↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
47/88

第44話 やっぱり砦に

ロックさんたちが、発っていった後、ロックさんが言った通りに、国王の使者が来た。


「マシュー様、砦での王様と魔王の会談に出席いただきたい」


あっちゃー、やっぱりか。


「断ることは?」


「王命で、ありますがゆえに」


がっくし、やっぱりか・・・


「ネネも連れて行っていいですか?」


「ネネ様は、王女エリー様と仲がよろしいと伺っておりますので、ご同行願います」


***


暗い、地下室の円卓で数名の頭巾を被った男たちが、密談をしている。


「王は、魔王と本気で友誼を結ぶようじゃな」


「嘆かわしい事よ、魔族との友誼など」


「そうじゃ、そうじゃ。魔族は下賤の者どもよ、それを」


「一週間後の砦での王と魔王の会談を、ぶち壊す算段は大丈夫か」


「それはもう、万事、抜かりなく」


「ふぉふぉふぉ、良きかな。良きかな」


***


後日、俺とネネは、馬車で会談場所の砦に向かっていた。

道中で、魔物がたまに出現したが、サクッと倒した。


「ねえ、ねえ、会談ってパーティもあるのよね」


「そうらしいね、俺の礼服とネネのドレスも持って来たよ」


「うわぁ、楽しみ。どんな、パーティだろう」


「そうだね、楽しみだね」


そんな他愛のないことを、話していると砦に到着した。


魔族領の門は、魔族兵が検問を行っていた。


「招待された、マシューとネネです」


「はっ!これは失礼を。どうぞお通りください」


砦の中は、結構大きな中庭となっている。

奥に、ステージが置かれ、椅子が並んでいる。王と魔王が座るのだろう。


***


礼服とドレスに着替えた後、案内された人間側の待合室は、軽食とワインがふるまわれており、結構な数の貴族がいる。

平民の俺たちには、場違い感がありまくりだ。


その中の、温和そうな貴族が、話しかけて来た。


「これは、これは、マシュー殿。お初にお目にかかります」

「私は、侯爵のロベルト・フォン・レリックと申します。ロベルトとお呼びください」


結構、お偉い貴族様だった。


「初めまして、ロベルト様。マシューです。そして、こちらがネネ」


「おぉ、魔王様の王女、エリー様と仲のよい、ネネ殿ですか」


「マシュー殿は、国王に呼ばれて?」


「そうです。王命ですから断れなくて、こんな場違いな場所へ」


「それはそうでしょう。魔王様から直々に魔族領に支店を出せと言われた方ですので」


ここで、侯爵は声を潜めて、

「どうやら、魔族との友好を反対する貴族が暗躍してるとかで、くれぐれも、お気を付けてください」


「そうですか、そんな貴族がいるのですね。気を付けます」


「では、私はこれで」


ロベルト侯爵は別の貴族のところに向かって行った。


そんな貴族がいるのか。これは、気を付けないとな。


***


しばらく、歓談が交わされ、会談の時間となった。

貴族たちは、ぞろぞろと中庭に向かう。


奥にステージには、既に王様、王妃様が座り、王様の隣には、魔王と王女のエリーが座っている。


王様が立ち上がり、中庭の人間、魔族の貴族に向かって演説する。


「わが兄の愚行により、魔族たちには多大なご迷惑をおかけしたが、魔王殿の寛大なご配慮もあり、人間領と魔族領は国交を結ぶことが出来た」

「また、魔王殿にもこうして、相まみえることができ光栄の至りである」

「これから、互いに偏見を捨て、人間族と魔族とで友好を深めようではないか!」


「「「おぉぉぉぉぉ」」」という歓声が中庭に沸き立つ。


魔王が立ち演説を始める。


「偉大なる人間族の王よ。ありがとう。多少の行き違いはあったが、賢王と名高い人間族の王に敬意を示す」

「わが魔族領でも、偏見を捨てて人間族と共に歩んで行けることを切に思う!」


「「「おぉぉぉぉぉ」」」という歓声がまたもや中庭に沸き立つ。


「さあ、宴じゃ!宴じゃ!魔族と人間族で大いに語り明かそうぞ!」

魔王が言い、王様と乾杯をする。


「王様、ばんざーい」「魔王様、ばんざーい」


***


その時だった、会場に何かが投げ込まれ、爆発して白煙を上げる。


「きゃーー、何?何?」「何事ぞ!」「何が起こっている!」


中庭は一転、騒然となる。白煙で、一寸先も見えない。


「ネネ!手を!」


「はい!」


とりあえず、ネネの安全は俺が守る。


でも、こう視界が悪いと危険である。


俺は、風魔法で竜巻を起こす。


次第に白煙は、薄れて行く。


その中で、魔王の叫び声がする。


「エリー!エリーはどこじゃー!」


混乱の中、エリーが攫われたのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。