第42話 魔族領支店の開店
開店前夜、俺とネネは、店舗の最終チェックをしていた。
「ねぇ、マシュー。お客さん来るかしら?」
「さあな、魔族のことは、さっぱり分からない」
「そうよねぇ、私も分からないわ」
「考えていても、しょうがない。明日に向けて、もう寝よう」
「そうね」
俺たちは、店舗二階の居住スペースに戻り、寝るのであった。
***
10時開店、店には誰も並んでいなかった。
12時過ぎても、お客さんは、0人。
「はぁ~、これじゃ、先行き不安だなぁ」
「そうね、見事にお客さん来ないわねぇ」
店の立地は、いい。中心街のど真ん中だ。
道には、魔族がかなり歩いているが、店は素通りして行く。
「ビラ配りとかして、知名度を上げるかなぁ」
そんな話をしてると、通りが騒がしくなって来た。
「きゃー、エリー様よ」「ほんとだ、なんて可愛らしい」
そうこうしてると、エリーが店に入って来た。
取り巻きの女性たちも、つられて店に入って来る。
「マシュー、ネネ、来てやったぞよ!」
「まあ、エリー様。いらっしゃい」
「うむ、苦しゅうない、わらわに商品の説明をするのじゃ」
「はい、エリー様。まずは、この商品でございますが」
と、次々に商品の説明をしていく。
「ほほぉ、なるほど、これは便利じゃのう」
「全部の商品を、一つずつ所望するのじゃ」
「ありがとうございます。エリー様」
「ねぇねぇ、エリー様がお買いになったわ」
「確かに、便利そうね」「私にも、これとこれとこれを頂戴」
「こっちもよ、これとこれを買うわ」
店が急に繁盛しだした。
店の中が騒がしいので、道行く人も店に入って来る。
「これは、どう使うんだ?」
「これは、こうしてこうです」
「便利じゃねえか、買わせてもらうぜ」
店は、いつの間にか満員御礼だった。
エリーは、
「父上が、待っておる、たまには魔王城に遊びに来るのじゃ」
と、言って、お付きの者に買った商品を持たせ、帰って行った。
「エリーちゃん効果、すごいわね」
「そうだな、エリー様様だよ」
こうして、開店初日は、大盛況であった。




