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第31話 誕生日会

実家が、気合が入ってるようなので、俺のスーツ、ネネ、リリさんのドレスも新調した。

ネネとリリさんは、遠慮したが、実家の気合の入れ方を説明したら、納得してくれた。


***


実家に戻る道中は、冒険者は雇わなかった。だって、俺が、Bランク冒険者なんで。道中、ゴブリンは相変わらず、俺の顔を見ると逃げて行った。

野営もコットがあるおかげで、ぐっすりだ。作って良かった。


***


いよいよ、町に入る。町の門に「歓迎!マシュー様」の垂れ幕は、恥ずかしかったし、ネネに笑われた。

実家に向かう道中で、町民が「マシュー様」「マシュー様」と声をかけてくる。


***


やっと、実家に着いた。久しぶりに帰ったら、実家が豪邸になっていた。

両親が出迎えてくれた。


「おぉ、マシュー、久しぶりじゃのう」

「マシュー、大きくなって」


両親が涙目になっている。その横に町長がうやうやしく、

「マシュー様、お待ちしておりました」

とお辞儀をしてくる。


何?これは?

頭が追い付かない。


***


誕生日会は、公民館の中庭で行うそうだ。実家の中じゃないの?

ステージがあつらえられ、俺はその袖で待たされる。

まずは町長のスピーチだ。


「この町に、大いなる富と働き場所を与えてくれた、マシュー様に感謝を」

「「「感謝を」」」

町民皆の叫び。


「貧困層をなくし、町に活気を戻してくれたマシュー様に感謝を」

「「「感謝を」」」

また、町民皆の叫び。


ちょっと、怖いんですけど。


「さあ、11歳を迎えたマシュー様をお呼びしましょう!」

「マシュー様」「マシュー様」「マシュー様」


ここで、出て行くの?


父さんに押されて、ステージに上がる。

「きゃーマシュー様」「マシュー様」「マシュー様」


居心地悪い。でも、挨拶はしなければならない。


「どうも、マシューです。はれて11歳になりました」

「「うおーー」」「「マシュー様ぁ」」


怖い、はっきり言って怖い。


「皆さまが商品を作っていただいてるおかげで、わが商会も成り立っております」

「これからも、新製品を考えて行きますので、その際はよろしくおねがいいたします」

「「マシュー様、万歳」」「「マシュー様、万歳」」


言うことは言ったので、ステージの袖に下がる。


「さあ、皆さん、マシュー様の11歳の誕生日を祝い、飲んでたべましょう」

町長がしめる。


町民たちは、テーブルの飲み物、食べ物で大いに盛り上がっている。


「父さん、これは何事?」


「前にも言っただろう、商品の製造でこの町が潤ったことを」

「更に、おまえが、街で支店を増やすから、ますます、この町は工業団地として成功しておる」

「町民は、皆、わが店の労働者だ。利益も上がって、給料も爆上がりだ。喜ばないやつはおらん」


何か、実家の町がすごい事になってる。


「そこにおるのが、ネネ殿とリリ殿か?」

「ネネ殿は、街の店舗の第一従業員で、会計を任されてると聞いておる」

「そして、リリ殿は、愚息が立ち上げたレストランの総料理長だとか」

「愚息が、いつもお世話になっております。」

父さんは深々とお辞儀をする。


「いえ、いえ、助けて貰ってるのはこちらの方です」

リリさんが言う。


「そうだよ、マシューは、私たち親子を助けてくれたんだ」

ネネも言う。


「そうでしたか、何はともあれ、これからも息子をよろしくお願いいたします」

父さんは、また深々とお辞儀をする。


町長が、

「固い話は、後にして、飲んで食べようではありませんか」

と、広場に連れ出す。


「きゃーマシュー様よ」

あっという間に囲まれる。

「マシュー様、年上はお好き?」

「ひっこんでな、ばばぁ、マシュー様は、年下でぴちぴちが好みよねぇ」

「マシュー様とは、学校が一緒だったわよねぇ」

「私も一緒よ!」「私もよ!」

ちなみに、この町は学校が一つしかない。


ネネの方に助けを呼ぼうとしたが、ジト目で、睨まれる。俺が何をした!


こうして、11歳の誕生日は過ぎて行った。



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