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第19話 10歳になった

あれから、2年ちょっと過ぎて、俺は10歳になった。

店は大繁盛で、この街に3店、支店を作った。

レストランも盛況で、リリさんのレシピを元に、チェーン店が8店に増えた。


***


たまに、実家に帰省したが、実家の町は、既に俺の店の商品製造拠点化していて、町には活気があふれ、貧困層もなくなっていた。

両親もこれらを喜び、俺の手を取って、おいおい泣いてお礼を言ってくれた。

町長は、俺の銅像を建てると言っていたが、それはさすがに辞退した。


***


実は、今はネネ親子と同居している。本店の三階の住居だ。

リリさんは、猫屋を出るのを渋っていたが、俺とネネとの説得で、利便性がいいからと、何とか納得して貰えた。


***


商品も、実家の町の工場での大量生産が実現して、値段が安くなり各家庭に広がっていた。


***


「マシュー、おはよう。朝ごはん出来てるよ」


ネネが部屋に来た。ネネも10歳になり、ずいぶんと大人らしくなっている。特に胸部が。


「ええもんは、ええ!異論は認めない!」


久々に理性が飛んだ。


「何よ、マシュー。変なの」


「いや、なんでもないよ。朝食を食べよう」


いそいそと、ダイニングに向かう。


湯気が立つテーブルを前に、幸せって、こう言うものなんだなぁ、としみじみと思う。


朝ごはんを食べながら、ネネが言う、

「マシュー、今日は何するの?」


「そうだな、各店舗の視察をした後、冒険者ギルドに行ってくる」


「冒険者ギルド?!なんで、そんな所に?」


「いやぁー、言ってなかったけど、俺、冒険者になりたいんだ」


「冒険者に?!そんなの危ないよ!」


「実は、2年前から考えていて、鍛錬もしてる」


「どうして!どうしてなの!」


「ネネ、落ち着きなさい。話を聞かせてくれる?」

リリさんが、言った。


「ほら、俺って固いだろ、攻撃も棒きれでゴブリンの頭を吹き飛ばすくらい強いんだ」


「固いのは、出会った時に見たから知ってる。攻撃は見たことがないよ」

「なんで、そんななの?」


「うーん、神様の行き過ぎた加護ってヤツかなぁ」


「信じられない!見てみるまで信じられないわ」


「じゃあ、俺の修練場で見せてあげるよ」


***


今日は、ちょうど店もレストランも定休日だったから、三人して俺の修練場まで来た。


「じゃあ、防御力から」

「ネネ、そこの岩を俺にぶつけてみて」


「結構、重いわね。よーし、フンっ!」

ネネが重そうに、俺に岩を投げる。


ゴキン!ピシ、バラバラ。

岩は俺に当たって、バラバラに砕けた。


「あらー、固いのねぇ」

リリさんが、驚く。


「まだよ、次は攻撃力を見せてよ!」


俺は、持って来た『銅の剣』で、そばにあった岩を切る。


パカッ。


岩は綺麗に真っ二つになった。


「あらー、すごいわねぇ」

リリさんが、のんきに言う。


「ぐぬぬ、認めない!冒険者なんて認めない!」

ネネがわめきちらす。


「まあ、まあ、ネネ。こんなに強いんだから大丈夫よ」

「マシューくんが決めたことだから、認めてあげなさい」


「えーん、お母さん」

ネネがリリさんに泣きつく。


「男の子が、自分で決めたことだから、応援してあげましょ」


「うん、分かった」


やっと、ネネに理解して貰った。明日は、冒険者ギルドに行く。


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