第85話 電気と映画・前編
朝食の席でパピーに尋ねる。
「ねぇ、パピー。この星に電気を導入しようとするのは、難しい?」
「誰に言っているのよ、できないわけないじゃない」
「ホント、でも核分裂とかの施設はダメだよ。危ないから」
「ちょっとまって、アーカイブ調べるから」
「あぁ、これね。危なすぎるから、昔にボツになってるわ」
「私の星では、昔は星から電気を取り出していたみたいね」
「今は、恒星に輪を作って、そこからエネルギーを取り出しているわ」
(それって、ダイソン球?すごすぎる)
「さすがに、これは私一人では無理ね」
「この星から、電気を取り出すのはできそう」
「あなたたち、銅は作れるわよね」
「あぁ、そのくらいならできるよ」
「銅は、髪の毛の3倍くらいの太さの線が必要よ」
「そんな、細かいのは無理かな。銅の剣なら」
「はぁ~、工場が必要になるわね、面倒くさい」
「作ってあげてもいいけど、高いわよ」
「うん、高くてもいい。ちなみに、お幾ら億円?」
「一週間に、ショートケーキをワンホールよ!」
「まけないからね!」
(がくっ!やっぱり甘味かよ)
「いいよ、それで」
「ほんと!一週間にワンホールよ!」
「きびしいけど、しかたないよ」
(テヘペロ。ちょろいなぁ)
「電気作ってどうするのよ」
「写真や、映画を作りたいんだ」
「ちょっとまって、アーカイブを調べるわ」
「あったわ、撮って現像するのね。材料がいるわね」
「こっちも工場がいるわ、面倒だから全ての工場を自動工場にするわね」
「でも、別料金よ」
「うん、高くてもいい。ちなみに、お幾ら億円?」
「一日に一個、チョコレートパフェを要求するわ!どう!」
「かなり、まけているわよ!」
「うーん、かなり痛いけど、その条件をのむよ!」
(テヘペロ。ちょろいなぁ)
「じゃあ、私の円盤に行くわよ。私に触っていて」
「こう?」パピーの肩に手を置く。
「離さないでね。次元の隙間に落ちるから」
(なにそれ、怖い!)
「行くわよ」
視界が歪む。俺は思わず目を閉じた。
「着いたわよ」
俺は目を開ける。
そこは、あの島のパピーが寝ていた部屋だった。
パピーは、機械に何か命令した。
とたんに、部屋が揺れ出した。
「パピー、部屋が揺れているよ!」
「我慢なさい、今、地上に出ているところだから」
揺れが止まった。
「よし、地上に出たわ」
パピーが、また、機械に何か命令した。
床以外の全面に周りの景色が映し出される。
「さあ、飛ぶわよ。どこに工場を作るの?」
パピーは、空中に大陸の地図を出す。
「そうだな、ここ。ユニティアの街の横に」
「そう、じゃあ、行くわよ」
上昇してから、ものすごい速度で周りの景色が移り変わる。
「さあ、着いたわよ」
下を見ると、ユニティアの街が見えていた。
ロックさんたちとの三週間の旅は、なんだったんだ?




