第40話 使節団と国交
一週間後、馬車で使節団が、魔王城へ向かう。
途中で寄った、魔族の町では友好的に迎えられた。
3日をかけて、魔王城に着いた。
魔王城の門の前では、兵士がずらっと並び、使節団を歓迎してくれた。
謁見室に通され、魔王に謁見する。
使節団長が、うやうやしく挨拶を述べる。
「魔王様、ご機嫌麗しゅう、使節団長のロブと申します」
魔王は、その挨拶も気にせず、
「マシュー殿、来てくれたか!この間は世話になったのぉ」
魔王は、俺に駆け寄り、肩をバンバン叩く。
「ちょっと、魔王!空気を読めよ!」
使節団のみんなは、ポカーンとしてる。
「そうじゃった、人間の使節団よ、大儀であった」
使節団長は、我に返り、
「こちらが、わが王の親書であります」
親書を魔王の側近に渡す。
側近は、それをうやうやしく魔王に渡した。
「なになに、人間と魔族とで親睦を深め、国交を結びたいとな」
「なにとぞ、よしなにお取り計らいいただきたく」
使節団長が言う。
「国交を結ぶことには異論はない、ただし、条件がある」
「条件とは?」
「マシュー殿、おぬしの店では、便利な物がたくさん売っているそうだな」
「魔族領に支店を作ってくれぬか」
「えぇ!魔族領に支店を?」
俺は、驚いて聞き返した。
「それが、条件じゃ」
使節団長が、小声でささやく。
「はいと言え、はいと!」
俺は、しかたなく、
「はい、魔王様、承りました」
魔王は、ニヤニヤしてる。
やってくれたな、魔王!覚えておけ!
俺は、心の中で毒づく。
「それでは、国交の調印をいたしましょう」
「うむ、相分かった」
こうして、国交の調印がなされ、正式に人間領と魔族領とで、国交が結ばれた。




