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第51話 魔王城に行く

ある朝、魔王城の使いが手紙を届けに来た。


俺は、手紙を開けて内容を読んだ。


『おい、マシュー。そろそろ魔王城に遊びにこい!

 エリーもネネ殿に会いたがっておる。

 魔王』


あぁ、そういえば、魔王城で王様と会談して以来だな。


「おーい、ネネ。魔王が城に来いって」


「そうなの、私もエリーちゃんと会いたいな」


「じゃぁ、明日行くか」


「そうだね。楽しみ!」


俺たちは、完全に常識というものを忘れていた。

本来ならば、王に会うというのは、そう簡単なことではないということに。


次の日、魔王とエリーに会うために、魔王城に赴いた。


「魔王様に呼ばれて、参上いたしました」

魔王城の門番にそう告げる。


「何ぃ!そんな話は聞いていない。帰れ、帰れ」


そこで、やっと俺は、常識を思い出したが、帰る訳にはいかない。


「そこを、何とか。『マシューが来た』とだけ伝えていただければ」と金を握らせる。


「うむ、しょうがないな、言付けだけだぞ」


「お願いいたします」


それから、待つこと30分。ドドドドっていう足音と共に魔王が現れた。


「マシュー殿、遊びに来てくれたのか」

「歓迎するぞ」


デジャブか?前にも同じシチュエーションだったな。


俺たちは、そのまま、魔王の部屋に連れていかれる。


エリーも、俺たちが来たことを聞き及び、魔王の部屋に来た。


「ネネお姉ちゃん!」


「エリーちゃん!」


二人は、抱き合って再会を喜ぶ。


「マシュー殿、ひどいでござる。王都にいながら会いに来てくれないとは」


「あぁ、ごめん。色々バタバタしててな」


改めて、魔王の部屋を見ると、まったく日本のヲタクの部屋だった。フィギュアとかは、もちろんパチもんだが。


俺は、その一つのフィギュアを指し尋ねた。


「魔王、この娘のゲームは、やったのか?」


「やったでござる、泣き申した」


「そうだよな、このゲームは泣きゲーだからなぁ」


「感動いたしたでござる」


俺は、魔王と楽しくヲタトークをしていた。


ネネとエリーが、ジト目で見ている。


「ネネお姉ちゃん、わらわの部屋に行くのじゃ」


「そうね、それがいいわ」


そう言って、部屋を出ていった。


「女子には分からないだろう。なぁ、魔王」


「そうでござる、ヲタ男子のみ分かるのでござる」


「それはそうと、このガン〇ム、再現性高いなぁ」


「その初期ガン〇ムであるか?苦労したでござる。国中の彫刻家を集めて再現したでござる」


「やっぱり、ガン〇ムは、初期だよなぁ。異論は認める!」


「おぉ、友よ!同意でござる!」


こうして、魔王とヲタトークを存分に楽しんだ。


俺とネネは、そのまま、夕食に招かれた。


「マシュー殿。ユニティアの街の件、大儀であった」


「いえいえ、魔王様。私は、両種族の橋渡しをちょっと手伝っただけです」


「おぬしのおかげで、ユニティアの街は、人間族と魔族の友好の道しるべになった」


「わらわは、こっちの父上の方がいい」

こそっと、エリーが、ネネに言う。


「そうね、だけど、マシューと話す魔王様は、楽しそうだったじゃない」


「そうじゃが、わらわは、あの二人の会話がまったく分からん」


「男同士にしか、分からない話だと思うよ」


実際は、単なるヲタトークである。


「おぬしは、人間族の王から褒美をもらったそうではないか?」


「あれは、姫様を救助した褒美であります」


「それならば、わしも何か褒美を渡さなければならないのぉ」


「お気になさらず、姫様が無事であったことが、褒美であります」


「いやいや、何か贈ろう。待っておれ」


「光栄でございます」


こうして、魔王城の訪問は無事終わった。


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