第27話 魔族の進軍
「王様!大変でございます!魔族が攻めてまいりました!」
「なんじゃと!どこの方面に進軍しておる?」
「今のところ、ローゼンバッハの街です」
(読者様はお忘れかと思うが、ローゼンバッハの街とは、マシューが暮らす街である)
「急いで、援軍を向かわせろ」
「はっ!かしこまりました」
***
何もしらない、マシューの家では、
「あーん、エリーちゃん」
「あーん、冷たくて甘いのじゃ。アイスクリンは美味しいのぉ」
全力で、ほのぼのしていた。
そこにマシューが、冒険者ギルドから戻って来た。
「たいへんだ!魔族軍が、この街に進撃してるって!」
「えー!大変じゃない!」
「そうなんだ、いくら俺が固くて強いからと言って、何万の軍隊にはかなわない」
エリーが青ざめる。
「父上が、わらわを取り戻しに来たんだじゃ!」
「おまえのせいなんかい!」
「多分そうじゃ、魔力感知で居場所がばれたのじゃ!」
「もう、お家に帰ってくれぇ~」
「いやなのじゃ、父上が謝るまで帰らんのじゃ!」
「そこをなんとか、親子喧嘩がおおごとになってるんだ」
「いやなのじゃ、いやなのじゃ」
エリーが、床でジタジタし初めた。
「えーい!駄々こねるんじゃありません!」
「このままじゃ、人間対魔族の全面戦争が始まってしまうんだ!」
「しかたがないのじゃ。会うだけじゃぞ、わらわは、絶対あやまらん」
「よし、それでもいい、いくぞエリー」
俺は、エリーをおんぶして、魔族軍に向かって走りだした。
***
「うーむ、心配じゃ。エリーは、人間の街でいじめられてないかのぉ」
「魔王様、そろそろ、ローゼンバッハの街に着きます」
「そうか、わしの魔力探知は、あの街を示しておるからなぁ」
「大変です!街から少女をおぶった男が、こちらに向かって走ってきます」
「その少女は、エリーなのか?」
「おそらく、そうだと思います」
「よし、会おう」
***
ようやく、魔族軍にたどり着いた。
魔族軍の先頭に、大きい男が立っていた。
「父上なのじゃ、やっぱり、わらわを探しにきたのじゃ」
***
俺は、魔王と対峙した。
「おたくの娘さんを保護していた、マシューと言うものだ」
「ほほぉ、保護ともうすか?」
「牢屋にでも入れておったんじゃ、あるまいな」
エリーが俺の背中から、飛び降りて、
「ちがうのじゃ、父上、エリーは本当にようして貰ってたんじゃ」
「3食美味しいごはんを貰えて、おやつまで食べさせて貰っておったんじゃ」
「ほほぅ、3食おやつ付きじゃと、中々の好待遇じゃな」
「それと、父上が私のプリンを食べたことを謝らない限り、絶対帰らないのじゃ」
「そ、それは、プリンに名前が書いてなかったから、余りものかと思って」
「ちゃんと、プリンの底に〇マと書いておったわ!」
「底に?それは、気が付かないであろう」
「謝るのじゃ!」
「ご、ごめんなさい」
えらく、些細なことが、親子喧嘩の原因だった。もう、俺帰っていい?
「それと、父上の人形遊びは恥ずかしいのじゃ!何とかムーンとか言うお人形さんを並べて」
「はっ!それって、セー●ームーンでは」
「おぬし、知っておるのか、セー●ームーンを」
「知っているさ、俺は転生者だ」
「わしもじゃ、15年まえにこの世界に転生してきた」
「日本人なのか?」
「あぁ、日本のヲタクじゃ!」
「ドラクエは、まだ続いておるのか?」
「続いている。俺がこの世界にくる前までで、10まで出ていたぞ」
「おぉ、ではFFはどうじゃ?」
「14までだな」
「ちなみに、こち亀は、連載が終わった」
「なんじゃと!こち亀が終わったじゃと!」
「サ●エさんは?」
「まだ続いてる」
「ほっ、拙者、サ●エさんが終わる時は、世界の滅亡の時だと思っておる」
「あぁ、もう色々聞きたいぞ!おぬし、魔王城に来るのじゃ」
「暇があったらな」
「絶対、じゃぞ!語りあおうぞ!」
「よし、娘も戻って来たんで、撤退するのじゃ!」
「じゃあね、マシュー。ネネにもよろしく言っておくのじゃ」
「あぁ、またな。たまには遊びに来いよ」
「わかったのじゃ。また、家出したら、行くのじゃ」
「家出は、やめてくれ。おおごとになる」
「では、さらばじゃ!同胞よ!」
魔族軍は、引き返していった。
***
「王様、大変です!」
「今度は、なんじゃ?!」
「魔族軍が撤退して行きました」
「なんじゃと!本当か!」
「偵察部隊からの報告です」
「何がしたかったんじゃ、魔族軍は」
こうして、人間対魔族の全面戦争は回避された。




