第71話 人魔会談再び
王様より通達が来た。『二週間後、人間領と魔族領の境にある砦で、人魔会談を執り行うこととなった。貴殿とネネ殿も出席するように』と。
エリー姫様が攫われたあの砦か、人間族の王都と、魔族領の王都の中間地点だ。まあ、妥当だろう。
***
この噂が、人間族、魔族の両方に流れると、色んな憶測が飛び交った。
「やれ、また戦争だ」
「いや、友好の再確認だ」
と諸々だ。
正直、俺は、会談の内容は知っているが、言わない。言えるわけがない。
***
砦まで三日かかるので、三日前に馬車で屋敷を出た。
途中の町に泊まりつつ、砦に着いた。王様も一緒であった。王様は数名の近衛兵と来ていた。
対して、魔王とエリー姫様も同様に数名の近衛兵で砦に来ていた。
王様と魔王は、出会うなり、がっしりと握手をし、
「息災であったか魔王よ」
「おうよ、そちらも息災なようじゃな」
エリー姫様は、ネネと抱き合って再会を喜んでいる。
***
「して、今回の会談の内容は?」
魔王が聞く。
「それは、マシュー侯爵を含め、余人を排して話し合おうぞ」
「相分かった、三人で話そう」
俺と王様、魔王は、砦の一室で話し合うことになった。
部屋に入り、
「今回は、何用でござるか?」
「それが、かくかくしかじかで、マシューを『文化大臣』にして、この世にヲタク文化を広めようと言う話になってな」
「ヲタク文化をこの世に広める?よい考えである!」
「それが、俺もマシューもその方法を思いつかなくてな」
「魔王にも意見を聞くことになった」
「拙者の意見でござるか?」
「そうだ、マシューと話して、まずは、ラノベとマンガが妥当だろうとまで話はついたんだが」
「そもそも、この世界がファンタジーだろう。猫耳もいるし、メイドも実在している、魔法もある」
「向こうのラノベで人気の異世界転生系の話が、なりたたないのだ」
「そう言われれば、そうでござるな。悩ましいでござる」
「もう、いっそのこと、異世界転生ではなく、この世界の生まれ変わりで、主人公が、一介の村人から、神様から固くて強い体をもらって生まれ変わり、活躍するというのはどうでござるか?」
うん?どこかで聞いたような話だなぁ。
「そうか、この世での生まれ変わりか!それなら、前世の進んだ技術を説明しなくてもよくなる!」
「いいぞ、これは!」
「拙者もいいと思うでござるよ!」
「マシューよ!この線で話をつくるのだ!」
「それを元にマンガを作るでござるよ!マルチメディア展開と言うやつでござるよ」
「それと、アニメは無理だから、演劇への展開もするぞ」
「よいでござる!よいでござる!」
こうして、人魔会談は、大成功で終わった。対外的には、友好の再確認とした。




