第82話 パピーの観光
朝食の席で、パピーが言った。
「そろそろ、観光がしたいわ」
「おまえの星の技術から見れば、見るべきものなんかないだろう?」
「それが、いいのよ。先史文明なんて、この目で見ることができないから」
「先史文明・・・」
俺は、改めてパピーの星の文明の高さを実感した。
「それじゃあ、朝食の後に街に行くか」
俺とネネとパピーは、王都の中央街を散策してる。
ネネにも事情を詳しく説明したから、納得してくれた。しかし、宇宙という概念は無理であった。
「パピー。面白いか?」
「面白いわ。先史文明は、こうやって発展していったのね。アーカイブだけじゃ分からなかったわ」
買い食いした肉串を食べながら、そうのたまう。
パピーに前世の文明を見せたら、どんな感想を言うだろうと思った。
「食べ物も、いいわ。私の星では、タブレットだけだもの」
それは、それで、悲しいなと思った。
パピーの食に関する興味は、そこから来るのか。
「パピーの所では、甘いお菓子なんか、ないのか」
「ないわよ、裏で甘味が流通してるって聞いてるけど」
甘味は、麻薬かよ。
「あのお菓子というものは、私の星では、所持してるだけで捕まるわ」
「この星に来て、本当にラッキーだわ」
剣呑なことを、のたまう。
「パピーは、どのくらい、この星に滞在するんだ?」
「そうねぇ、少なくとも、この星が、恒星を20周するくらいかなぁ、決めてないけど」
恒星を20周?あぁ、20年か。長いな!
「分かった、その間、ウチの屋敷で過ごすといい」
「そう、助かるわ。宇宙船の中って退屈なのよ」
「あのお風呂もいいわね。宇宙船には、ミストシャワーしかないもの」
どんだけ、技術が進んでいるんだ、パピーの星は?
「あぁ、マシューには、私の世話の見返りに、技術を教えてあげるわ」
「アーカイブにあったんだけど、核融合という技術があって・・・」
「ストップ!早すぎる!」
この星、いや前世でもその技術はないのである。
「そう、じゃあ、めちゃくちゃ時代をさかのぼって、蒸気機関とかいうのがあるけど」
「それでいい、この星には、ちょうどいい技術だ」
やっと、俺でも分かる技術が出てきた。
この世界では、順当な技術だろう。
こうして、パピーから、蒸気機関の技術を設計図とともにもらった。




