第76話 船を作ろう
ロックさんたち『炎の牙』のメンバーが、泊まり始めて二日。俺は、決心した。
「行こう!なんとかなるさ!」
「やっと、決めたのね」
「マシューって、そんなに優柔不断だったっけ?」
ネネが言う。
「だって、あるかどうかも分からないんだよ」
「三週間、航海して、なければ引き返してくればいいじゃない」
「それも、そうか。でも、どうやって行こう」
「それよ、それ!三週間の2倍の六週分の水と食料を積める船がある?」
「ないなら、作る!」
「単純ねぇ、まあ、そこがいいところなんだけど」
「そうと決まったら、行動あるのみ!」
***
俺は、船大工を集めるだけ集めて、俺の書いた設計図通りの船を作らせた。三交代制で昼夜を問わず作業してもらって、六日目に船は完成した。
そこに、三週間の2倍の六週分の食料と水を載せて、八日目に船出の準備が整った。
「マシュー、すげぇな、おまえ」
「こんな、短い期間で、船出までこぎつけるなんて」
「マシュー商会の財力と人望の賜物です!」
「さぁ!出港です!新大陸に向けて!」
俺と『炎の牙』のメンバーは、船に乗り込んだ。
***
それから、二週間。最初の元気はどこへやら。俺たちは、暇を持て余していた。
することといったら、釣りだけ。まあ、そのおかげで、食料に余裕が出ていた。
ついに三週間目に沖の彼方に、陸のようなものが見えてきた。
「やった!本当に大陸はあったんですね!」
俺たちは、いかりをおろし、小舟で大陸の砂浜にたどり着いた。
「地面だ、地面だぜ、マシュー」
「やりましたね!大陸上陸です!」
それから、俺たちは小舟で何回も往復して、必要な物資を運んだ。
「今日は、この砂浜で野営だ!野郎ども」
ロックさんが言う。
こうして、新大陸での夜はふけていった。




