第58話 教会が怪しい
俺は、ネネの『女の勘』を信じて、教会を張り込んでいた。
『あんぱん』とか、ないので、サンドイッチを食べながらの張り込みだ。ちなみに、『牛乳』はあった。
店は、従業員に任せた。
「今のところ、怪しいところは、ないなぁ」
温和そうな、神父さん。教会にお祈りにくる、敬虔な信徒たち。
「昼は、人通りも多いし、誘拐なんて起こらないだろう」
俺は、張り込み時間を、昼間から夕方以降に切り替えた。
さすがに、この時間は、人通りもまばらで、教会に入って行く人々もあまりいなかった。
夜になって、一人の若い女性が、教会に入って行った。
「懺悔とかかな?」
しかし、いくら経っても、その女性は教会から、出てこない。
「おかしいな?もう2時間だぞ」
結局、その女性は、朝になっても出てこなかった。
ネネの『女の勘』、もしかして当たりか?
一旦、家に帰って、ネネに事情を話す。
「ほら、『女の勘』は、当たるのよ」
鼻高々であった。
「ちょっと、魔王のところにも報告に行ってくる」
俺は、店を後にして、魔王城に向かった。
そして、謁見室に通される。
俺は、魔王にも、事の次第を話した。
「うむ、そうであるか」
「こちらも、新情報がある」
「新情報とは?」
「行方不明になった、若い女性は、皆、夜に教会に向かったことがわかった」
「それじゃ、やはり教会が?」
「うむ、怪しいのぉ、ネネ殿の『女の勘』は侮れないのぉ」
それで、魔王は、諜報部を教会に張り込ませることになった。
数日経って、魔王からの呼び出しがあった。
謁見室に通される。
「マシュー殿よ、当たりじゃ。夜に教会に入った半数の女性が、そのまま行方不明になっておるのじゃ」
「やはり、そうですか」
「それと、教会を中心に、小さな地震が頻発していることも、わかったのじゃ」
「地震が?」
今回の事件と、関係はあるのだろうか?




