第47話 町の融合
人間領と魔族領、それぞれの端に小さな町があった。
この町は、隣接しており、1kmも離れていなかった。
そのため、人間族と魔族の国交を結ぶ前から、僅かながら、交流があった。
親に禁止されていても、子供の頃は、人間、魔族など関係なく一緒に遊んでいた。
あの演劇の人気と共に、その垣根が緩くなり、お互いの町の中間にある広場で、市が頻繁に開かれるようになっていった。
ここに、目をつけた俺は、人間領側に小さいながらも便利商品の支店を構えた。
また、魔族領側にも便利商品の支店を構え魔族の魔族の従業員を雇った。
ここで、俺は、一計を案じた。人間領側と魔族領側の店には各々、全ての商品を置かず、両方の店に行くことにより、全ての商品が買えるようにした。
この策略は、功を奏し、人間領側と魔族領側の人々の往来が頻繁になった。
「奥さん、聞いた?魔族領側の八百屋で特売やってるんだって」
「あら、まあ大変、それは急いで魔族領側の八百屋に行かなくっちゃ」
「おい、聞いたか?人間領側に新しい酒場が開店したらしいぞ」
「おぉ!それは聞き捨てならねえな。今夜でも行くか」
「そうしようぜ!」
こんなふうに、思惑通りことが進んで各々の町が融合していった。
そこで、俺は、王様に面会を求め、この町の現状を説明した。
また、魔王にも面会を求めて、同じように説明した。
王様と魔王は、この町に興味を示したようで、前に王様が言ってた、魔王城への来訪が計画された。
王様の魔王城への来訪には、俺も呼ばれた。
「貴殿は、魔王様と王様の橋渡しをお願いする」
と、王様の側近の大臣から、命が下った。
「ねぇ、大丈夫?お偉いさんから無茶ぶりされているけど」
とネネが言う。
「大丈夫さ。元々、俺が始めたことだし」
そうこうしているうちに、王様が魔王城に来る日が決定した。
お供には、もちろん、俺も含まれた。




