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第43話 魔族領支店のその後

開店後、数日が経った。客足が、徐々に増えて来ていた。


どうやら、開店初日に商品を買ったお客さんが、商品の便利さを周りに話しているようだった。


満員御礼とはいかないが、店には多くのお客さんがつめかけて来ていた。


「はじめは、どうなることかと思ったけど、なんとかなったね」

ネネが言う。


「あぁ、開店日のエリー様の来店が、功を奏したな」


「そうね、今度、お礼に行かなくちゃだね」


そのおかげで、商品の在庫も少なくなって来ている。


「商品が、無くなりかけているんだけど、魔族領まで商品を運んでくれるのかしら?」


「そうだね、俺もそれを心配しているんだ」


実家に連絡はしてるけど、いっこうに追加の商品が届かない。


困ったことになったぞ。そう思っていた矢先に、表が騒がしくなった。


なんだろうと、覗いてみると、


「ロックさんたち!どうしてここに?」


「おぉ、マシュー、久しぶりだな」

「追加の商品を届けに来たぞ」


荷馬車の御者席に座った、ロックさんが手を振る。


「ありがとうございます。商品が底をつきそうだったんですよ!」


「いやぁ、魔族領に荷物を運ぶ業者がいなくてなぁ」

「おまえのご両親に頼まれて、俺が来たって訳さ」


「そうでしたか。両親が」


「荷馬車を乗りこなすのも、久しぶりで苦労したぜ」

「それで、荷物はどうする?」

ロックさんが聞くので、


「裏の倉庫に運んで貰えますか?」


「あいよ!」


ロックさんたち『炎の牙』は、手早く荷物を倉庫に移す。


「ささ、どうぞ中へ」


店にいた魔族たちは、筋骨隆々とした人間が入って来て驚いたが、


ロックさんが「こんにちは、魔族の皆さん」と、屈託のない笑顔で挨拶すると、安心したようだ。


「コーヒー、淹れてあります」

ネネが言う。


「そりゃ、ありがたい。いただくよ」


応接室にロックさん達を通す。


「どうでした、魔族領の旅は?」


「拍子抜けするぐらい、平和なもんだったぜ」


「他の人も、偏見が無くなるといいですね」


「そういえば、魔王と王様が会談するって話を聞いた」

「場所は、人間族が進攻しようとした、砦らしい」


「中立地点ですか」


「まあ、そうなるな」

「王様は、その砦のある街を人間と魔族の緩衝地帯にしたいらしい」


「それは、いい考えですね。さすがは、賢王」


「多分、マシューも呼ばれるぜ」


「えっ!どうして?」


「魔王から、名指しされた者を、呼ばないはずは無いだろう?」


「イヤだなぁ、断れないかなぁ」


「無理だ、多分、王命だ」

ロックさんがニヤニヤして言う。


「堅苦しいのは、嫌いなんですよ」

「むしろ、魔王と二人の方がいいです」


「おまえ、そっちの方がヤバいだろ!」


「魔王とは、親友なんで」


「おまえの、交友関係は、ぶっ飛んでるな」

ロックさんが苦笑いする。


「俺たちはこのまま、砦に向かう。王様の護衛でな」

「じゃあ、砦で会おう」


ロックさん達は、そう言って発っていった。


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