第28話 ダンジョン前半
冒険者のロックさんが、久しぶりに訪ねて来てくれた。
「よう!マシュー、冒険者になったんだって?」
「ええ、10歳になって、自分の実力を試したくて」
「この街の冒険者ギルドに寄って、びっくりしたぜ」
「破竹の勢いでBランクまで、昇格したんだってな」
「まあ、色々ありまして」
「そういえば、ロックさん達は、ランクは?」
「皆、Aランクだぜ。もたもたしてると、おまえさんに追いつかれるな」
「えっ!Aランクですか?馬車の護衛とか小さい依頼してるのに?」
「おれたちは、のんびり冒険を楽しみたいんだ」
「すてきな、考え方ですね。尊敬します」
「よせやい、楽がしたいだけだ」
「俺も本当は、平々凡々と暮らしたいんですが、周りが許してくれないんです」
「大変だなお前も」
「それで、今日はなにをしに?」
「冒険者になったって言うんで、うちのメンバーでダンジョンに行かないか?」
ダンジョン!あぁ、いい響きだ。ゲームで定番のダンジョン!
「行きます!行きます!連れていって下さい!」
「よし!決まりだな。明日、7時に門の前に集合な」
「分かりました。よろしくお願いします!」
ロックさんは、帰って行った。ダンジョンかぁ、どんな罠があるんだろう?エリアボスは、どんな強さだろう?夢が広がる。
***
翌朝、7時前に門に着いた。嬉しくて中々寝付けなかった。
ロックさん達がやって来た。
「おう!早いな」
「まずは自己紹介だ。荷馬車警護の時はしてなかったろ」
俺は、「ロック。剣士だ」
俺は、「ゲド。モンクだ」
俺は、「ルーク。アーチャーだ」
わしは、「ロナルド。見ての通り魔法師だ」
私は、「マリア。魔法師だけど、ヒーラー専門よ」
「マシューです。固くて強いです。魔法も使えます。よろしくお願いします」
「固くて強いって何だよ」
ロックが笑った。
「さあ、行こうか」
俺たちは馬車に乗り込む、御者はゲドだ。
***
「今から行くダンジョンは、比較的新しくてな、マッピングもされてない。気を付けろよ」
「もちろん、罠の位置とか種類も不明だ」
「ロックさん、罠に関しては案があります。俺を先頭にしてください」
「おいおい、危険だぞ」
「俺は固いと言ったじゃないですか。試しにロックさんの剣で、俺を叩いてください」
「いいのか、痛いぞ」
「どうぞ、お構いなく」
ロックさんは、剣の腹で俺を叩く。
カキン、カキン。
「本当だ、金属を叩いているようだ」
「ね、本当でしょ」
「あぁ、じゃあマシューが先頭な」
ダンジョンに着いた。
***
ダンジョンは、ツタに覆われた遺跡のようで、中央に入口がある。
「あそこだ、突入するぞ」
先頭を俺が歩く、しばらくして、カチッと言う音がして、両方の壁から無数の鉄の矢が放たれた。
カキ、カキ、カキン、カキ。
俺の体が、矢を弾く。
「もう大丈夫ですよ」
「マシュー、平気か?」
「全然」
その後も、底が針山になってる落とし穴、転がって来る大岩とか色々あったが、全てに引っ掛かり、全て無事だった。
「すごいな、おまえ」
「一家に一人欲しいわ」
みんなが、口々に言う。
***
罠エリアを抜けたのか、魔物が出現した。
「ここからは、いい所みせないとな。みんな!」
「「おおっ!」」
冒険者の攻撃力は圧倒的だった。さすがAランク冒険者。
***
階段を下りて、二階層目。魔物も強くなってきた。俺も銅の剣で、応戦する。
迷路の小部屋で宝箱を、見つけた。魔法師のロナルドが慎重に開ける。
『鋼の剣』だった。
「あぁ、この階層じゃこんなもんか、マシュー装備しろよ、それ『銅の剣』だろう?」
「いいんですか?」
「おれらの武器は、全てオリハルコンだ。問題ない」
さすが、Aランク冒険者。装備もすごい。
「では、ありがたくいただきます」
三階層目に下りる、ここから魔物が一段と強く、多くなった。




