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孤児院の英雄  作者: 夜猫
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ペットショップ

「ノワール、スキルどうだった?」

「うーん、よくわかんなかった。」


レインは首を傾げる。


「よくわかんなかったって……詳細見たんじゃないの?」

「見たけどわからなかったんだ。」


実際、《契約》の詳細を見て分かったことは3つ。


1つ目は2人にしか《契約》が結べない。

2つ目は結ぶと何かしらの恩恵がある。

3つ目は人じゃなくてもいい。


これだけだ。

これを踏まえてレインに説明する。


「へー、そんなスキルもあるんだね。」

「ああ、俺も初めて見たな。」


このスキルは何かの例外か何かなのだろうか?

またあの神様が何かしたのだろうか?


「あ!私もスキルを貰えたんだ。」

「どんなスキルだった?」


軽い感じで聞いてみる。


「うん、《バーサック》ってスキルだった。」

「………そっか。何か不吉な感じがするのは間違いじゃないのかね?」

「うん……私もそう思う。」


明後日には学校の入学試験がある。

明日はどうするかな。

と考えながらノワールは帰路に着いた。



ノワールは朝起きると横を見る。

いつも通りレインが眠っていた。


「おい、起きろ。」

「………うーん。」


レインは起きると目を擦りながらノワールに聞いてくる。


「今日は何するの?」

「考えたんだが今日は俺とレインの力の差を分からせようと思ってな。」


俺はニヤリと笑う。


「………そんな事今更じゃない?」

「そんなことないぞ?俺はまだ手加減してるからな。」

「……うそ?あれで手加減?」

「当たり前だ。ただし誇ってもいい事だ。少し前の教え子には上手く手加減していたからな。」

「………」

「じゃあ始めようか。」


ノワールは立ち上がると木の枝を手に取る。


「剣じゃないの?」

「剣だと振り切れないだろうが。」

「…………」


この時にはもうレインは覚悟していた。と思う。

ただそれが浅はかな考えだったと自覚するのは後の話。


「さて、じゃあ構えろよ。」


レインはこれまでの経験から最も構えやすいどこでも守れる場所に剣を構える。


「これから俺が『1回だけ』振る。それを防いでみろ。防がれたら俺が教えることはもう殆どない。」

「やけに自信満々だね?」

「あったり前だ。防がれた事など1回も無いからな。」


俺はニコーと笑った。


「じゃあ振るよ。」


私は確かに見た。

ゆっくりと振り上げられる木の枝を。

それが振られる瞬間を。

確かに見たはずなのに、記憶になかった。

まるでその瞬間だけ『時間がなかった』かの様に。


「さてさて、やっぱり無理だったか。まぁ、無理もないかな。」


ノワールが振った木の枝は見事にレインの頭に命中し意識を飛ばした。


「でも、まぁ、あの子よりは強いかな?どうだろう?」


にやにやしながらノワールはレインが起きるのを待っていた。




「……うーん。……はっ!」


ようやくレインが気絶から回復した。


「お!ようやく起きたか。じゃあちょっと買い物に付き合えよ。」

「なんで私が…」

「俺に負けただろ?敗者は勝者の言うことをーー」

「はいはい、聞きますよ。」


表通りに出るとノワールはフラフラと辺りを見渡しながら道を進む。


「さっきから何見てるの?」

「ちょっと捜し物を……ね。」

「捜し物?」


レインは首を傾げる。

やがてノワールは1件の店に入った。


「ここ、ペットショップだよ?」

「うん、知ってる。」


ノワールは奥まで行き、店員に話しかける。


「ここの店長って誰だかわかりますか?」

「えっと……こちらにいます。」


店員が更に奥に進むと中年のおじさんがいた。


「はい。ありがとうね。」

「いえ、また用があったら呼んでください。」


店長の前までノワールは行く。


「ねぇ、店長サン?ここに売れない様な、変わり種の動物っているかい?」

「………何のために?」

「ここはペットショップだよね?だったら目的は1つじゃないの?」

「………わかった。」


店長はノワールに来いと合図を送る。


「本当は嫌だけどここは一人で行ってくるよ。そこら辺の動物を見て癒されておいて。」

「………はーい。」


ノワールが一人で活動出来るのは制約がある。

まず、仲間が近くにいると分かっている時。

仲間が同じ空間にいると分かっている時。


それだけの間しか基本的には一人で行動出来ない。


「ここだ。」

「へー、これはまた……」


そこはまるで人外の溜まり場の用で、嫌気がさした。

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