第75話 ロックさんが来た
誕生日会も無事?に終わり、両親が実家に帰ることとなった。
「マシュー、元気でな。王様と魔王様に迷惑かけないようにな」
(迷惑かけられているのは、俺なんだけど。言わんけど)
「マシュー、ネネちゃんと仲良くね。それと、あまり無茶してはだめよ」
「うん、分かってるよ、父さん、母さん」
「それじゃ、またな」「マシュー、元気でね」
両親は、乗ってきた馬車で帰路についた。
俺は、見えなくなるまで、門の前で見送った。
***
それから数日、俺は何もない時間を過ごしていた。
「ねぇ、ネネ。何もない日々っていいねぇ」
「そうね、ここのところ、ずーっとバタバタしてたものね」
俺は、ソファーに寝ころび、ダラダラしていた。
セバスチャンの目が、少し怖い。
そこに、門番から、俺の知り合いが来たとの知らせがあった。
誰だろう?魔王や王様だったら、門番も知ってるはずだし。
***
俺は、お客を迎えに門へと行った。
「ろ、ロックさん!」
「おぉ、マシューだ。この屋敷で間違いなかったな」
「しかし、でかい屋敷だなぁ。さすが侯爵様だな」
「な、なんでここに?!」
俺はまだ驚きから、回復していなかった。
でも、目の前には、ロックさんをはじめ、『炎の牙』のメンバーが勢ぞろいしている。
「と、とりあえず、中へどうぞ」
俺は、ロックさんたちをリビングに通した。
「ろ、ロックさん!」
ネネも驚いている。
「おぅ!ネネちゃん、久しぶり」
メイドが、人数分のお茶を運んでくる。
「何か、あったんですか?」
「何もないが、いい話を持ってきた」
「いい話ですか?」
「そうだ、おまえは人間族と魔族が住んでるこの大陸以外の大陸があるって言ったら、信じるか?」
「この大陸以外の大陸ですか?そんなのあるんですか?」
「それがなぁ、古い文献を調べてみたら、それらしき記述があるんだ」
「人間領の端から、海を渡って三週間行ったところにあるらしいんだ。複数の文献に書いてあるんで、存在する確率が高い」
「それで、どうするんですか?」
「俺たちは、その大陸に行ってみようと思ってる」
「そこで、おまえを誘いに来た」
「えーーー!」
「お、俺ですか?」
「そう、おまえは強い。聞いたぜ、魔族領の王都に現れた体長20メートルの悪魔を倒したって」
「すぐに返事をくれとは言わない。考えておいてくれ」
***
ロックさんたちは立ち上がると、帰ろうとしていた。
「ちょっと待ってください。ロックさん。宿は決まってるんですか?」
「いや、これから探すが?」
「ウチに泊まってください。空き部屋はたくさんありますんで」
「いいのか?」
「是非とも!」
「悪いなぁ、甘えさせてもらうぜ。なぁ、みんな」
みんなも頷く。
「それでは、みなさん。夕食前にお風呂でもどうですか?」
「うれしい、2日入ってないのよ」
マリアさんが喜ぶ。
「じゃあ、みんな順番に入るか」
「いやいや、ウチのお風呂は無駄に大きいんで、みなさん一緒に入れます」
「マジかよ。風呂もデカいのか」
『炎の牙』のメンバーは、メイドに案内されてお風呂に行った。
「セバスチャン、ロックさんたちは、俺の恩人なのでよろしくお願いします」
「あと、魔王用のお酒とワインも用意して」
こうして、『炎の牙』のメンバーは、俺の屋敷に泊まることになった。




