思うほど物騒な呪文であった。


「………。」

「早く唱えなさい。」


先生が声をかけてくる。

仕方ない。これしか浮かばないのだから唱える他無いのだろう。


「我の呼声に応えよ


その名は呼ばれず

知る由もなし

咎人の罪を

失墜の羽撃きを

響き渡る轟音に任せよ

この身を復讐の業火で灼き尽くせ」


唱え終わると他の人とは違う黒い光が生み出され、目の前が黒く染る。


一瞬その黒い光の中に1つの扉が見えたが直ぐに無くなってしまう。


「さて、君は誰なんだろう?」

「………。」


召喚したモノは黒いローブを着て、顔が見えなかった。

ただその担いでいる武器は所謂、鎌と呼ばれる物だろう。

そう、形容するなら『死神』と言うのが正解だ。


「そうだな、呪文にもあった通り俺には名前が存在しないんだ。」


黒いローブの『死神』はどうやら声から男だと推測できた。


「だから、好きに呼んでくれたらいいさ。」


そう言うとフードをとる。

黒い髪に赤い眼、20歳ぐらいだろうか?若い男性だった。


「そうか。じゃあ……アークってのはどうだ?」


男性は酷く驚くと突然笑いだした。


「あはははは!……いや、済まない。なんでその名前か聞いてもいいかな?」

「いや、お前の黒は『何でもなさそうに見える』からな。だからだ。」

「そっかそっか!……俺はお前さんが気に入った!名前は?」

「ノワールだ。」

「よろしくなノワール。」


アークはそれだけ言うと消えてしまった。


「何なのでしょうね。アークは。」


レインが近寄って、あからさまに警戒をしていた。


「さぁな。でも俺の従魔だ。レインの悪魔よりはいいんじゃないか?」

「まぁ、それは否めないけど……不気味だったよ?」

「それは同意する。」


レインと俺は笑っているとロレスが幼龍を連れてこっちに来た。


「召喚おめでとうございます。流石は院長先生ですね。レインも流石です。」

「院長先生は辞めてくれ、ノワールでいい。」

「……ではノワールと。」


俺は頷くとレインがロレスの見てない隙をついて幼龍を撫でていた。


「可愛いねー!よしよし。」

「キュー。」

「ワシのポジションが……。」


どうやらタモが肩を落としているが気にしないことにする。


「私もあのアークとか言う人?は知らないです。ノワールが召喚したのですから英雄クラスではあると思いますが……あれだけ不気味な英雄と言うのも……。」

「何何?俺の事?」


突然後ろで声がしたと思ったので振り返るとアークがいた。


「あはは、もともと影が薄いのだけが取り柄でね。」

「……貴方、本当に気配が無いのね。」


ロレスもレインも気が付かなかったようだ。

俺は仮にも従魔なので気がついていたが。


「ああ、俺が何者か……ねぇ。そうだなー。」


アークは顎に手をやって悩む。


「俺はそうだな。所謂、『名前のない英雄』とも言うべきなんだろうけど……。俺としては『名前のない犯罪者』と呼ばれる方が合ってる気がするんだよなぁ。」

「え、『犯罪者』?」

「そう、『犯罪者』だ。」


ニッコリとアークは笑うと手を広げて語りだした。

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