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孤児院の英雄  作者: 夜猫
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ノワールvsロレス

私は昔孤児院にいた。

院長先生に引き取られて役に立つために武器の扱いも頑張っていた。


でもある日院長先生がいなくなった。


でも院長先生が強いことは重々承知していた。

院長先生ならば迷宮の1つや2つ簡単に攻略出来るとも思っていた。


それ故に絶対に院長先生は生きていると思っていた。

それがさっきの試合で明らかとなった。


あのレインとか言う戦闘狂の構え方、重心に至るまで『私と瓜二つだった』のだ。


次が最後の試合だ。

ここで勝たなければ……。


「さぁ、行こう。」




「最終試合です!赤コーナーは《英雄の弟子》ことロレス!」


ロレスが会場に入るなり歓声が轟く。


「青コーナーはレイン選手同様に謎が多い!ノワール!」


俺は少しゆっくりと会場に入っていく。

会場の熱気が顔に当たって弾けていく。


「やぁ、ロレスさん?どうした?そんな顔して。」

「貴方は……いえ……いいえ、そんなはずありません。」

「じゃあ……可愛い弟子の頼みを聞き入れてやるとしますかね。」


俺は伸びをすると何もせずに立った。


「どうしたの?剣は抜かなくていいの?」

「ああ、大丈夫だろ?そんな俺は『弱くない』。」


ロレスの顔に少しだけだが、曇が見える。


「そう、ならいいわ。」


「試合開始!」


審判の掛け声がすると同時にロレスが距離を詰めてくる。


「はぁ……こりゃ、レインが失望する訳だ。」


距離を詰めてきたロレスに対してノワールは何もせずにいた。


「くっ、!!」


どうやら無抵抗の人を攻撃する事に慣れていないらしい。

慣れられても困るというのが本音だが……やりそうなヤツが弟子に1人いるのが辛いところだ。


「っ!!」


ロレスは少し戸惑いながらも剣を振ってくる。

が、そんなモノが当たるほどノワールも衰えてもいなかった。

ロレスが6回ほどノワールに避けられた所でロレスが距離をとる。


「舐めてるの?」

「なぜそう思う?」

「攻撃してこないから。」

「………そっか。」


ノワールはそれだけ言うと手のひらをロレスに向ける。


「言ってたはずなんだがなぁ。俺は剣士じゃない。『魔法士だ。』って。」

「何を言ってーー。」

「《アイスアロー》」


会話の途中でロレスに魔法を放つ。

だがそんな単発の攻撃に当たるほどロレスも弱くもなかった。

少しだけノワールもロレスを見直す。


「じゃあ次、《アイスアロー》多重起動。」


それだけ言うとノワールの周りに魔法が展開されていく。

その数は10程に及んでいた。


「………その魔法。やっぱり……。」

「ほら、いくぞ。」


手を振ると《アイスアロー》がロレスに向かって飛んでいく。


「くっ、」


なんとか避け終わり、ノワールを見ると絶望が広がっていた。


「ほら、次は倍の数だ。このぐらいまでは避けれるだろ。」


またノワールが手を振る。

今度はロレスも体捌きだけでは無く、剣も使いながら避けていく。


「まぁ、流石にな。じゃあ次は一気に飛んで50だ。頑張れ。」


ノワールが手を振ると容赦無く《アイスアロー》が飛んでくる。


「これはっ!ちょっ!」


ロレスも被弾してきた様だ。


「うーん、流石に魔力が持たないな。じゃあ次は剣で相手してやろうか。」


ノワールの持っているスキルはあくまで《魔法威力上昇》と《契約》だけだ。

ロレスがやっているような一瞬で相手との距離を詰めるようなスキルはノワールには無い。


が、やりようはあった。


「えっ……っ!!!」


ノワールはロレスとの距離を一瞬で詰めると剣を上から振る。

ロレスは剣で受け止めようとするが来るはず衝撃が来なかった。


「下だ。」


ノワールはそれだけ言うと剣を振るった。

下から来た剣にロレスが反応出来るわけでも無く顎を撃ち抜かれる。


「がっ……。」


ロレスを上に打ち上げるとノワールは回転してローキックを腹に打ち込む。


「これが所謂、『差』と言うものだな。」


脳震盪を起こし、上下が反転し、立つことも出来ないロレスは審判に試合継続不可能と思われた様だった。


「試合終了!優勝はノワール選手!」


歓声が聞こえてくるが答えること無く退場していく。


控え室まで戻るとレインがいた。


「少し手を抜いていたでしょ?」

「ああ、手を抜いていたな。分かったのか?」

「そりゃね、元々ノワールって魔力量が少ないんじゃなかったっけ?それなのに魔法をあんなに打つなんて……そう捉えられてもしょうがないじゃない?」

「あはは!そうか!その推理は正しいな!」

「後、ノワールって『剣士』じゃ無いのよね?」

「ああ、そうだな。」

「私が思うに『魔法士』でも無いと思うんだけど……。」


ノワールはにやりと笑う。


「そうだな。俺は『魔法士』では無いな。」

「じゃあ何?」

「今は唯の『受験生』だな。」


レインにウインクするが気に入らなかったらしい。


「………。」

「そんなに怒るなって。そうだなぁ。でも俺は『魔法を使う職業』ではあったぞ?冒険者時代から魔法は頻繁に使ってた。」

「そう。……いつか話してくれる事を願うね。」

「ああ、そうしてくれ。」


ノワールとレインは笑い合いながら控え室を去っていった。

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