第49話 ユニティアの街
人間族の王様と魔族の魔王の肝いりで、人間族と魔族の町が併合されて一つの『ユニティア』の街が生まれた。
最初は戸惑っていた両方の民だったが、「今までと変わらないじゃん」と気が付いて自然に馴染んでいった。
それから、半年。お互いの町の中間にあった広場は『友好の公園』として残され、街は大きく発展していた。
人間族から見れば魔族領への入口、魔族から見れば人間族領への入口になるわけだ。
それぞれの入口ができれば、そこに取引が生まれる。ユニティアの街は、人間族と魔族の大きな商業の街として発展していった。
もちろん、俺はそれぞれの町に構えていた店を閉めて、ユニティアの街の中央街に大きな店を構えた。
従業員は、人間族と魔族の両方を雇った。
「うまくいったわね。マシュー」
ネネが嬉しそうに言う。
「あぁ、王様と魔王に感謝だな」
「そういえば、王様から荷物が届いていたわよ」
「うん?なんだろう?」
俺は、ネネから渡された木箱を開けた。非常に綺麗な剣だった。
「手紙が、入っているわよ」
「なになに、『遅れたが、お前に褒美を与える』」
褒美?
「あぁ!エリー救助の時に王様が言った褒美か!」
俺は、剣を抜いてみる。
「オ、オリハルコンの剣だ!」
「なにそれ?高価な物?」
「高価なんてもんじゃないよ!下手すると国宝ものだ!」
「冒険者でも、ロックさんたちしか持っていないよ」
「そうなの。良かったわねぇ」
ネネは、この剣の価値にピンときてないようだ。まあ、女の子だからかな。
「ネネ、ユニティアの街に行ってみない?」
「うれしい!行ってみたい」
俺は、魔族領の王都の店を臨時休業にして、ユニティアの街に向かった。
ユニティアの街に着いたら、その発展ぶりに驚いた。
「もう町でなく、言葉の通り『街』だなぁ」
ユニティアの街の中央街は、人間族と魔族の人々で溢れかえっていた。
酒場のテラス席では、人間族と魔族が乾杯している。
あぁ、これが友好なんだなぁと、しみじみと思った。
俺は、ユニティアの街の店舗に半年ぶりに訪れた。
「あっ!マシュー様、いらっしゃいませ!」
魔族の女性が迎えてくれる。
「あぁ、そのままで、単なる視察だから」
俺は、店を見渡した。人間族と魔族が共に働いている。
この光景を、王様と魔王に見せてあげたい。きっと、両者とも喜ぶだろう。




