第11話 再び街へ
実家でしばらくのんびりした後、俺は切り出した。
「父さん、街にはいつ行くの?店舗も確保してあるよ」
「それなんだがな、母さんと話したんだけど、街の店はお前に任せる」
「えっ!父さんたちは来ないの?」
「わしらはな、この町で十分なんだ。お前には商才がある。一人でやっていけるだろう」
「そうは言っても、僕まだ7歳だよ」
「大丈夫、お前ならやって行ける」
父さんの意思は決まってるらしい。
「じゃあ、僕が街で成功して屋敷を立てたら来てくれる」
「おぉ、その時は行くさ、がんばるんだぞ」
こうして、街には俺一人で行くこととなった。
***
数日後、荷物をまとめて街に行くこととなった。
冒険者のロックさんにも声をかけた。
出発の朝、両親は町の門まで見送りに来てくれた。
母さんは、若干目が赤い。
「よし、行くか!」ロックさんが言った。
冒険者と幌馬車は、街道を進んで行く。
両親は、見えなくなるまで、手を振っていてくれた。
旅路は、しごく快調だった。ゴブリンは、相変わらず逃げた。
***
さて、野営だが、俺は秘密兵器を用意していた。
木と、帆布で作ったコットである。
「坊主、それはなんだ?」
「コット、いや、折り畳み式の簡易ベッドです」
人数分のコットを、手早く組み立てる。
「おぉ、簡易ベッドか」
「寝てみていいか?」
「どうぞ、どうぞ」
「おぉ、こりゃいい!、背中が痛くない」
冒険者たちに大好評だ。もう、寝息を立てている者もいる。
翌朝、起きたら冒険者が騒いでいた。
「体が楽だ、痛くない」
「俺もだ、朝までぐっすり眠れた」
「坊主、こりゃいいな!体の疲れが取れる」
そこで、俺はコットの畳み方と広げ方を教えた。
「畳むとかなり小さくなるんだな。これなら、荷物袋に入る」
「街で売るつもりです。それは、進呈しますよ。皆さんに使いごごちを試してもらったんで。」
「いいのか、悪いなぁ、これは冒険者に売れるぞ!」
そこからは、みんな体が軽いと言って、サクサク進んで、あっという間に街に着いた。




