幕間 慰安旅行
今日は、店とレストランを臨時休業にして、慰安旅行だ。
俺の店は、こういう福利厚生はしっかりしている。ブラック企業ではないのだ。
場所は、近隣の山の温泉街だ。温泉はこの世界で初めてだ。楽しみである。
***
当日、門の前に従業員が集合していた。
「ん!あれは」
帽子を被っているが、明らかにエリーと魔王だった。
「な、なんでエリーと魔王が?」
「ずるいのじゃ、おぬしらだけで温泉旅行なんぞ」
「温泉と聞き及び、わしも居ても立っても居られなくてのぉ」
魔族の、情報収集能力、怖い。
しかたないので、二人とも連れて行くことにした。
「エリーちゃん!久しぶり!」
「ネネお姉ちゃん、久しぶりなのじゃ」
二人は、キャッキャッと抱き合う。
数台の馬車に分乗して、温泉街へ向かう。
***
温泉宿に着いた。俺はおかみに二人増えたことを伝える。問題無いようだった。
各人、部屋に散って行く。
俺たちは、家族と見なされたようで、ネネとリリさん、エリーと魔王と同室だった。
さっそく、俺と魔王は温泉へと向かう。
「魔王が留守にして、大丈夫なのか?」
「うちは、部下たちが有能だからのぅ。2、3日は問題ない」
「ふぃー」
「あぁー」
温泉は最高である。
「拙者、この世界に転生して、温泉は初めてでござる」
「俺もだ、温泉はいいよな」
「それはそうと、口調が素にもどってるぞ」
「マシュー殿と二人なので、問題ないのでござる」
「ガ〇ダムは、まだ続いているのであるか?」
「色々の世界線で、まだまだ続いていたぞ」
「そうでござるか」
「ガ〇ダムの実物大の展示がされていたりなぁ」
「そうであるのか!見たかったでござるなぁ」
こうして、ヲタクトークをして、魔王とは親友となった。
部屋に戻って、しばらくすると、女性陣も温泉から帰って来た。
「湯上りの浴衣姿の女性は、良いものであるのぉ」
「異議なし!」
「「はっはっはっ」」
「ずいぶんと、父上と仲がよくなったのぅ」
エリーが言う。
「エリーよ、マシュー殿とわしは、同好の間柄であるので、親友じゃ」
「ようわからんが、わらわは、嬉しいぞよ」
***
食事の時間になったので、大広間に向かう。
そこには、ずらっとお膳が、並んでいる。
「さあさあ、マシュー様は、上座へ」
「乾杯の音頭をお願いします」
支店長が言う。
「こほん、それでは」
「わが商会の繁栄は、みんなの努力のたまものです。これからもよろしく頼みます」
「乾杯」
「「「かんぱーい」」」
宴が始まった。みんな、雑談をしながら、大いに飲み食いしている。
慰安旅行は、大成功だった。やって、良かった。




