第34話 Aランク
ギルド長に呼ばれて、冒険者ギルドにやって来た。
いつもの通り、応接室に通される。
しばらくして、ギルド長が来た。
「何の御用ですか?」
「いやな、この前のスタンピードがあっただろう」
「ありましたね」
「そこで、おまえは火炎魔法で、3分の2の魔物を倒した」
「ギルド内の冒険者がな、あんなのBランクの所業でないと、騒ぎはじめてな」
「それで?」
「おまえを、Aランクに昇格させる」
「えぇ、俺はまだ11歳ですよ」
「歳は関係ない。ランクを上げないと冒険者達が納得せんのだ」
「あそこまで、出来ないとBランクに上がれないのか?ってな」
「それで、俺をAランクに」
「どうだ?受けてくれるか?」
「そう言う事情があるなら、昇格させてもらいます」
「そうか、これで、冒険者達も納得するだろう」
こうして、俺は、Aランクになった。
***
家に帰って、ネネに報告する。
「すごいじゃない。その歳でAランクだなんて」
「それが、そうも喜んでも居られないんだ」
「なんで?」
「Aランクになると、どこかで、ランクが高い魔物が出ると、討伐に向かわなくてはいけないらしい」
「Aランクの義務ってやつだ」
「危険なの?」
「分からない、そうそう、無いらしいが」
ふぅ、とため息をつく。
「そうそう、ないなら、その時に考えればいいじゃない」
「そうだ、ロックさん達のチームは、全員Aランクでしょ。手伝ってもらえばいいじゃない」
「あぁ、そうだな。それがいいかもしれない」
少し、気が楽になった。
「ネネ、ありがとう」
「どういたしまして」
***
それから、俺は、大きなカバンを抱えて、商業ギルドに出向いた。
ここでも、応接室に直行だった。
出されたお茶を飲んでいると、本部長のマークがギルド長を連れて来た。
「今日は、なんの御用かしら」
俺は、机の上にカバンを置いて、
「たまってた新商品の商標登録に」
「かなり、あるわねぇ」
「冒険者稼業の方が、忙しくて」
「この間のスタンピード事件ね。大活躍だったらしいじゃない」
「それがあって、Aランクに昇格しました」
「まあ、それはおめでとう」
「それでは、商品を見せて貰うわ」
俺は、一つ一つ商品の説明と利便性を説いた。
そこから先は、いつものギルド長との舌戦が繰り広げられる。
「ふう、こんなもんね。マーク、これの商標登録の手続きをお願い」
「それは、そうと、あなたの実家の町が栄えて大きくなって来てるじゃない」
「もう、街を名乗ってもいいぐらいだわ」
「実家の町は、商品の製造拠点ですからね。新商品が出るたびに工場も大きくなりますから」
「だいぶん、人も増えているとか」
「実家には帰らないの?」
「そのうち、工場の視察で帰る予定です」
「そうしなさい、ご両親も喜ぶでしょう」
こうして、用事がすんだんで、商業ギルドを後にした。




