第12話 再び猫屋とゲンさん
街に着いて門をくぐった所で、冒険者たちと別れた。一晩泊まって明日に町に帰るらしい。
護衛料を支払おうとしたら、ロックさんが、あんないい物を貰ったんだからいらないと言い出したが、無理やり押し付けた。
かなり、コットを気に入ったんだろう。
***
そのまま、幌馬車で、中心街をはなれて、猫屋に向かった。
ネネは、しっぽブンブンで出迎えてくれた。
俺は、グッとリビドーを抑え込んだ。
「今度は、いつまでいるの?」
「街にはずっとだけど、この宿には、店の改装と僕の部屋ができるまでかな」
「街にいてくれるなら、会えるからいい」
いい子である。グッと来た。
その晩は、相変わらず美味しい料理に満足して寝た。
***
次の日は、内装業者を紹介して貰うため、商業ギルドに向かった。
もちろん、ネネも一緒だ。
「こんにちは、マリーさん」
「あら、マシューくん帰って来たんだ。今日は何?」
「店舗の改装と、僕の部屋の改装を頼める業者を紹介してもらいに」
マリーの顔が、曇った。
「あの店舗の改装ですかぁ」
「何か、問題が?」
「あの店舗は、この街で有名な幽霊店舗です。受ける業者がいるかどうか」
「そんなぁ、どうにかなりませんか?」
「そう言われましても、あっ!そうだ、あの人なら」
「どの人ですか?紹介してください」
「ドワーフのゲンさんです。頑固一徹、幽霊なんか信じない」
「その方でいいです!紹介して下さい!」
マリーさんは、しぶしぶ工房の地図を渡してくれた。
「いいですか、ゲンさんは、頑固一徹!頑固なんです!」
マリーさんの忠告を背に、工房へと向かった。
***
工房に着いた。思ったより小さい。
「こ、こんにちは、商業ギルドのマリーさんの紹介で参りました」
「んぁ!商業ギルドだぁ!あのばばぁの所か」
ばばぁとは、ギルド長のことだろうか?
「店舗の改装と、居住スペースの改装をお願いしたいんですが」
「場所はどこだ!」
「中心街角の三階建ての店舗です」
「なにぃ!あの幽霊店舗か!」
「そうです、その店舗ですぅ」
「おまいさん、あの物件を買ったんか、物好きだのぉ」
「それで、改装の方はやっていただけるんでしょうか?」
「幽霊は信じない!設計図しだいだな!中途半端な改装はせんぞ!」
「設計図は、このようになってますぅ」
「どれ、どれ、おぉ!なんじゃこれは!常識外れだぞ!」
「ダメですかねぇ、ウチの世界じゃ標準なんですがねぇ」
「これが標準!馬鹿言うな!この図面は、この世の10年先は行っとる!」
「それで、受けていただけるんでしょうか?」
「受けんでかぃ!腕がなるぜぇ!」
これで、ようやく改装できる。




