幕間 慰安旅行その2
今日は、店とレストランを臨時休業にして、久しぶりの慰安旅行だ。
俺の店は、こういう福利厚生はしっかりしている。ブラック企業ではないのだ。
場所は、海の街だ。温泉も湧いているという。楽しみである。
***
当日、ローゼンバッハの街の門の前に従業員が集合していた。
前の慰安旅行より、2倍ぐらいに人員が増えているし、魔族もいる。
しれっと魔王とエリーも紛れ込んでいる。
まあ、予想通りだ。
「ん!あれは」
変装をしているが、明らかに王様だった。
「な、なんで王様が?」
「ずるいぞ、おまえたちだけで旅行なんて」
人間族の、情報収集能力も侮れない。
しかたないので、連れて行くことにした。
数台の馬車に分乗して、海の街へ向かう。
***
海の街に着いた。俺はおかみに三人増えたことを伝える。問題ないようだった。
各人、部屋に散って行く。
俺たちは、家族と見なされたようで、ネネとリリさん、エリーと魔王と王様と同室だった。
さっそく、俺たちは水着に着替えて海に行く。
「王様が留守にして、大丈夫なんですか?」
「うちは、部下たちが有能だから。2、3日は問題ない」
どこの王も同じことを言う。
ネネとエリーが、水着姿で海辺で、キャッキャとはしゃいでいる。
「ええもんは、ええ!」
久しぶりに、理性のタガが外れた。
魔王と王様は、仲良くビーチベッドに寝転がり、ヲタトークをしている。
両種族のトップが、それでいいんか?と思ったが、ほっといた。
従業員たちも、ビーチバレーとかして楽しんでいる。
昼は、浜辺でバーベキューだ。
みんな、肉に野菜、海鮮物を焼きながら、ビールを飲んでいる。
「海でのバーベキューというものは、良いもんだな」
王様が、ビールを飲みながら言う。
「そうじゃのぉ、最高じゃ」
魔王も、ビールを飲みながらそう言う。
俺は、もちろんジュースだ。早く大人になりたい。
夕方になり、旅館に帰る。さて、温泉だ。
しかし、温泉は阿鼻叫喚だった。日焼けした体に温泉がしみるからだ。
この世界には、日焼け止めクリームなどないのだ。
夕飯になり、皆、宴会場に移動する。
お膳がずらりと並ぶ席で、俺と王様と魔王は上座に座る。
俺は、立ち上がり、乾杯をする。
「マシュー商会は、みんなのおかげで繁栄しています。ありがとう」
「乾杯!」
「「「乾杯!」」」
各々が、楽しく話しながら、飲み食いをしている。
今回も慰安旅行は、大成功であった。




