第55話 俺が貴族?
人間族の王都に行って帰って来て、ネネとのんびりしていた。
「あっちこっち行って、疲れたわねぇ」
「そうだね。しばらくは、のんびりしよう」
ソファーにだらしなく寝ころび、俺は言う。
「あぁ、暇っていいな」フラグが立った。
「店長、王様から至急の手紙がきました」
あぁ、神様に言った「平々凡々と暮らします」が、守れていない。
周りが、それを許してくれないのだ。
「はいはい、手紙ね」
無造作に手紙を開ける。
『マシューよ、数々のおぬしの活躍により、
我が国は多大な恩恵を受けておる。
相応の身分を与えるので、王城に来られたし。
国王』
はぁー、また王城に行くのか。王命だから断れないしな。
「ネネ、また王城に呼ばれた。ちょっと行ってくる」
「いってらしゃい。マシューも大変ね」
まったくである。この間、王城に行ってきたばかりである。
俺は、準備をして、王城に向かうのであった。
***
数日後、人間族の王都に着いた。一晩休んで、次の日に王城に行くことにした。
***
次の日の午前中、王城に行った。
門の兵も慣れたもので、王様の手紙を見せると、待合室に通された。
待つこと数十分、謁見室に通された。
「王様におかれましては、ご機嫌麗しゅうございます」
「マシューよ。苦しゅうない。よく来てくれた」
「本日は、どんなご用向きでしょう」
「いやな、おぬしの国に対する功績が多大でな、おぬしを貴族に昇格させる」
「へっ!貴族に?」
「それも、おぬしの功績が大き過ぎてな、侯爵とする」
「こ、侯爵?王様、それは無茶苦茶でございます」
「異論は認めん!おぬしは侯爵だ!」
「そんな、ご無体な!」
「おぬしが、我が国に貢献した度合いを考えてのことだ」
「これで、我と魔王殿と対等になる」
あー!王様が「任せておけ」って言ったことは、こういうことかぁ!
強引だ、強引すぎる。
「王様、いきなり侯爵ともなると、他の貴族から異論が出るのでは?」
「我は、有能な人材を役職に就けておる、平民であってもだ」
「おぬしは、魔王殿とのパイプ役の外交官を命ずる」
あぁ、王様は、どんだけ俺と魔王とヲタトークをしたいのだ。
しかし、王命である。
「承りました。外交官の任をまっとういたします」
くぅー、王めずるいぞ。言えんけど。
こうして、俺は不本意ながら、侯爵となった。




