# 第24話 ゴブリン討伐
朝、早めに起きてパンをかじりながら、街の門に向かう。
今日のことは、ネネにも言っていない。早く起きて朝ごはんを作っていた、リリさんには簡単に説明した。
***
7時ちょうどに門についた。ギルド長と、一緒に行く冒険者達が待っていた。
「すいません。俺が最後ですね」
「新入りが最後とは、けしからん」
冒険者のリーダーらしき人が言った。
「まあ、まあ、遅刻したわけでもないし」
ギルド長がなだめる。
「紹介しよう、この子がマシュー、Cランク冒険者だ」
「知ってますよ、ギルド登録したその日にビックモアを倒してCランクになったって、ギルド内では有名人ですよ」
「真偽のほどは、分からないですがね」
うーん、この人は、俺を嫌ってるようだ。この先が思いやられる。
「俺は、チーム『白き翼』のリーダーのステファン、剣士だ」
スラッとした、イケメンだ。
「俺は、ボブだ。斧使いだ」
こちらは、筋骨隆々、でかい人だ。
「私はステラ、アーチャーよ」
身軽そうなお姉さんだ。
「私はマリアンよ。魔術師よ」
小柄な、やさしそうなお姉さんだ。
「さて、自己紹介も終わったようだし、さっそく出発だ。馬車に乗ってくれ」
馬車に乗り込むと、馬車が走りだした。ギルド長が門のところで見送ってくれる。
***
2時間ほど馬車で走ったら、目的の村についた。
村長が出迎えてくれる。
「ようこそ、冒険者の皆さん。本日はお越しいただき、ありがとうございます」
「あんれ、子どもが混じっとる」
「この子は、子どもだけどCランク冒険者よ」
ステラが、説明してくれる。
「おぉ、Cランク冒険者様でしたか、とんだ失礼を」
「ふん!本当にCランクの実力があればの話だがな」
「ステファン!失礼よ!」
ステラが擁護してくれる。いいお姉さんだ。
「村長、ゴブリンの集落はどこにあるんだ?」
「あそこに見える小山の中ですじゃ」
「そうか、少し休憩したら、討伐に向かうぞ」
「ステラさん。さっきはありがとうございました」
俺は、擁護してくれたステラさんにお礼を言った。
「いいのよ、ステファンたら、自分が苦労してCランク冒険者になったのに、登録初日にCランク冒険者になったマシューが、気に入らないのよ」
「まったく、心が狭いわ」
「あはは、俺のはまぐれですよ、まぐれ」
「まぐれで、ビックモアは倒せないわ。期待してるからね」
***
俺たちは、少し休んだ後、ゴブリンの集落がある山に向かった。
「ゴブリン、何匹ぐらいいるかしらねぇ」
ステラが言う。
「何匹いたって大丈夫だよ。わたしの火魔法もあるからね」
マリアンが、杖をかざしてそう言う。
「あなたの、火魔法は、範囲が狭いじゃない」
「まあ、まあ、こぼれたゴブリンは、俺が切り伏せるさ」
ステファンが擁護する。
森に入ると、数匹のゴブリンが現れた。
「ぎゃぎゃぎゃ」
「まずい、仲間を呼んだぞ」
数十匹のゴブリンが集まって来た。
「マリアン、火魔法を!」
ステラの言う通り範囲が狭い。数体のゴブリンを倒しただけだった。
そこで、俺は前に出ることにした。
「危ないぞ、マシュー!」
斧使いのボブが叫ぶ。
気にもとめず、スタスタ、ドシュ、スタスタ、ドシュドシュ、スタスタ。
歩きながら、ゴブリンの攻撃をものともせず、首をはねて行く。
「おいおい、マジかよ!」
ステファンが驚いている。
その間でも、スタスタ、ドシュ、スタスタ、ドシュドシュ、スタスタ。
先兵らしきゴブリンを一掃した。
「すごいじゃない。マシュー」
ステラが興奮して、抱きついてくる。あぁ、胸の感触が、いいかおりが。
理性が飛びそうになるのを、グッと堪える。えらいぞ、俺!成長してるな!
ステファンが、グチグチ言っている。
「俺の所に回してくれれば、俺だって」
「何、言ってんの、あなたは、オロオロしてただけでしょ!」
ステラが突っ込む。
「まあ、まあ、無事に先発部隊も壊滅できたんだし」
俺は、場を取り繕う。気苦労が多すぎだろう。俺は、まだ10歳だぞ。
***
森を抜けたら、広々とした空間に、ゴブリンの集落があった。
50匹はいる。
俺は、ステファンに聞いた。
「人質の村人は、いないんですよね」
「あ、ああ、村長はそう言っている」
「では、焼きます!」
「ちょ、待てよっ!」
ぼおぉぉぉぉぉぉぉ!
俺の手から、森を燃やし尽くすほどの火炎が放たれる。木で出来た集落なんて消し炭だ。
逃げて来たゴブリンは、冒険者たちが倒して行く。
まさしく、蹂躙である。
***
その時、火炎の中から3メートルはありそうな、ゴブリンが現れた。
「ゴブリンキングだ!聞いてないよ!」
ステファンは、情けない声で叫ぶ。
俺はと言うと、スタスタスタ、蹴り。
ゴブリンキングに足払いをかけ、転ばせる。
そこを、すかさず、銅の剣で、ザシュ!
首が飛んだ。
ポッカーン。
冒険者たちは、なにが起こったのか理解できず、呆けていた。
「ゴブリンの集落も殲滅したし、帰りましょうか。お腹もすいたし」
「ウン、ウン、ソウダネ」
冒険者たちは、ショック状態からまだ回復しきってなかった。
村に帰り村長にゴブリンの集落を、壊滅したことを伝えた。
村長は涙ながらにお礼を言っていた。
「まあ、大したことなかったですよ。あっはっはっ」
ステファンは、すっかり本調子に戻っていた。
「ちょっと、ステファン。ほとんど、マシューのおかげでしょ!」
ステラが、ステファンの脇腹を、つね上げる。
「まあ、まあ、合同チームなんだし」
なんで、10歳の俺がこんなに気を使わないといけない。納得がいかん。言わんけど。
こうして、村のゴブリン騒動は収まった。




