第29話 ダンジョン後編
三階層目になっても、快進撃は止まらない。
ここまでの宝箱は、たいてい中級の装備で、俺は全てを貰った。
たまに、宝石がでたが、小ぶりだった。
四階層、五階層と進む。
***
五階層で、扉が現れた。
「あぁ、中ボスかな」
面倒くさそうに、ロックが言った。
「マシューの攻撃力が見たい。戦って見ろ」
「ロックさん、面倒くさいだけじゃ?」
無視された。
俺は、扉をゴゴゴと開ける。
「キラースパイダーか、しょうもな。糸に気をつけろよマシュー」
明らかにやる気がない。
俺は剣を構えて、突っ込んで行った。キラースパイダーの吐き出す糸をかいくぐり、足を全て刈り取る。
あとは、キラースパイダーの眉間に剣を突き刺すと、キラースパイダーは倒れた。
キラースパイダーの後ろのとびらが、ゴゴゴと開く。次の階層の階段だ。
「さて、次の階層に行きますかね」
ロックさんが、のんびりと言った。
***
次の階層は密林だった。歩きにくいこと、この上ない。
「マシュー、おまえ魔法が使えるといったな。火炎魔法使えるか?」
「使えます」
「じゃあ、この密林を焼き尽くせ」
「そうしたら、俺たちも丸焼けに」
「大丈夫じゃ、わしがバリアを張る」
ロナルドがそう言って、俺らの周囲にバリアを張る。
「それなら、行きます!火炎魔法!」
手加減なしの火炎魔法だ。周囲が赤く染まる。
「おぉ、すげぇ!これほどとは、予想外だ」
ロックが驚く。
魔法が消えた後は、焼け野原だ。所々に巻き込まれた魔物の焼死体がころがっている。
「いやー、正直ビックリしたわ、マシュー。魔力デカ過ぎだろ」
「わしも、これほどの使い手、はじめて見ましたぞ」
ロナルドが褒める。
「さて、次の階層の階段は、っとあった。見晴らしがいいな」
階段を下りて次の階層に向かう。
***
次の階層は水の階層だった。
「あちゃー水かよ。濡れたくねーな」
「マシュー、氷魔法使えるか?」
「はあまあ、一応」
「じゃあ、この水を全て凍らせろ」
「はあ、では。」便利使いである。
「はっ!アイスバーン!」
これも、手加減なしである。
この階層の水が全て凍り付いた。
「おぉ、これで濡れずにすむ。みんな滑るなよ」
氷の中に、狂暴そうな魚が凍り付いている。
ダンジョン攻略って、こんなんでいいのだろうか?
氷の向こうに、ひときわデカいとびらがある。
「どうやら、ラスボスのようだな」
ロックが言う。
「よし、ラスボスは俺らが倒す」
「な、何で?」
「マシューは、チーム組んだことがないだろ、俺らの連携を見て学べ」
ゴゴゴとロックが、扉を開く。
中には、一つ目、一角の巨人がいた。
「サイクロプスかよ、まあ、いいか。みんな行くぞ!」
「「おう!」」
そこからが、凄かった。ロックが攻撃をしかけ、反撃がくるとロナルドが部分バリアを張る。
ルークは、的確にサイクロプスの目を射抜く。仲間がちょっとでも傷を負えば、すかさずマリアが回復させる。
完璧なチームプレイだ、俺は、ぼーっと見てるしかなかった。
しばらくして、サイクロプスが倒される。
「凄い!凄いです皆さん!」
「まあ、こんなもんかな。勉強になったかマシュー」
ロックが言う。
「学ばせていただきました」
俺は深く頭を下げる。
「さてと、宝箱はと、『ミスリルの剣』かぁ。新しいダンジョンだとこんな物か」
「ほら、マシュー装備しな」
「いいんだって、俺らはオリハルコン持ちだから」
「よし、奥の魔法陣から地上に帰ろう」
こうして、俺たちは地上に戻った。




